キャセイパシフィック航空
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法人番号 | 2700150004653 | |||
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設立 | 1946年9月24日 | |||
ハブ空港 | 香港国際空港 | |||
マイレージサービス | Cathay | |||
会員ラウンジ | 寰宇堂、玉衡堂、爾雅堂、逸連堂、賞心堂、G16ラウンジ(香港国際空港内のウイング並びにピア) | |||
航空連合 | ワンワールド | |||
親会社 | スワイヤー・グループ (45%) 中国国際航空 (29.99%) カタール航空 (9.99%) | |||
子会社 | エア・ホンコン 香港エクスプレス航空 | |||
保有機材数 | 149機(45機発注中) | |||
就航地 | 101都市(コードシェア含む) | |||
本拠地 | 香港 | |||
外部リンク | www |
キャセイパシフィック航空の本部「キャセイ・シティ」(國泰城) | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
略称 | 國泰航空 |
設立 | 1946年9月24日 |
業種 | 空運業 |
法人番号 | 2700150004653 |
事業内容 | 航空運送事業 旅行事業 |
代表者 | パトリック・ヒーリー(会長) ロナルド・ラム(林紹波、CEO) |
資本金 | 7億87百万香港ドル |
売上高 | 993億7,600万香港ドル[1] (2012年12月期、グループ連結) |
純利益 | 9億1,600万香港ドル[1] (2012年12月期、グループ連結) |
総資産 | 1,371億33百万香港ドル(2011年12月期) |
決算期 | 12月末日 |
主要株主 | スワイヤー・グループ丶中国国際航空 74..99% (共同で行動する) |
外部リンク | Cathay Pacific |
キャセイパシフィック航空(キャセイパシフィックこうくう、簡: 国泰航空, 繁: 國泰航空, 拼音: , 広東語イェール式: gwok taai hòhng hūng, 英: Cathay Pacific Airways Ltd., CPA, HKSE:0293)は、香港を拠点とする航空会社。香港のフラッグ・キャリアである。
イギリス・スカイトラックス社による航空会社の格付けで、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認定を得ている[2]。
概要
[編集]香港国際空港(HKIA: Hong Kong International Airport: 香港國際機場)をベースとしている。同空港周辺には機材整備施設や本社機能、訓練施設などを持つキャセイシティ(Cathay City:國泰城)を形成している。イギリス系で香港の財閥『スワイヤー・グループ』 (Swire Group) が40%の株式を保有しており、事実上スワイヤーのグループ企業である。また、世界第3位の航空連合(アライアンス)であるワンワールドに加盟している。
1994年にランドーアソシエイツ社でCIを実施。ブラッシングウイングと呼ばれる中国伝統の書道をモチーフにしたロゴマークが特徴である。またCIを実施当初のテーマソングは坂本龍一が担当した。日本ではCI導入以前のCMでは、バリー・ホワイト作曲の「愛のテーマ」をBGMに広川太一郎のナレーションにて「着きごこち、さわやか。」というキャッチフレーズでも有名となった。
航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している[3][4]。
2006年6月9日に、香港第二の航空会社、香港ドラゴン航空(DragonAir : 港龍航空公司)を買収し、100%子会社とした。イギリス植民地時代からの取り決めにより、中国への路線網は、北京とアモイしかなかったが、買収により中国全土へのネットワークが形成された。なお、後に香港ドラゴン航空は、「キャセイドラゴン航空(國泰港龍航空)」に改名することとなる。
キャセイは中国国際航空(エアチャイナ、国航)と戦略的に相互資本提携をしている。しかし、国航はスターアライアンスに加盟しているので、ワンワールドに加盟しているキャセイにとっては、航空連合としてはライバル関係にあたる。
名称
[編集]社名にあるキャセイ (Cathay) とは、マルコ・ポーロによって有名になり、欧米の陸路貿易国を中心に使われていた、契丹に由来する中国の名称「カタイ」の英語訳で、英語では中国の旧称となっている。現地中国語名では、國泰航空公司と表記されている。台湾の国泰世華銀行などを抱える金融グループ「國泰金控」(Cathay Financial Holdings Co., Ltd.)や、かつて香港にあった映画製作会社「モーションピクチャー・アンド・ゼネラル・インベストメント」(Motion Picture and General Investments Limited, MP&GI; 國際電影懋業公司)を保有していたシンガポールの複合企業キャセイ・オーガニゼーション(Cathay Organisation Holdings Limited)とのグループ関係はない。
歴史
[編集]設立
[編集]中華民国で航空運送業を営んでいたアメリカ人のロイ・ファレルと、第二次世界大戦中にインドと中華民国を結ぶ航路のパイロットであったオーストラリア人のシドニー・カンツォが、ダグラスDC-3でカルカッタと重慶間の路線の運航を開始した。
その後国共内戦の激化に伴い、上海から移り住んだイギリスの植民地の香港にて、1946年9月24日に正式にキャセイパシフィック航空として創立した。香港からマカオやマニラ、バンコク、シンガポール、上海への旅客便の運航を始める。
急成長
[編集]その後、国共内戦に勝利した中国共産党により1949年に中華人民共和国が設立され、その後中国共産党の支配を嫌った多くの難民が香港へ流れてきた事や、1950年代初頭にイギリスが中華人民共和国を承認し国交を樹立した事から、香港の地位が「中国大陸への窓口」として高まったことにより事業は急速に拡大する事になる。
乗客数の急激な伸びに対応するために、より大型なダグラス DC-4BやDC-6を導入するとともに、イギリス系財閥のスワイヤー・グループの資本を受け財務体制を強化させた。その後1959年には、英国海外航空とジャーディン・マセソンの合弁会社で、最大のライバルであった香港航空(後のエア・ホンコンや香港航空(元CRエアウェイズ)とは別会社)を吸収し規模を拡大した。
日本への就航は1959年7月に羽田空港へダグラス DC-6で乗り入れ開始した。1960年代には大阪、福岡、名古屋へも乗り入れ、その後ターボプロップ機のロッキード・エレクトラやジェット機のコンベア880などを投入するなど日本への路線を充実させていった。
世界へ
[編集]1970年代に入り香港がアジア地域の貿易、金融センターとしての地位を確実なものとするとともに、より大型なボーイング707を導入しアジア地域の主要都市に直行便を就航させた他、初のワイドボディ機であるロッキード・トライスターを導入する。
1979年には、ボーイング747-200型機の導入により宗主国の首都であるロンドンへの乗り入れを週1便で開始した。まもなく同便は1日1便に増強され、キャセイパシフィック航空有数のドル箱路線となる。2023年現在、香港 - ロンドン/ヒースロー空港は同社だけで最大6往復運航されており、エアバスA350XWBとボーイング777-300ER型機の長距離機材で運航されている[5]。
その後1980年代にかけて、パリやフランクフルト、アムステルダム、ローマをはじめニューヨーク、バンクーバーと言った北米路線、ブリスベン等のオーストラリア路線を開設し、世界的にネットワークを拡げていった。
現在
[編集]この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
2006年には、香港の第2の航空会社である香港ドラゴン航空を買収し傘下に収めた。現在は香港のフラッグキャリアとして、南アメリカ大陸を除く全大陸の主要都市への路線を運航している。さらに、ワンワールドの主要メンバーとなり多数のコードシェア便を運航している。またそのサービスは世界的に高い評価を受け、世界各国の様々な賞を受賞している。以前より関西国際空港(大阪)や中部国際空港(名古屋)といった日本の大都市にはB777またはA340などの大型機を使ってデイリー運航で乗り入れており、香港国際空港乗り換えによる東南アジアやオセアニアなどへの広い路線網を提供している。
日本と香港の航空自由化が締結されたことから、羽田再国際化後に羽田に1日2便で開設が決まり、2010年に32年ぶりに羽田再就航となった[6]。[5]。羽田空港、成田空港とも自前のキャセイパシフィック・ラウンジを運営している。 最近ではボーイング777-300ERと新規に発注したエアバスA330-300を契機に全てのクラスのシートや新型のAVODパナソニックアビエーション社製eX2(StudioCX)にリプレースしている2年〜3年にかけて更新する予定。
2010年にはエアバスA350 XWBを発注をした。更に保有機の全機材にパナソニックアビエーション製の「eXConnect」を導入する事を決め2012年以降機材でのブロードバンド接続が可能となる予定である。
2019年3月27日には、中国本土海南航空グループ傘下でライバルの香港エクスプレス航空の買収を発表し[7]、7月21日に買収完了を発表した[8]。
2019年-2020年香港民主化デモに関連して、8月に空港がデモ隊に占拠され12、13日多くの運航便が欠航し、中国民用航空局よりデモに参加した従業員を中国路線から排除すること、事前に中国に向かう便に搭乗するクルーの情報を提出することを求められた[9]。また、デモ参加者の解雇が相次いでおり、労働組合は「文化大革命」式の政治的粛清を実行しているとして同社を非難している[10][11]。一部の中国国営企業は、従業員に対してキャセイ航空の利用禁止命令を出している[12]。8月16日にはこれら従業員によるデモ参加者対応で最高経営責任者(CEO)ルパート・ホッグ氏と最高顧客・商務責任者(CCO)のポール・ルー氏が辞任しCEOはキャセイの主要株主であるスワイヤーグループのオーガスタス・タン氏が後任となり[13]、11月6日には会長ジョン・スローサー氏も退任し、スワイヤー・パシフィックの幹部、パトリック・ヒーリー氏が就任するとした[14]。また、デモによる業績への影響が出てきていて2019/20冬期ダイヤの一時減便[15]や導入機体の受領延期、運航機体の早期退役[16]などで収支改善施策を強いられている。さらに、2020年に入り猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の影響で、中国、香港両政府による渡航制限により、中国本土便の9割を削減する計画で[17]、従業員に対して無給休暇取得を要請する事態となっている[18]。
香港の厳格なコロナ対策を受けて、キャセイは2022年12月期まで3期連続で最終赤字だった[19]。キャセイの林紹波(ロナルド・ラム)最高経営責任者は、2023年の『日本経済新聞』のインタビューに対し、「過去3年間、世界の航空会社のなかで最も厳しい状況に直面した」と回想している[19]。
保有機材
[編集]かつて香港がイギリスの植民地であった事や、親会社のスワイヤー・グループがイギリス資本であった事などから他の豪などイギリス連邦加盟国と同じくロールス・ロイス社製のエンジンを選択することを好んだ。しかし、近年の旅客機メーカーが、エンジンメーカーを単一にする事によってエンジン開発のリスクマネージメントする方針などから機種によって選択不可になったり、他航空会社の中古機材導入によって括れなくなってきている。
なお、キャセイパシフィック航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は67で、航空機の形式名は747-467, 747-467F, 777-267, 777-367, 777-367ER などとなる。また、機体の機体記号について香港では中国返還以前英国租借当時はVR-H**で登録されていたが、中国(台湾を含む)本土との混乱を避けるべくB-H**としていた[20]。しかし香港航空、香港エクスプレス航空、運航停止済みのオアシス香港航空、子会社に当たるキャセイドラゴン航空までもが使用してきた関係上B-H**だけでは手一杯となってしまったなどの背景から最近の登録機材ではB-K**、B-L**などで対処している。
運航機材
[編集]機材 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | ||||
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F | C | W | Y | 計 | ||||
エアバスA320neo | - | 8 | TBA | 一部香港エクスプレス航空用に発注 | ||||
エアバスA321neo | 12 | 28 | - | 12 | - | 190 | 202 | 一部香港エクスプレス航空用に発注 キャセイドラゴン航空から移行 |
エアバスA330-300 | 43 | - | - | 39 | 21 | 191 | 251 | |
39 | - | 223 | 262 | |||||
28 | 265 | 293 | ||||||
42 | 265 | 307 | ||||||
24 | 293 | 317 | ||||||
8 | 42 | 230 | 280 | |||||
エアバスA350-900 | 30 | - | - | 38 | 28 | 214 | 280 | |
エアバスA350-1000 | 18 | - | - | 46 | 32 | 256 | 334 | |
ボーイング777-300 | 17 | - | - | 42 | - | 396 | 438 | ローンチカスタマー |
ボーイング777-300ER | 38 | - | 6 | 53 | 34 | 201 | 294 | |
- | 40 | 32 | 296 | 368 | ||||
ボーイング777-9X | - | 21 | TBA | 2025年から受領予定 | ||||
貨物機材 | ||||||||
エアバスA350F | - | 6 | 貨物 | 747-400ERFを置き換え[23] 20機のオプション付き[24] | ||||
ボーイング747-400ERF | 6 | - | 貨物 | A350Fに置き換え | ||||
ボーイング747-8F | 14 | - | 貨物 | |||||
計 | 178 | 63 |
カラーリングについては、エメラルドグリーンの背景に赤いストライプと、白い筆文字で翼をイメージしたブラッシュ・ストロークと呼ばれるロゴが入ったものになっており、これは機体にも描かれている。
2015年11月1日に新塗装を発表[25][26]。垂直尾翼が全面緑で塗られたところにブラッシュストロークが大きく入ったほか、胴体はシンプルなデザインに仕上げられた。この新塗装第1陣となったボーイング777-300ER(機体番号:B-KPM)は、東京 - 香港線のCX548便(香港8:45発東京羽田行き)にてデビューを果たしている今後5年間で約150機を新しい塗装に塗り替える他、2016年受領のエアバスA350XWBは最初から新塗装で受領する[27]。2023年から機体塗装はそのままに「CATHAY PACIFIC」のロゴを巨大化(※「member of oneworld」塗装はそのまま)、また貨物機については「CATHAY CARGO」の表記に変更されている。
香港という地勢柄、実質国内線(中国本土は除く)運航は提供しておらず、香港返還前は国際線が専らであることで殆どがワイドボディ機のみによるフリート構成となっていたが、返還以降中国国際航空の増資もあり以前は子会社香港ドラゴン航空がナローボディ機で運航していた路線ごと吸収したため、一部ナローボディ機も運用するようになっていて、使用される機体年齢は若いものが多く、最新鋭の機材を積極的に導入している。同社は最新鋭のボーイング777-300ERも30機以上導入して747-400を置き換えた。また同機導入に伴い、運用上制限のあったエアバスA340-600を退役させフリートを統一した[28]。また、これ以前には米国イースタン航空から購入したロッキードトライスターL-1011やボーイング707なども存在したほか、日本航空からコンベア880を導入し運航していた。2010年にはエアバスA350 XWBを発注をした。
現在、欧米路線などの長距離便がメインであるボーイング777-300ERの運航機数は、中東のエミレーツ航空に次いで、世界で2番目に多い。
貨物部門はボーイング747-400Fとボーイング747-400ERFを運用していて、以前は旅客機型を改修したボーイング747-400BCFを運用していた。最新型のボーイング747-8F[29]を発注し、2011年より受領を開始した。
- エアバスA321neo
- エアバスA330-300
- エアバスA350-900
- エアバスA350-1000
- ボーイング747-400ERF
- ボーイング747-8F
- ボーイング777-300
- ボーイング777-300ER
退役機材
[編集]- エアバスA320-200
- エアバスA321-200
- エアバスA340-200/300/600
- ボーイング707-320C
- ボーイング747-200B/200F/200SF
- ボーイング747-300
- ボーイング747-400/400BCF/400F
- ボーイング777-200
- コンベア880
- ダグラス DC-3
- ダグラス DC-4
- ダグラス DC-6B
- ロッキード L-188 エレクトラ
- ロッキード L-1011 トライスター
2016年10月1日、東京発香港行CX543便(機体番号はB-HUJ)をもって旅客型のボーイング747-400が全機退役した[30]。この退役をもって同社のフリートから旅客型のボーイング747が姿を消し、37年間の運航に終止符が打たれた[31]。2017年3月、エアバスA340-300が全機退役。この退役により、同社の旅客運航用フリートから四発エンジン機が姿を消すこととなった。
いずれも現行塗装を纏った機体は登場せず、旧塗装での退役となった。
- エアバスA340-200
- エアバスA340-300
- エアバスA340-600
- ボーイング707-320C
- ボーイング747-200B
- ボーイング747-200F
- ボーイング747-300
- ボーイング747-400
- ボーイング747-400BCF
- ボーイング777-200
- コンベア880
- ダグラス DC-3
- ダグラス DC-4
- ロッキード L-1011-1 トライスター
特別塗装機
[編集]- 「THE SPIRIT OF HONG KONG 香港精神号(2代目)"SAME TEAM, SAME DREAM.,積極進取 飛越更高理想"[36]」
- ボーイング747-400(B-HOX)[35]
- 「THE SPIRIT OF HONG KONG 香港精神号(3代目)」
- ボーイング777-300ER(B-KPB)
- 「THE SPIRIT OF HONG KONG 香港精神号(4代目)」
- ボーイング777-300(B-HNK)
- 「Asia's world city」
- 「Progress Hong Kong 100th Aircraft[38]」
- エアバスA330-300(B-LAD)[37]
- 「member of oneworld」(ワンワールド塗装)
- ボーイング777-300ER(B-KQL、B-KQM、B-KQN、B-KQI)
- ボーイング777-300ER(B-KPL)[39]
- エアバスA330-300(B-HLU)
- エアバスA340-300(B-HXG)[35]
- ボーイング747-8F(B-LJA)
- ボーイング747-400(Asia's World City)
- ボーイング777-300(Asia's World City)
- ボーイング777-300(香港精神号)
- エアバスA330-300(ワンワールド塗装)
- ボーイング777-300ER(ワンワールド塗装、B-KQI)
特徴ある機体
[編集]- VR-HOK
米イースタン航空から1989年7月に購入したトライスターで、1993年8月から1995年6月までの約2年間傘下のドラゴン航空へ移籍しドラゴン航空塗装で北京/上海線専用機材として運用された後、 再びキャセイへリースバックされ、垂直尾翼のみグリーンのキャセイカラー、胴体はロゴ以外白塗りのハイブリッド塗装で1996年に退役するまで運航された。その姿から、本邦のスポッターの間では「白トラ」という愛称をつけられていたようである[42]。
- VR-HKG
1979年に導入されたB747-200B型、啓徳空港(閉港)の3レターコード「HKG」に語呂合わせしたユーモアのあるレジ番がついた機体であった。
- ZK-NBS
1989年12月にニュージーランド航空からリースした機体。緑色のラインが機体前方下部にかけて広がっていた通常塗装機と塗り分け方が違い、ニュージーランド航空の塗装の帯を上からなぞったように一本の帯状に塗装されていた。1991年2月に同社にリースバックされた。なお同機は2010年9月にアメリカで解体されたようであるが、これは、(事故抹消機を除く)B747-400シリーズで初めて解体された機体との事である。
就航都市
[編集]香港国際空港を拠点とし、南アメリカ大陸を除く全大陸の主要85都市へ就航している。特にアジア、オセアニア路線が充実している。 また、上記以外の都市へも他社とのコードシェアで就航している便もある。
サービス
[編集]キャセイパシフィック航空は、2005年、2006年と続けて2年連続、さらには2009年にもイギリスのスカイトラックス社のランキングで最高賞であるエアライン・オブ・ザ・イヤー賞を獲得するなど世界でもシンガポール航空、カタール航空、エミレーツ航空などと並びトップクラスのサービスで定評がある。日本に就航している外資系航空会社の中では、日本人客室乗務員の在籍人数が最も多く、日本人乗務員も香港発着の同社就航路線全てに乗務しているため、どの路線においても日本語が通じるケースが多い。
また同社の安全性は非常に高いことでも知られ、重大事故は1972年以降一件も起こしていない。最新鋭の技術を常に取り入れ、例えば機内エンターテイメントに関してはStudioCXと呼ばれるパーソナルテレビがかなり早い段階からエコノミークラスにも装備された。
2007年からボーイング777-300ERを導入を機に機内エンターテイメントやシートをリニューアルするプロジェクトが進んでいて2009年度までにほとんどの機体でリニューアルが完了される予定。改修後はビジネスクラスがフルフラット化やエコノミークラスにはPC電源とリクライニングしても後部座席に影響を与えないデザインになっている。更にStudioCXの最新版としてパナソニックアビエーション社製eX2のAVOD対応のシートテレビを全機材にリプレースしている。2年〜3年にかけて更新する予定。
マイレージプログラム
[編集]マイレージプログラムとして、「アジアマイル」と上級組織にあたる「ザ・マルコポーロクラブ」の2種類がある。どちらもワンワールド加盟航空会社でマイルを獲得できる。数あるマイレージプログラムの中でも「ザ・マルコポーロクラブ」は他社のように年間で規定のマイルを貯めて入会できるというものではなく、入会金の支払により入会できる珍しいシステムを採用している(入会後は年間最低4セクター以上搭乗しないと会員資格を喪失する)。ただし、初期のレベルではワンワールドのステータスはなく、ルビークラス以上になるためにはやはり規定のマイルを貯めなくてはならない。また、アジアマイルにはランクが存在しないので、いくらマイルを貯めても、アジアマイル会員のままでは上級会員とならない。
ワンワールド加盟各社以外に、下記の航空会社と提携している。
- エア・アスタナ
- エア・カナダ
- 中国国際航空
- ニュージーランド航空
- バンコクエアウェイズ
- コムエアー
- Flybe
- ジェットブルー航空
- ルフトハンザドイツ航空
- MIATモンゴル航空
- フィリピン航空
- ベトナム航空
- ブエリング航空
- ウエストジェット航空
ラウンジ
[編集]上級クラスまたは「ザ・マルコポーロクラブ」の上級会員向けの乗客に空港ラウンジのサービスを提供している。 ラウンジの名称は空港ごとに異なる。
ソファー、無料のアルコールやソフトドリンク、新聞や雑誌が提供される。
ラウンジによっては、ホットミール、軽食、「ヌードルバー」で出来立ての麺類を注文することができる。
本拠地香港では複数のラウンジを提供している。
- The Wing First Class / Business Class Lounge「寰宇堂」
- ファーストクラスラウンジとビジネスクラスラウンジで場所が異なる。
- ファーストクラスラウンジではダイニングエリア「ザ・ヘイヴン」でレストラン形式でメニューから注文することができる。また、ザ・カバナで入浴することもできる。
- The Pier First Class / Business Class Lounge「玉衡堂」
- The Deck「玲瓏堂」
- The Arrival「賞心堂」
- 到着ラウンジ。このラウンジのみ、制限エリア外にある。
- レストラン形式でメニューから注文することができる。
日本では、東京国際空港(キャセイパシフィック羽田ラウンジ)、成田国際空港(Cathay Pacific First and Business Class Lounge)、関西国際空港(Lounge Pacific)でサービスを提供している。 尚、2024年3月時点ではLounge Pacificは一時閉鎖されている。その他の新千歳空港、中部国際空港、福岡空港では、提携先のJALサクララウンジまたは空港会社運営のラウンジが利用できる。
機内誌
[編集]機内誌「キャセイ」(CATHAY)があり、英語と中国語で書かれている。エコノミークラスを含むすべてのクラスに搭載されている。また、電子書籍としてiPadにも無料で配信している。
事件・事故
[編集]- キャセイ・パシフィック航空機ハイジャック事件(1948年)
- キャセイ・パシフィック航空機撃墜事件(1954年)
- キャセイ・パシフィック航空700Z便爆破事件(1972年)
- キャセイパシフィック航空780便事故(2010年)
エピソード・その他
[編集]- BBCワールドニュースで放送している「アジア・ビジネスレポート」のスポンサーである。
- CIは、アメリカ合衆国の大手デザイン事務所ランドーアソシエイツの手によるものである[56]。コーポレートカラーは翡翠色とも呼ばれる深い緑色である。
- 現拠点空港であるチェク・ラップ・コク空港が開港するまでは、世界で最も着陸が難しい空港と謳われた啓徳空港(閉港)を拠点空港で使用していた為、香港カーブにより訓練されたパイロットの技術レベルは他社と比較して高いと言われる。
- コーポレートイメージソングとして「愛のテーマ」(作曲:バリー・ホワイト、演奏:ラブ・アンリミテッド・オーケストラ)があり、テレビコマーシャルなどで使用されていた。
- イギリス統治時代は、日本において「英国の伝統、信頼の翼」というキャッチフレーズで、テレビコマーシャルを実施していた。
- 1998年に同社の機内で泥酔して暴言を吐く、喫煙するなどしたオアシスのボーカル、リアム・ギャラガーを永久利用禁止にしている。
- 1998年9月、アジア通貨危機などの影響によりフィリピン航空が全面的に運航を停止したことを受け、フィリピン政府からの要請を受ける形でフィリピン国内の一部路線を代替運航した。世界的に見ても、一時的とはいえ「国内線の運航を国外の航空会社に全面的に任せる」事態は珍しく、ニュース等で話題となった[57]。
- 2011年、機内で乗務員が猥褻な行為に及んでいるとされる写真が流出、同社が始める予定だったキャンペーンが延期となった。
- 2012年、客室乗務員組合が労使交渉が妥結しない場合、乗客に「笑顔」でのサービスを拒否すると通告した[58]。
- 2018年9月19日、B777-300型機(B-HNO)の塗装を新塗装に変更した際に、本来なら「CATHAY PACIFIC」であるはずの社名の塗装が「CATHAY PACIIC」と「F」が抜けているという重大なスペルミスが発覚。その後同社はこのハプニングを公式Twitterで自虐ネタにしたところ、大きな反響を呼んだ。[59]
- 2023年5月21日、中国四川省成都市から香港へ向かう機内で中国の乗客に対する差別事件が発生した。乗務員が「英語で毛布と言えないなら渡せません」と答えた録音が中国のSNSの小紅書で流され、炎上になって、23日、CEOの林紹波が深夜に処分を発表し、自ら指揮を執ってサービス改善と再発防止に努めると表明した。香港の李家超行政長官も24日に「極めて悪質で残念」な出来事であり、香港のイメージを落としたという声明を発表した。事件関連の3人の乗務員は23日に解雇された。[60](詳細は中国語版の記事を参照)
脚注
[編集]- ^ a b “Cathay Pacific announces 2012 annual results” キャセイパシフィック航空が発表した2012年12月期の業績概要に関するプレスリリース。2013年3月13日発表、2013年3月14日閲覧。
- ^ The World's 5-Star Airlines SKYTRAX
- ^ “日本発着路線をもつアルテア利用航空会社 (2015年6月現在)”. 2015年9月26日閲覧。
- ^ “Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. 2015年9月27日閲覧。
- ^ なお、ヒースロー空港の運用制限時間がある関係で、6往復の運航ダイヤは香港を午前中に2便、午後に1便、深夜に3便設定されている。
- ^ 香港 - 羽田線は2往復ともB777-300ERで就航する場合が多く、繁忙期には一部B747-400に変更される。この他、羽田を夜に到着し翌朝出発となる便については、B777-200・B777-300・A330-300が充てられることもある
- ^ キャセイパシフィック航空、香港エクスプレス航空を完全子会社化
- ^ キャセイパシフィック航空、香港エクスプレス航空の買収を完了
- ^ 中国がキャセイ航空に警告 デモ参加の従業員排除求める[1]
- ^ キャセイ、中国の標的に 香港の航空業界で解雇相次ぐ[2]
- ^ 香港キャセイ航空から解雇の従業員ら、「文化大革命」式粛清を批判[3]
- ^ 中国国営企業、キャセイパシフィック利用しないよう従業員に指示
- ^ キャセイ航空CEOが引責辞任、従業員らの香港デモ支持めぐり
- ^ 香港キャセイ航空会長、11月退任へ CEO辞任に続き
- ^ 香港キャセイ、冬の輸送能力削減 デモで旅客急減
- ^ 香港キャセイ、エアバス機の受領先送り デモで需要減少
- ^ キャセイ航空が中国本土便9割削減、全体も縮小-ウイルスで需要後退
- ^ 香港キャセイ航空、従業員に1カ月間の無給休暇を提案
- ^ a b 「香港・キャセイ航空、日本路線週往復220便に増便 今夏、訪日需要獲得へ」『日本経済新聞』2023年3月18日朝刊、ビジネス・アジアBiz面。
- ^ 中国本土・台湾ではB-0000(4ケタ数字)を使用しているため。
- ^ キャセイパシフィックの保有機材
- ^ Cathay Pacific Fleet Details
- ^ キャセイ、A350F貨物機を6機発注 747F置き換え
- ^ キャセイパシフィック航空、A350Fを6機確定発注+20機のオプション契約をエアバスと締結 ボーイングは痛手
- ^ Our new livery Cathay Pacific has unveiled a new paint scheme for its aircraft
- ^ 株式会社インプレス (2015年11月3日). “キャセイパシフィック航空が新デザインの機体を発表、新塗装機の第1便を羽田路線に投入 3色で構成されたシンプルなデザインに”. トラベル Watch. 2019年9月23日閲覧。
- ^ キャセイパシフィック航空、新塗装機が羽田到着 写真特集・シンプルデザインの777-300ER By Tadayuki YOSHIKAWA
- ^ 月刊「エアライン」(2008年6月号,イカロス出版)
- ^ 日本貨物航空が会社都合により納入を先送りしたため、カーゴルックス航空と共に、同型機のローンチカスタマーとなった。
- ^ “キャセイパシフィック航空、羽田からジャンボ最終便出発 747-400退役”. Aviation Wire. 2019年9月9日閲覧。
- ^ キャセイパシフィックからボーイング747旅客機が退役…羽田発がラスト
- ^ ポートサイド側は「繁榮進歩 更創新高」、スターボード側は「THE SPIRIT OF HONG KONG 97」
- ^ 同社初の特別塗装で、1997年の香港の中国返還を記念して施された。なお、旧塗装から現行塗装になる際に特別塗装となり、そのまま退役したため、通常の現行塗装に戻ることは無かった。また、現在の香港国際空港に歴史上、初めて着陸した機体である(開港前の地形慣熟飛行)。
- ^ 英国籍(~1997年6月30日)のときは、VR-HIB。
- ^ a b c d 現在は、機体そのものが同社から退役している。
- ^ ポートサイド側は「SAME TEAM, SAME DREAM.」、スターボード側は「積極進取 飛越更高理想」
- ^ a b 現在は、通常塗装による運航である。
- ^ 同社発注の航空機として100機受領したことを記念して施された。
- ^ 2018年現在は新塗装による運航である。
- ^ Cathay Pacific Cargo 747-867F B-LJA
- ^ 同社の貨物機として初の特別塗装となる。
- ^ “キャセイパシフィック航空 Lockheed L-1011 TriStar VR-HOK 啓徳空港 航空フォト | by Yossy96さん 撮影1995年09月20日”. FlyTeam(フライチーム). 2020年9月21日閲覧。
- ^ キャセイパシフィック、香港からモルディブに就航-10月から週4便 YAHOO! JAPAN ニュース 2013年7月24日付
- ^ 【香港】キャセイ、10月にモルディブ便就航 YAHOO! JAPAN ニュース BUSINESS 2013年7月24日付
- ^ キャセイパシフィック航空、2017年3月から香港/テルアビブ線に就航 Fly Team 2016年10月27日付
- ^ キャセイパシフィック航空、香港/ロンドン・ガトウィック線を開設へ Fly Team 2015年12月11日付
- ^ キャセイパシフィック航空、2016年6月から香港/マドリード線に就航 Fly Team 2015年9月11日付
- ^ a b c キャセイ、2018年夏にブリュッセル、ダブリン、コペンハーゲン線に就航 Fly Team 2017年9月1日付
- ^ キャセイパシフィック航空 ニューヨークへの玄関口、ニューアークへ新規就航を発表 2013年8月14日付プレスリリース
- ^ キャセイ、 2018年9月に香港/ワシントンDC線を開設 A350-1000で週4便 Fly Team 2017年12月22日付
- ^ キャセイパシフィック航空、香港〜シアトル線開設 来年3月から週4便 Traicy 2018年7月19日付
- ^ キャセイパシフィック航空、ヨーロッパ・オーストラリア・北米路線を拡充 Traicy 2017年3月19日付
- ^ キャセイ、香港/クライストチャーチ線の直行便を就航 A350で季節便 Fly Team 2017年3月1日付
- ^ キャセイパシフィック航空、香港/ドーハ線を運休 2016年2月15日最後に Fly Team 2015年10月20日付
- ^ キャセイパシフィック航空、ケープタウン就航 季節便で週3便 Traicy 2018年2月24日付
- ^ http://landor.com/#!/work/case-studies/cathay-pacific-airways/
- ^ キャセイ、フィリピン航空の国内線28日から代替運航 - NNA ASIA・1998年9月28日
- ^ キャセイパシフィック航空、「笑顔」の無い機内サービスを回避、労使交渉合意[4]
- ^ @cathaypacific (2018年9月19日). "Oops this special livery won't last long! She's going back to the shop!
(Source: HKADB)" (英語). X(旧Twitter)より2023年1月24日閲覧。 - ^ “香港キャセイ航空、乗務員3人を解雇 中国人乗客差別との苦情受け”. CNN. (2023年5月25日)
関連項目
[編集]- 香港国際競走 - 香港で開催される競馬のレースで、2012年まで同社がメインスポンサーを引き受けていた(現在は時計メーカーのロンジンが引き受けている)。
- ワンワールド - 設立メンバー 所属世界的航空連合、主な提携エアライン所属、予約、空港業務などの協業効率化を行っている。
- キャセイドラゴン航空 - リージョナル路線を運航するフルサービス航空会社(FSC)
- 香港エクスプレス航空 - レジャー旅行に特化した格安航空会社(LCC)、元海南航空グループ2019年完全買収
- エアー・ホンコン - エクスプレス貨物サービスを提供する貨物航空会社
- 香港エアクラフト・エンジニアリング - 同じスワイヤー・グループ傘下の香港に本拠を置く航空機MRO(Maintenance Repair Overhaul:整備・補修・オーバーホール)企業、香港における主要整備委託先。
- スワイヤー・グループ - 設立母体、運営に関して大きな影響力を持つ
- 中国国際航空 - 香港の中国返還以降出資、発言力を強めている
外部リンク
[編集]- Cathay Pacific - 公式サイト・トップ《当該ページより地域ごとに用意された公式サイトに接続》
- キャセイパシフィック航空 - 日本国内向け公式サイト・トップ
- Cathay Pacific (cathaypacific) - Facebook ※グローバル公式アカウント
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- 国泰及港龙航空 - 新浪微博 ※当社の完全子会社・香港ドラゴン航空との共同公式アカウント
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