ピラミッドパワー
ピラミッドパワー(pyramid power)とは、ピラミッド形の物体に宿っているとされる、不思議な力のことである[1]。
1930年、エジプトのギザにあるクフ王のピラミッドを見学していたアントワーヌ・ボビーが[2]、ピラミッド内に残された死骸が脱水状態であることに不審を抱いて、再現実験を行ったのが最初と言われる[3]。
腐敗を防いだり[4]、精神を集中させて悟りを開いたり大幅に頭の回転が速くなったりさせるといった効果があるとされているが[5]、科学的根拠が無い[6]ため疑似科学の一つと考えられることが多い[7]。
日本では1970年代から1980年代にかけブームとなった[3]。
語られている効果
[編集]ピラミッド(形)の条件など
[編集]ピラミッドパワーに関する諸説
[編集]「生命力を活性化させ、腐敗を防ぐ」説
[編集]ピラミッドの形そのものが[15]宇宙エネルギータキオン[16]オルゴンなどを受けて[17]、その内部におかれたものの生命力を活性化させる効果があるため、人間は元気になり、食品などの腐敗を防ぐ効果があるという説[11]。
「中のものを乾燥させる」説
[編集]ピラミッドはその内部におかれたものの水分を奪い去る力を発揮するという説。
「精神集中を助ける」説
[編集]ピラミッド型の施設の中で瞑想をすると悟りにいたる道が開かれるという説[18]。
学者の見解
[編集]エジプト研究の学者である早稲田大学(現在客員教授)の吉村作治は[9]、ピラミッドの中で物が腐敗しないなどいわゆる「ピラミッドパワー」が起こるのはピラミッドに使用されている石材の石質が磁性体であるためにピラミッド内部に磁場が生じて起こるレナード効果現象であって、ピラミッドの形(正四角錐)によって起こるという説はまったくのでたらめである、と述べている{日本テレビ「特命リサーチ200X」1999.11.21放送分}[19]。
脚注・出典
[編集]- ^ 小崎雄 & 入澤宣幸 2012, pp. 11.
- ^ 羽仁礼 2001, pp. 213.
- ^ a b 地球の歩き方編集室 2022, pp. 52.
- ^ 学研教育出版 2014, pp. 24.
- ^ a b 高木治 et al. 2019, pp. 68.
- ^ a b 松尾貴史 2009, pp. 83.
- ^ a b SAMA企画 2021, pp. 110.
- ^ 松岡信宏 2022, pp. 8.
- ^ a b 松倉みさ 2014, pp. 10.
- ^ 高木治 et al. 2016, pp. 160.
- ^ a b 知的発見!探検隊 2011, pp. 38.
- ^ 並木伸一郎 2018, pp. 82.
- ^ 宮崎一郎 2008, pp. 365.
- ^ ゆでたまご 2013, pp. 24.
- ^ モスタファ・ガダッラ 2018, pp. 31.
- ^ 瀧藤尊照 2011, pp. 145.
- ^ モスタファ・ガダッラ 2017, pp. 19.
- ^ 松久正, ムンロ王子 & おくげちゃん 2021, pp. 106.
- ^ 瀧藤尊照 2011, pp. 144.
参考文献
[編集]- 羽仁礼『超常現象大事典』成甲書房、2001年、213頁。ISBN 9784880861159 。
- 宮崎一郎『龍国日本』太陽出版、2008年、365頁。ISBN 9784884695705 。
- 松尾貴史『なぜ宇宙人は地球に来ない? 笑う超常現象入門』PHP研究所、2009年、82頁。ISBN 9784569706450 。
- 知的発見!探検隊『本当は怖い古代文明』イースト・プレス、2011年、38頁。ISBN 9784781606613 。
- 瀧藤尊照「クンダリニー・ヨーガ修習 : クンダリニー覚醒法」『四天王寺大学紀要』第53号、四天王寺大学紀要編集委員会、2011年、144頁、ISSN 18833497、NAID 110008915886、国立国会図書館書誌ID:023590707。
- 小崎雄、入澤宣幸『知ってびっくり!世界のなぞ・ふしぎ物語』学研プラス、2012年、11頁。ISBN 9784059158134 。
- ゆでたまご『キン肉マン 33』集英社、2013年、24頁。ISBN 9784088707570 。
- 学研教育出版『失われた文明の大百科』学研教育出版、2014年、24頁。ISBN 9784052039898 。
- 松倉みさ『世界遺跡の謎』光祥社、2014年、10頁。ISBN 9784902961263 。
- 高木治、坂本政道、世一秀雄、小久保秀之、河野貴美子、山本幹男「ピラミッド型構造物で発見された特異な現象の発生要件」『国際生命情報科学会誌』第34巻第2号、国際生命情報科学会、2016年、154-161頁、doi:10.18936/islis.34.2_154、ISSN 1341-9226、NAID 130005610912。
- モスタファ・ガダッラ『紛れもなくエジプトが原点』テフティ研究財団、2017年、19頁。ASIN B0721G461D 。
- モスタファ・ガダッラ『エジプトのピラミッドへの再訪』テフティ研究財団、2018年、30頁。ASIN B07DLL5NYC 。
- 並木伸一郎『不思議発掘! 縄文超文明と日本ピラミッドの謎』二見書房、2018年、82頁。ISBN 9784576980393 。
- 高木治、坂本政道、世一秀雄、小久保秀之、河野貴美子、山本幹男「ピラミッド型構造物の未知なる機能の実験による発見」『国際生命情報科学会誌』第37巻第1号、国際生命情報科学会、2019年、60頁、doi:10.18936/islis.37.1_60、ISSN 1341-9226、NAID 130007777490。
- SAMA企画『RikaTan(理科の探検)』文理、2021年、110頁。ISBN 9784581293693 。
- 松久正、ムンロ王子、おくげちゃん『マンガで楽しむ 宇宙の優等生になりたいなら、アウトローの地球人におなりなさい! 大人気ドクタードルフィンと異色のタロット占い師ムンロ王子がガチった地球人に物申す!!!』Jパブリッシング、2021年、106頁。ASIN B08TYR5ZML 。
- 地球の歩き方編集室『【電子限定特典付き】地球の歩き方ムー』地球の歩き方、2022年、52頁。ISBN 9784059198994 。
- 松岡信宏『世界のオカルト遺産 調べてきました』彩図社、2022年、8頁。ISBN 9784801305991 。