ビートルズ物語
『ビートルズ物語』 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ビートルズ の ドキュメンタリー / コンピレーション・アルバム | |||||
リリース | |||||
録音 | |||||
ジャンル | |||||
時間 | |||||
レーベル | |||||
プロデュース | |||||
専門評論家によるレビュー | |||||
後述を参照 | |||||
チャート最高順位 | |||||
後述を参照 | |||||
ゴールドディスク | |||||
後述を参照 | |||||
ビートルズ U.S. 年表 | |||||
| |||||
ビートルズ 日本 年表 | |||||
|
『ビートルズ物語』(The Beatles' Story)は、ビートルズのアメリカ合衆国における6作目のアルバムである。1964年11月23日にキャピトル・レコードから発売された。インタビューや記者会見で録音された音源、ビートルズの楽曲やオーケストラの楽曲の抜粋を収録した2枚組LPの作品で、本作のオリジナル・ライナーノーツで「ビートルマニアの物語と音楽の伝記」と説明されている[1]。プロデュースはロサンゼルスのソングライターであるロジャー・クリスチャンと、ディスクジョッキーのゲイリー・アッシャーが手がけた。音声による解説はクリスチャン、ジョン・バブコック、アル・ワイマンが担当。
キャピトル・レコードは、ロサンゼルスのラジオDJが行なったビートルズとのインタビューの音源をまとめた『Hear the Beatles Tell All』(ヴィージェイ・レコード)に対抗するかたちで本作を発売[2]。この時期には、インタビュー音源が複数のレーベルからビートルズの許可を得ずに発売されていた[3]。『ビートルズ物語』は、『ビルボード』誌のTop LPsチャートで最高位7位を獲得し、アメリカレコード協会からゴールド認定を受けた。2014年1月にボックス・セット『THE U.S. BOX』内の1枚としてCD化された。
背景・制作
[編集]当初キャピトル・レコードは、1964年8月23日にカリフォルニア州ロサンゼルスで行なわれた[4]ハリウッド・ボウル公演からアルバムを制作することを計画していた[5]。同公演にて録音が行なわれたものの[6]、ビートルズおよびプロデューサーのジョージ・マーティンは、音が悪くファンの歓声が大きかったことから発売を断念[7]。しかし、本作には同公演での「ツイスト・アンド・シャウト」の演奏から48秒分を抜粋した[8]音源が収録されている[9]。これにより、本作は初めてビートルズの生音源が収録された作品となった[10]。
『ビートルズ物語』は、インタビューや記者会見で録音された音源と楽曲の抜粋などを収録した作品で[10]、プロデュースはゲイリー・アッシャーとロジャー・クリスチャンが手がけた[2]。ビートルズの楽曲をイージーリスニング調にアレンジした音源も含まれており、演奏はホリーリッジ・ストリングスが担当[10]。音声による解説は、クリスチャン、ジョン・バブコック、アル・ワイマンによる[8]。
リリース・評価
[編集]専門評論家によるレビュー | |
---|---|
レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
AllMusic | [5] |
The Rolling Stone Record Guide | [11] |
キャピトル・レコードは、アメリカで1964年11月23日に[8]『ビートルズ物語』をシングル『アイ・フィール・ファイン』と同時発売した[12]。LPのカバーアートは、ユニオンジャックの上に写真家ジョー・カヴェロが撮影したビートルズの各メンバーの写真を並べたデザインとなっている[1]。『ビルボード』誌のTop LPsチャートに17週にわたってチャートインし[13]、1965年1月2日付のチャートで最高位7位を獲得[14]。1964年末にアメリカレコード協会からゴールド認定を受けた[15]。本作は、キャピトル・レコードから発売されたビートルズの5作目のアルバムであり、これらのアルバムはアメリカでビートルズが商業的な躍進を遂げてから1年以内に発売された[16]。日本では、1966年8月5日にオデオンレコードからボックス・セット仕様で発売され、カバーデザインはキャピトル・レコードから発売されたものと同じデザインが使用された[17]。
作家のバリー・マイルズは、本作について「露骨な搾取」とコメントしている[12]。『オールミュージック』のスティーヴン・トマス・アールワインは、本作を「ビートルズの活動期に発売された全アルバムの中で、最も奇妙なアルバム」と表現し、「音楽の断片、インタビューの抜粋、台本に沿った物語を通じて、ファブ・フォーの権力の台頭を物語る退屈なネオ・ドキュメンタリー・レコード」と評している[5]。
2014年1月にボックス・セット『THE U.S. BOX』内の1枚として初めてCD化された[18]。
収録曲
[編集]# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「ビートルズ登場」(On Stage With The Beatles) | |
2. | 「ビートルズマニア誕生」(How Beatlemania Began) | |
3. | 「熱狂のビートルズマニア」(Beatlemania In Action) | |
4. | 「ビートルズを動かす男―ブライアン・エプスタイン」(Man Behind The Beatles - Brian Epstein) | |
5. | 「ジョン・レノンのすべて」(John Lennon) | |
6. | 「億万長者は誰か」(Who's a Millionaire?) | |
合計時間: |
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「永遠のスター、ビートルズ」(Beatles Will Be Beatles) | |
2. | 「ビートルズ・サウンド陰の男」(Man Behind the Music - George Martin) | |
3. | 「ジョージ・ハリスンのすべて」(George Harrison) | |
合計時間: |
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「ビートルズ映画第一弾―ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」(A Hard Day's Night - Their First Movie) | |
2. | 「ポール・マッカートニーのすべて」(Paul McCartney) | |
3. | 「ビートルズ・カット誕生―ポールについてもう一言」(Sneaky Haircuts And More About Paul) | |
合計時間: |
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「ビートルズの人生観」(The Beatles Look At Life) | |
2. | 「ビートルズマニアの犠牲者たち」("Victims" of Beatlemania) | |
3. | 「ビートル・メドレー」(Beatle Medley) | |
4. | 「リンゴ・スターのすべて」(Ringo Starr) | |
5. | 「世界のリヴァプール」(Liverpool and All the World!) | |
合計時間: |
歌
[編集]本作には、以下の楽曲が収録されている[19]。
- 抱きしめたい - I Want To Hold Your Hand
- キャント・バイ・ミー・ラヴ - Can't Buy Me Love
- フロム・ミー・トゥ・ユー - From Me To You
- スロウ・ダウン - Slow Down
- P.S.アイ・ラヴ・ユー - P.S. I Love You
- ジス・ボーイ - This Boy
- ユー・キャント・ドゥ・ザット - You Can't Do That
- プリーズ・プリーズ・ミー - Please Please Me
- 恋におちたら - If I Fell
- シー・ラヴズ・ユー - She Loves You
- アンド・アイ・ラヴ・ハー - And I Love Her
- ア・ハード・デイズ・ナイト - A Hard Day's Night
- ラヴ・ミー・ドゥ - Love Me Do
- オール・マイ・ラヴィング - All My Loving
- ツイスト・アンド・シャウト - Twist and Shout
- アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア - I Saw Her Standing There
- 今日の誓い - Things We Said Today
- すてきなダンス - I'm Happy Just Dance With You
- リトル・チャイルド - Little Child
- ロング・トール・サリー - Long Tall Sally
- ボーイズ - Boys
チャート成績・認定
[編集]チャート成績
[編集]チャート (1964年) | 最高位 |
---|---|
US Billboard Top LPs[14] | 7 |
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b Womack 2014, p. 130.
- ^ a b Womack 2014, p. 129.
- ^ Schaffner 1978, p. 18.
- ^ Miles 2001, p. 163.
- ^ a b c Erlewine, Stephen Thomas. “The Beatles' Story (2 LPs) - The Beatles | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Network. 2022年2月10日閲覧。
- ^ Castleman & Podrazik 1976, p. 254.
- ^ Gaar 2013, p. 217.
- ^ a b c Castleman & Podrazik 1976, p. 40.
- ^ Womack 2014, p. 93.
- ^ a b c Gaar 2013, p. 54.
- ^ Marsh & Swenson 1983, p. 31.
- ^ a b Miles 2001, p. 177.
- ^ Schaffner 1978, p. 51.
- ^ a b “The Billboard 200”. Billboard. 2022年2月10日閲覧。
- ^ a b "American album certifications – The Beatles – The Beatles' Story". Recording Industry Association of America. 2022年2月10日閲覧。
- ^ Marsh & Swenson 1983, p. 32.
- ^ Spizer 2000, p. 210.
- ^ “ビートルズ、アメリカ編集盤を集めたボックスセット『THE U.S. BOX』が1月にリリース”. rockinon.com (ロッキング・オン). (2013年12月13日) 2019年6月14日閲覧。
- ^ Womack 2014, pp. 129–130.
参考文献
[編集]- Castleman, Harry; Podrazik, Walter J. (1976). All Together Now: The First Complete Beatles Discography 1961-1975. New York, NY: Ballantine Books. ISBN 0-345-25680-8
- Gaar, Gillian G. (2013). 100 Things Beatles Fans Should Know & Do Before They Die. Chicago, IL: Triumph Books. ISBN 978-1-60078-799-7
- The New Rolling Stone Record Guide. New York, NY: Random House/Rolling Stone Press. (1983). ISBN 0-394-72107-1
- Miles, Barry (2001). The Beatles Diary Volume 1: The Beatles Years. London: Omnibus Press. ISBN 0-7119-8308-9
- Schaffner, Nicholas (1978). The Beatles Forever. New York, NY: McGraw-Hill. ISBN 0-07-055087-5
- Spizer, Bruce, ed (2000). The Beatles' story on Capitol Records. 498 Productions. ISBN 0-9662-6491-6
- Whitburn, Joel (2010). Joel Whitburn Presents Top Pop Albums (7th ed.). Record Research. ISBN 0-89820-183-7
- Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. Santa Barbara, CA: ABC-CLIO. ISBN 978-0-313-39171-2