ヒロハフサマメノキ
ヒロハフサマメノキ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヒロハフサマメノキ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Parkia biglobosa (Jacq.) R.Br. ex G.Don | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ヒロハフサマメノキ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Néré |
ヒロハフサマメノキ (Parkia biglobosa (Jacq.) G.Don) は、マメ科ネムノキ亜科[1]の植物。おもにアフリカのセネガルからスーダンにかけてのサバンナ地帯に分布しており[2]、また南米や西インド諸島でも栽培されている。アフリカイナゴマメ(African locust bean)とも呼ばれるが、イナゴマメ(キャロブ)とは亜科のレベルで異なる植物である。
和名
[編集]Parkia biglobosa にヒロハフサマメノキの和名をあてた文献としては堀田・新田 (1989) や森ら (1997) があるが、平井 (2005:511) はヒロハフサマメノキの和名は同属の別種 Parkia sumatrana Miq.(アジア産、インドシナからマレー群島区系西部および中央部に分布[3])にあてた方が良いとの見解を示しており、さらに コーナー & 渡辺 (1969) がヒロハフサマメノキの和名を与えたのはここまで挙げられた2種のいずれとも別種である Parkia biglandulosa Wight & Arn.(アジア産、バングラデシュからミャンマーにかけて分布する[3]が、渡辺は分布を「マライ」としている)である。また、Parkia filicoidea Welw. ex Oliv. とは近縁種であり非常に混同されやすく、この種も African locust bean の英名を持ち[4]、日本でも P. filicoidea がヒロハフサマメノキであるとする文献が存在する[5]。熱帯植物研究会 編 (1996) は P. filicoidea に「ニシアフリカイナゴマメ」という仮称を与えている。
分布
[編集]原産地は熱帯アフリカ西部から南スーダンにかけてで、具体的にはセネガル、ガンビア、ギニアビサウ、ギニア、シエラレオネ、マリ、コートジボワール、ブルキナファソ、ガーナ、トーゴ、ベナン、ニジェール、ナイジェリア、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、スーダン(南スーダンを含む)に分布する[3]。またインドにも移入されたものが見られる[3]。
上で触れた同属の別種 Parkia filicoidea に関しては本種の南限がカメルーンであるのに対してそれより南の地域(アンゴラ-モザンビーク)や東アフリカに至るまで分布するが、逆に西アフリカでもセネガル・ガンビア・ギニアビサウ・ギニア・シエラレオネ・マリ・ブルキナファソ・ニジェールには分布しない[3]。
特徴
[編集]樹高10-20m、幹径1.6mに達する落葉性樹木。葉は2回偶数羽状複葉で20-40cm。果実は細長い豆果。
利用
[編集]西アフリカでは種子を発酵させたものが調味料として広く利用されており、地域によりスンバラ、ネテトゥ(ウォロフ語: netetu[6])などと呼ばれている。また種子を包む黄色のパルプ部分は糖分が多く、おやつとして好んで食される[7]。
ギャラリー
[編集]- 花
- 種子を発酵させた調味料、スンバラ
諸言語における名称
[編集]セネガル:
マリ:
ブルキナファソ:
脚注
[編集]- ^ クロンキスト体系ではネムノキ科とする。
- ^ 平井 (2005:511).
- ^ a b c d e POWO (2019). "Plants of the World Online. Facilitated by the Royal Botanic Gardens, Kew. Published on the Internet; http://www.plantsoftheworldonline.org/ Retrieved 30 April 2021."
- ^ a b https://www.feedipedia.org/node/268 Feedipedia 2018年6月29日閲覧
- ^ 吉田 (2000:79).
- ^ Diouf (2003:249).
- ^ a b c 川田 (1991:38).
- ^ Diouf (2003:248).
- ^ Dumestre (2011:743).
- ^ Niggli (2016a).
- ^ Niggli (2016b).
参考文献
[編集]英語および日本語:
- コーナー, E. J . H.、渡辺, 清彦『図説熱帯植物集成』廣川書店、1969年、292頁。
日本語:
- 堀田満、新田あや「Parkia R. Br.」 堀田満 ほか編『世界有用植物事典』平凡社、1989年、776-7頁。ISBN 4-582-11505-5
- 川田, 順造『サバンナの博物誌』ちくま文庫、1991年5月28日。
- 熱帯植物研究会 編 編『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、1996年、191頁。ISBN 4-924395-03-X。
- 森徳典 ほか編『熱帯樹種の造林特性 第3巻』熱帯林造成技術テキスト no. 8、国際緑化推進センター、1997年。ISSN 1341-559X NCID BN15093011
- 吉田, よし子『マメな豆の話』(初版)平凡社、2000年4月20日。
- 平井, 信二「内外樹木のいろいろ (155) フサマメノキ属の樹木 (その3)」『木材工業』第60巻第10号、2005年、511-4頁。
フランス語:
- Diouf, Jean-Léopold (2003). Dictionnaire wolof-français et français-wolof. Paris: KARTHALA. ISBN 2-84586-454-X. NCID BA59356932(Tokyo: Institute for the Study of Languages and Cultures of Asia and Africa (ILCAA), Tokyo University of Foreign Studies, 2001. NCID BB13907955)
- Dumestre, Gérard (2011). Dictionnaire bambara-français: suivi d’un index abrégé français-bambara. Paris: Karthala. ISBN 978-2-8111-0542-6. NCID BB08330564
- "nɛrɛ" in Niggli, Urs (ed.) (2016a). Dictionnaire dioula – français - anglais. SIL International. 2020年1月6日閲覧。
- "rõaaga" in Niggli, Urs (ed.) (2016b). Dictionnaire mooré - français. SIL International. 2020年1月6日閲覧。