アオモンイトトンボ

アオモンイトトンボ
オス
オス
メス
メス
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: トンボ目(蜻蛉目) Odonata
亜目 : イトトンボ亜目 Zygoptera
上科 : イトトンボ上科 Coenagrionoidea
: イトトンボ科 Coenagrionidae
亜科 : イトトンボ亜科 Coenagrioninae
: アオモンイトトンボ属 Ischnura
: アオモンイトトンボ I. senegalensis
学名
Ischnura senegalensis
(Rambur1842)
シノニム
  • Agrion senegalense Rambur, 1842
  • Enallagma brevispina Selys, 1876
和名
アオモンイトトンボ

アオモンイトトンボIschnura senegalensis、青紋糸蜻蛉)は、蜻蛉目(トンボ目)イトトンボ科昆虫。 オスの腹部第8、9節が鮮やかな空色をしていることが和名の由来となった[2]

体長32mm前後[3]アフリカから中東、南および東アジアにかけて広く分布し[1]、日本では4月から9月にかけて関東以南の本州から南西諸島まででみられる[3]。平地の池や沼など、主に流れの無いあるいは流れのゆるやかな水辺でよくみられ、環境のかく乱や塩分を含んだ水域(沿岸礁湖など)、汚れた水辺にも生息するが、手つかずの森林などにはみられない[1][4][5][6][7]

雌には、緑褐色~濃褐色をした「異色型(メス型)の雌」と、雄によく似た青色の「同色型(オス型)の雌」という色彩の異なる二型がある[8]千葉大学高橋佑磨の研究によれば、雌の中に複数の色彩型が混在し多様性が保持されていればいるほど、雄は効率的に雌を探すことができなくなり、結果として雌が雄から執拗に交尾を迫られるセクシャルハラスメントのリスクが雌一個体あたりで低下することが確認された。さらに、こうしてセクシャルハラスメントが軽減すると、集団の増殖性や安定性が高まり、最終的には集団の絶滅リスクも減少することがデータからも示された[9][10]

脚注

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  1. ^ a b c Sharma, G. & Clausnitzer, V. (2016). Ischnura senegalensis. IUCN Red List of Threatened Species (IUCN) 2016: e.T59897A75436136. http://www.iucnredlist.org/details/full/59897/0 2017年3月3日閲覧。. 
  2. ^ アオモンイトトンボ”. 水辺の昆虫図鑑. 大阪府立環境農林水産総合研究所. 2017年11月21日閲覧。
  3. ^ a b 『小学館の図鑑NEO 新版 昆虫』小学館、2014年、23頁。ISBN 978-4-09-217303-3 
  4. ^ C FC Lt. Fraser (1933). The Fauna of British India, including Ceylon and Burma, Odonata Vol. I. Red Lion Court, Fleet Street, London: Taylor and Francis 
  5. ^ Subramanian, K. A. (2005). Dragonflies and Damselflies of Peninsular India - A Field Guide. http://www.ias.ac.in/Publications/Overview/Dragonflies 
  6. ^ Ischnura senegalensis Rambur, 1842”. India Biodiversity Portal. 2017年3月3日閲覧。
  7. ^ Ischnura senegalensis Rambur, 1842”. Odonata of India, v. 1.00. Indian Foundation for Butterflies. 2017年3月3日閲覧。
  8. ^ 『ネイチャーガイド 日本のトンボ』文一総合出版、2017年、146頁。ISBN 978-4-8299-0119-9 
  9. ^ 高橋佑磨. “研究結果の詳細 見た目の多様さが繁栄のカギ”. YUMA TAKAHASHI. 2017年11月21日閲覧。 アーカイブ 2018年10月10日 - ウェイバックマシン
  10. ^ 第1回(2013年) 日本生態学会奨励賞(鈴木賞)受賞者”. 日本生態学会. 2017年11月21日閲覧。

外部リンク

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