ストラスブール - バーゼル線

ストラスブール - バーゼル線
基本情報
フランスの旗 フランス
所在地 グラン・テスト地域圏
起点 ストラスブール駅
終点 バーゼル駅
路線記号 115 000 (SNCF), 510 (SBB)
路線番号 190 (SNCF)
所有者 SNCF
路線諸元
路線距離 142 km
軌間 1435 mm(標準軌
線路数 複線
複線区間 全区間
電化区間 全区間
電化方式 25 kV 50 Hz(交流
最大勾配 5 ‰
最高速度 220 km/h
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停車場・施設・接続路線
STR
P-S線S-L線
BHF
0.0 ストラスブール 143 m
ABZgl
ストラスブール - アッペンヴァイアー線
ABZgr
ケーニヒスホッフェン方面
ABZg+r
ケーニヒスホッフェン方面
WBRÜCKE1
ブリュシュ川(23 m鉄道橋)
KRZu
ストラスブール環状線
ABZgr
ストラスブール - サン・ディエ線
ABZg+r
ケーニヒスホッフェン方面
ABZg+l
ノイドルフ方面
BHF
7.0 グラフェンシュタデン 144 m
HST
8.3 ガイスポルサイム 145 m
WBRÜCKE1
エーン川(23 m鉄道橋)
HST
11.8 フェゲルサイム=リプサイム 150 m
WBRÜCKE1
アンドロ川(17 m鉄道橋)
HST
15.3 リメルスハイム 151 m
BHF
19.8 エルシュタイン 155 m
HST
22.8 マッツェンハイム 157 m
HST
26.7 ベンフェルド 160 m
HST
32.0 コーゲンハイム 162 m
HST
36.4 エベルサン 162 m
WBRÜCKE1
ギーサン川(42 m)
ABZg+r
セレスタ - サーヴェルヌ線
ABZg+r
セレスタ - ルソェー=フラペル線
eABZg+l
旧シュンドゥーズ方面
BHF
43.2 セレスタ 176 m
eBHF
48.5 旧サン・ティポリト(オーラン) 182 m
eABZg+r
旧リボヴィレ線
DST
52.8 リボンヴィレ駅 185 m
eBHF
56.1 旧オスタイム=ベブレナイム 185 m
WBRÜCKE1
Fecht (58 m)
eBHF
59.3 旧ベンヴィル 185 m
ABZg+r
コルマール - メッツェラル線
BHF
65.8 コルマール 197 m
STR+l ABZgr
STRl KRZu
C-F線C-B線
eHST
70.0 旧エギサイム 174 m
HST
72.5 エルリスハイム 198 m
WBRÜCKE2
ラウフ川 (9 m鉄道橋)
HST
78.8 ルーファク 206 m
HST
84.1 メルクスハイム 213 m
HST
87.3 レーデルスハイム 229 m
eABZg+l
旧コルマール - ボルヴィレル線
eABZg+r
旧ローテンバック - ボルヴィレル線
HST
90.1 ボルヴィレル 240 m
HST
94.2 スタフェルフェルデン 250 m
WBRÜCKE1
テュル川 (26 m鉄道橋)
eBHF
95.3 ヴィッテルスハイム 250 m
BHF
98.7 リシュヴィレル 257 m
ABZq+r ABZg+r
リュテルバッハ - クリュト線
WECHSEL STR
電力システム変更
uBHF BHF
102.5 リュテルバッハ 252 m
uWBRÜCKE1 WBRÜCKE1
ドレル川(48 m鉄道橋)
uSTR ABZgl
ミュルーズ貨物線
uSTR ABZg+l
uBHF eHST
104.3 ミュルーズ博物館駅 246 m
umKRZ ABZg+r
鉄道博物館方面
uBHF HST
105.1 ミュルーズ・ドルナッハ 246 m
uABZql mKRZo
ミュルーズ市街電車線
hKRZWae
イル川
ABZgr+r
パリ - ミュルーズ線
BHF
108.3 ミュルーズ 241 m
ABZgl
ミュールハイム - ミュルーズ線
STR+l ABZgr STR+l
ミュルーズ貨物線
STRl KRZu ABZgr
ABZg+l STRr
HST
113.7 リクサイム 239 m
HST
115.2 アプサイム 241 m
eHST
120.9 旧シュリエルバッハ 249 m
HST
124.9 シーレンツ 258 m
HST
128.1 バルテナイム 263 m
eABZg+r
von Waldighofen (旧線)
HST
132.4 サン=ルイ・ラ・ショーセー 254 m
BHF
135.2 サン=ルイ 258 m
ABZgl
ヴァイル - サン=ルイ線
GRENZE
フランス / スイス
HST
137.8 バーゼル・ザンクト・ヨハン
eABZgl exSTR+r
1901年移設
TUNNEL1 exSTR
カンネンフェルトトンネル(800 m)
TUNNEL1 exSTR
シュツェンマットトンネル(285 m)
eABZg+l exABZgr
STR exKBHFe
旧バーゼルStB駅 1845~1860
BHF
142.2 バーゼルSNCF/SBB駅
ABZgr
ジュラ線B-Z線市内線

ストラスブール - バーゼル線フランス語: Ligne de Strasbourg-Ville à Bâle)はフランスグランテスト地域圏の中心地ストラスブールスイスバーゼル=シュタット準州の州都バーゼルを結ぶフランス国鉄の鉄道路線である。この路線の南側区間はスイス領内で最初に建設された鉄道に当たる。コルマールミュルーズはこの路線の主要経由地である。

歴史

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ストラスブール=バーゼル鉄道とフランス東部鉄道

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1837年10月18日アルザスの企業人ニコラ・ケクラン(Nicolas Koechlin, 1781~1852)はストラスブールからスイス方面の鉄道建設に関する許可を獲得した。ミュルーズ - リュトルバッハ間はリュトルバッハ - タン間とともにすでに建設された。初期の建設費用は約1600万フランと見積もられた[1]。スイス政府はこのプロジェクトについて何の通報も受けなくて、ミュルーズ - バーゼル間経路もまだ決まらなかった。ケクランは兄弟のエデゥアール・ケクランと一緒に1838年ストラスブール=バーゼル鉄道会社(フランス語: Compagnie du chemin de fer de Strasbourg a Bale, StB)を設立して、建設工事を開始した[2]

1840年10月19日にベンフェルト - コルマール間が、同年10月26日にミュルーズ - サン=ルイ間がそれぞれ開業された。1841年5月1日にベンフェルトから伸びる鉄道線は現在ストラスブールの市内におけるケーニヒスホッフェンまで延長された。同年8月15日にコルマール - ミュルーズ間が開通されたことで、列車が今日のほとんどの区間で運行できることとなった[3]ミュルーズ - タン区間は1839年9月1日すでに開通されて[4]、ミュルーズ - リュテルバッハ間はこの路線と共通区間となった。1844年と1846年にケーニヒホッフェン - ストラスブール間連絡線とサン=ルイ - バーゼル間はそれぞれ開通された[5]

一方、バーゼルでは1840年以来、終着駅の場所に関する案件が駅を城郭内部に設置するか、外部に設置するかという論議となった。その二つの理由はバーゼルの軍事施設の状態と外国企業の鉄道建設に関する問題であった。バーゼル州議会は城内に駅を建設しようと議決した。バーゼル城内に鉄道を建設するために、バーゼルの塹壕の一部は水路(Stadtgraben)に代わらねばならなかった。StBは契約により線路と駅舎に加えて関門(Gesichertes Tor)が備えられた水路上の鉄道橋を義務的に建設せねばならなかった。

1854年StBは東部鉄道会社(Compagnie des chemins de fer de l’Est, EST)により引き受けられた。1860年にスイス中央鉄道(Schweizerische Centralbahn)はザンクト・ヨハン駅と共同停車駅を建設して、同年7月4日に新駅舎を開業した。普仏戦争の結果、フランクフルト講和条約が締結されて、この路線はドイツ帝国の領内で国有化された。

エルザス=ロートリンゲン鉄道

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アルザス=ロレーヌ併合以後、この路線はエルザス=ロートリンゲン帝国鉄道管理局ドイツ語: Kaiserliche Generaldirektion der Eisenbahnen in Elsaß-Lothringen, EL)に組み入れられた。ただし、バーゼル市内の区間はEL管理局の組み入れにかかわりがなかった。しかしスイスの区間は当時東部鉄道路線網から離れたので、東部鉄道はその区間を中央鉄道に売却した。中央鉄道はその区間を1873年1月1日にEL管理局に賃貸した[6]

第一次世界大戦の初期に国境線通過の列車運行は断切されて、1915年末に貨物列車運行は再開された[7]

アルザス=ロレーヌ鉄道とフランス国鉄

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第一次世界大戦の終戦後、アルザス=ロレーヌ地方はフランスに返還された。この路線はこのときアルザス=ロレーヌ鉄道(Réssau ferroviaire d’Alsace-Lorraine)の所有となった。1938年にアルザス=ロレーヌ鉄道は国有化されて、フランス国鉄(Société nationale des chemins de fer français, SNCF)に売却された。

この路線は1957年に全面的に電化された[8]。バーゼル区間にフランス式電力システムが導入されて、電圧を変更せずにフランスの車両がバーゼルまで走行できる。

パリ - ストラスブール高速線の開通で、一部のTGV列車は2007年12月よりこの路線を経由してミュルーズ、バーゼル、チューリヒまで走行することとなった[9]LGVライン=ローヌ線開通の影響で、既存のパリ - バーゼル間のTGV列車運行は2011年に中止された。

運行形態

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2011年以後リリア列車が導入されて、ミュルーズ - バーゼル間を通行している。

  • TGV Lyria: パリ・リヨン駅 - ミュルーズ - バーゼル - チューリヒ。120分間隔[10]

地域運送の列車編はほとんどTER列車が運行されておる。ストラスブール都市圏区間でTER]列車は「アルザ」あるいは「ユーロパス」の1日乗車券で利用できる[11]。バーゼル市内区間は北西スイス運賃連合(Tarifverbund Nordwestschweiz)運賃制の適用区間である[12]

  • TER A01: ストラスブール - セレスタ - コルマール - ミュルーズ - サン=ルイ - バーゼルSNCF駅。TER200路線[13]
  • TER A02a: ストラスブール - グラフェンシュタデン - ガイスポルサイム - フェルゲルサイム=リプサイム - リメルスハイム - エルシュタイン - マッツェンハイム - ベンフェルト - コーゲンハイム - セレスタ[14]
  • TER A02b: (ストラスブール - セレスタ -)コルマール - エルリスハイム - ルーファク - メルクスハイム - レーデルスハイム - ボルヴィレル - スタフェルフェルデン - ドルナッハ - ミュルーズ[15]
  • TER A15: ミュルーズ - リクサイム - アプサイム - シーレンツ - バルテンハイム - ショーセー - サンルイ - ザンクトヨハン - バーゼルSNCF駅[16]

貨物運送の部門ではFret SNCFおよびDB Cargo所属車両が主に通行している。

参考文献

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  • Pièrre Dominique Bazaine (1892) (フランス語). Chemin de fer de Strasbourg à Bâle. Paris: Imprimerie nouvelle (Association ouvrière). https://archive.org/details/chemindeferdest00bazagoog/page/n7/mode/2up 
  • Jean Buchmann; Jean-Marc Dupuy; Andreas Knipping; Hans-Jürgen Wenzel (2021) (ドイツ語). Eisenbahngeschichte Elsass-Lothringen. Freiburg: EK-Verlag. ISBN 978-3-8446-6429-4 
  • Otto Föhlinger (1897) (ドイツ語). Geschichte der Eisenbahnen in Elsass-Lothringen und ihres Transport-Verkehres. Heitz & Mündel. https://archive.org/details/geschichtederei00fhgoog/page/n7/mode/2up 
  • André Lefevre (1947) (フランス語). La ligne de Strasbourg a Bale. Strasbourg / Zürich: P. H. Heitz 

外部リンク

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脚注

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  1. ^ Nicolas Koechlin (1837). Avant-Projet d'un chemin de fer de Strasbourg a Mulhouse et a Bale (Report) (フランス語). Mulhouse: Imprimerie de P. Baret. pp. 13, 14.
  2. ^ Adolphe Joanne (1859) (フランス語). Atlas historique et statistique des chemins de fer français. Paris: L. Hachette. p. 39 
  3. ^ Föhling (1897) pp. 13, 14
  4. ^ Föhling (1897) pp. 8, 9
  5. ^ Direction Générale des Ponts et Chaussées et des Chemins de Fer (1869). Statistique centrale des chemins de fer. Chemins de fer français. Situation au 31 décembre 1869 (Report) (フランス語). Paris: Ministére des Travaux Publics. pp. 146–160.
  6. ^ Buchmann, p. 19
  7. ^ “Bekanntmachung Nr. 758” (ドイツ語). Amtsblatt der Königlich Preußischen und Großherzoglich Hessischen Eisenbahndirektion in Mainz (Nr. 57): p. 372. (1915年11月20日) 
  8. ^ Revue Chemins de Fer, éditée par l'AFAC, nº 393 de 1988, p. 263 (フランス語)
  9. ^ “LGV Est. services begin” (英語). Today's Railways Europe (Nr. 138): 32–40. (2007). ISSN 1354-2753. 
  10. ^ Train timetables” (英語). tgv-lyria.com. Lyria SAS. 2022年12月26日閲覧。
  11. ^ Tickets or subscriptions?” (英語). Compagnie des Transports Strasbourgeois. 2024年5月6日閲覧。
  12. ^ Zonen-, Linien und Haltestellenplan TNW” (ドイツ語). tnw.ch. TNW Tarifverbund Nordwestschweiz. 2022年12月27日閲覧。
  13. ^ Rechercher une fiche horaire: Ligne A01” (フランス語). SNCF. 2024年10月31日閲覧。
  14. ^ Rechercher une fiche horaire: Ligne A02a” (フランス語). SNCF. 2024年10月31日閲覧。
  15. ^ Rechercher une fiche horaire: Ligne A02b” (フランス語). SNCF. 2024年10月31日閲覧。
  16. ^ Rechercher une fiche horaire: Ligne A15” (フランス語). SNCF. 2024年10月31日閲覧。