デデキント環(デデキントかん、Dedekind ring)、あるいはデデキント整域(デデキントせいいき、Dedekind domain)とは、任意の0でない真のイデアルが、有限個の素イデアルの積にかけるような整域のことである。そのような分解は一意であることが知られており、イデアル論の基礎定理と呼ばれる。...
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ウンシュヴァイク工科大学教授を歴任した。彼の名前にちなんだ数学用語としては、デデキント環、デデキント切断、デデキント無限などがある。 デデキントは、基礎解析の算術化、および現代の代数的整数論を構築した主要な数学者の一人で、環、加群、イデアル、体、ベクトル空間といった概念を生み出した。また、彼はガウス...
8 KB (788 words) - 17:21, 16 December 2023
Z[√−5] は一意分解環ではない。しかし、イデアルとしては (2), (3) や (1 ± √−5) はさらに分解できて、素イデアルの積としては一意に (6) = (2, 1 + √−5)2(3, 1 + √−5)(3, 1 − √−5) と分解される。一般に、代数体の整数環はデデキント環であり、素イデアルの積に一意的に分解する。...
10 KB (1,317 words) - 23:45, 12 April 2024
数学において、集合A がデデキント無限(Dedekind-infinite)である、またはデデキント無限集合であるとは、A と同数(equinumerous)であるようなA の真部分集合B が存在することである。つまり、A とA の真部分集合B の間に全単射が存在するということである。集合 A がデデキント無限でないとき、デデキント有限であるいう。...
11 KB (1,447 words) - 11:46, 29 August 2022
環論の抽象化に邁進するとともにデデキント環の公理的特徴付けに成功。ドイツにおいてはエミー・ネーターが同値なデデキント環の定義を発見し、以後彼女はネーター環論の中心的役割を担う。 ウォルフガング・クルルは両世界大戦の間にネーター環の次元論、局所化、完備化、正則局所環等の概念を考案、また一般付値環...
3 KB (354 words) - 13:03, 22 May 2024
素イデアル (category 環論)
素イデアル(そイデアル、英: prime ideal)は、環のイデアルで、ある条件を満たすものである。歴史的には、素数(素元)の概念の拡張としてデデキントによって代数体の整数環に対して定義された。整数環(一般にデデキント環(英語版))のすべてのゼロでない(整)イデアルは、素イデアルの有限個の積として...
8 KB (941 words) - 15:35, 14 March 2024
単項イデアル整域 (category 可換環論)
単項イデアル整域はデデキント環である。 ユークリッド環は単項イデアル整域である。逆は成り立たない。 R-加群が平坦であることと捩れなしであることは同値である。 整域 R に対して、以下は同値である。 R は単項イデアル整域である。 R の任意の素イデアルが単項イデアルである。 R は UFD かつデデキント整域である。...
9 KB (1,201 words) - 11:03, 9 March 2024
自由加群 (category 環論)
がある。平坦加群はテンソル積が完全列を保つという性質をもつ。環が特別な性質をもてば、逆が成り立つことがある。例えば、任意の完全局所デデキント環上のすべてのねじれのない加群は平坦加群、射影加群、自由加群でもある。 局所環、完全環、デデキント環を見よ。 ^ Keown (1975), p. 24 ^ Hazewinkel...
8 KB (1,183 words) - 21:57, 8 February 2017
やや後になってデデキントはイデアルの概念を定式化したが、クンマーは異なる方法で研究していてこの時点で存在する例を統一できた。代数的整数の環は(単項イデアル整域とは限らないため)素元への一意分解を持たないが、すべての真のイデアルは素イデアルの積としての一意的な分解を持つ(つまりすべての代数的整数環はデデキント...
22 KB (3,422 words) - 15:36, 11 February 2024
デキントで、それは任意の代数的整数環がイデアルの一意な準素分解を持つという形に述べられる。すなわち、これらの環において、任意のイデアルは準素イデアルの積として表され、その分解は因子の順番を除いて一意である。イデアルに関するこの一意分解性質を持つ整域は、こんにちデデキント...
20 KB (3,155 words) - 00:50, 11 May 2024
環の素イデアルは素数の環における対応物であり、中国の剰余定理もイデアルに対するものに一般化することができる。素因数分解の一意性もデデキント環のイデアルに対応するものが存在し、数論において重要な役割を持つ。 イデアルは整数の算術から定義される合同算術の方法と同様の剰余環(商環...
27 KB (4,093 words) - 12:52, 20 February 2024