井上広大
阪神タイガース #32 | |
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2023年3月7日、京セラドーム大阪にて | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 大阪府大東市 |
生年月日 | 2001年8月12日(23歳) |
身長 体重 | 189 cm 100 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 外野手 |
プロ入り | 2019年 ドラフト2位 |
初出場 | 2020年10月14日 |
年俸 | 840万円(2024年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
この表について |
井上 広大(いのうえ こうた、2001年8月12日 - )は、大阪府大東市出身のプロ野球選手(外野手)。右投右打。阪神タイガース所属。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]大東市立南郷小学校2年で「ANTブルージェイズ」に入団しソフトボールを始め[2]、大東市立南郷中学校時代から野球に転向し「東大阪シニア」でプレー[3]。主に捕手を務めていた[3]。
履正社高等学校に進学後、外野手として1年夏からベンチ入り[3]。「6番・右翼手」として先発出場した2年夏の北大阪大会準決勝では[4]、根尾昂、藤原恭大らを擁する大阪桐蔭に対して1点リードで9回を迎えるも二死走者なしから逆転負けを喫し甲子園大会出場を逃した[5]。新チームとなった2年秋から4番打者を務め[6]、3年春の選抜大会に出場。しかし、初戦の星稜戦で奥川恭伸に4打数0安打2三振と抑え込まれ、チームも奥川に計17三振を奪われて完封負けを喫した[7][8]。その後、不振から下位打線への降格なども経験したが[9]、再び4番として迎えた3年夏の大阪大会では7試合で打率.407、4本塁打の活躍でチームを初の甲子園春夏連続出場へ導くと[3][8]、甲子園でも26打数10安打の打率・385、3本塁打、14打点を記録[3]。星稜との決勝戦では奥川から3点本塁打を放つなどの活躍で、選抜の雪辱を果たすとともに履正社初の甲子園優勝に貢献した[3][9]。高校通算49本塁打。同校の2学年上に安田尚憲[4]、1学年下に小深田大地がいる[10]。
2019年10月17日に開催されたNPBドラフト会議にて、阪神タイガースから2巡目指名を受け[3][11]、11月5日に、契約金6000万円、年俸720万円で仮契約(金額は推定)[12]。背番号は32[13]。担当スカウトは渡辺亮[14]。11月19日の下校途中に、駅の階段で後ろからぶつかられて右足をひねり、右足首を捻挫した[15]。
阪神時代
[編集]2020年、高知県安芸市での二軍春季キャンプに参加。キャンプ中の実戦ではチーム方針により4番打者として出場を続ける中で存在感を示し[16][17][18][19]、ウエスタン・リーグ開幕後も4番打者として本塁打・打点の2部門でリーグトップを争う活躍を見せていた[20][21]。この活躍を受け、10月15日にプロ入り後初めて一軍昇格すると[22]、同日の対中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)に「7番・右翼手」としてスタメン出場し一軍初出場を果たした[22]。阪神の高卒新人野手によるスタメンでの一軍初出場は1968年の川藤幸三以来52年ぶりの出来事[22]。その後、出場3試合目となった10月16日の対東京ヤクルトスワローズ戦(阪神甲子園球場)の8回裏に代打で中越適時二塁打を放ち、プロ入り後初安打・初打点を記録した[23][24]。阪神の高卒新人野手による安打は1997年の濱中治以来23年ぶり、打点は1974年の掛布雅之以来46年ぶりの出来事[25]。その後も代打として3試合に出場し(3打数無安打)、10月21日に登録を抹消された[26]。二軍降格後は再び4番打者を務め、29日には阪神の高卒新人では2002年の桜井広大に並んで歴代最多となる9号本塁打を放った[27][28]。二軍では69試合の出場で打率.226、9本塁打、36打点を記録し[27][29]、リーグの優秀選手賞、新人賞、努力賞を受賞した[30]。
2021年は、同期入団の西純矢らと共に沖縄県宜野座村での一軍春季キャンプに抜擢された[31]。二軍で9本塁打、50打点を挙げウエスタン・リーグ打点王を獲得したが、8月20日の二軍ソフトバンク戦で走塁中に右脛骨(けいこつ)骨折し、別メニューでの調整でシーズンを終えることになった。二軍成績は68試合の出場で打率.267、9本塁打、50打点だった。
2022年は、ウエスタン・リーグで最多安打(96安打)のタイトルを獲得[32]。二軍成績は110試合の出場で打率.222、11本塁打、70打点だった。
2023年は、4月18日に一軍登録された。4月19日から「6番・右翼」で3試合連続のスタメン出場となった。4月20日の広島戦では916日ぶりとなる適時打を放った[33]。4月27日の巨人戦では初の猛打賞となる3安打と4打点を記録した[34]。
2024年は、開幕から二軍で打率.344、4本塁打とアピールを続け、5月10日に一軍に昇格する[35]。同日の横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)で「5番・左翼」で先発出場すると、6回に2点差にリードを広げる適時打を放ち、翌11日にも適時打を放ち起用に応える[36][37]。さらに同カードの12日の試合で初めて1番打者として起用されると2打席目で安打を放ち、1対0で完封勝利した試合で貴重な決勝打に繋がる打撃を見せた[38]。しかし、好調が続かず打率.208と成績を落とし、5月27日に登録抹消となった[39]。このシーズンはウエスタン・リーグで打率.308(この年規定打席到達者ではリーグ唯一の三割打者)を記録し、二軍のタイトルだが初の打撃三冠となる首位打者を獲得[40]。
選手としての特徴
[編集]身長189cm、体重101kgと恵まれた体格に[41][42]、高校通算49本塁打を誇るパワーが持ち味の右打ちの長距離打者。自身も「シーズン40本以上を打ちたい」と抱負を語っている[6][43]。
一方コンタクト能力は低く、二軍では1試合4三振を含む8打席連続三振を喫する[44]など、2年連続で3打数に1つ以上というハイペースで三振を喫しており、二軍の投手への対応に苦しんでいる。
遠投115m、50m走は6秒3[45]。
巨人の選手である岡本和真にも打撃の極意を積極的に教えを請うている[46]。
詳細情報
[編集]年度別打撃成績
[編集]年 度 | 球 団 | 試 合 | 打 席 | 打 数 | 得 点 | 安 打 | 二 塁 打 | 三 塁 打 | 本 塁 打 | 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 盗 塁 死 | 犠 打 | 犠 飛 | 四 球 | 敬 遠 | 死 球 | 三 振 | 併 殺 打 | 打 率 | 出 塁 率 | 長 打 率 | O P S |
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2020 | 阪神 | 6 | 11 | 11 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | .091 | .091 | .182 | .273 |
2022 | 2 | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | .000 | .000 | .000 | .000 | |
2023 | 13 | 37 | 35 | 3 | 8 | 2 | 1 | 0 | 12 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 18 | 0 | .229 | .270 | .343 | .613 | |
通算:3年 | 21 | 53 | 51 | 3 | 9 | 3 | 1 | 0 | 14 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 25 | 0 | .176 | .208 | .275 | .482 |
- 2023年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 | 球 団 | 外野 | |||||
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試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2020 | 阪神 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | .667 |
2022 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | |
2023 | 11 | 19 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 14 | 23 | 0 | 1 | 0 | .958 |
- 2023年度シーズン終了時
記録
[編集]- 初記録
- 初出場・初先発出場:2020年10月14日、対中日ドラゴンズ20回戦(ナゴヤドーム)、7番・右翼手で先発出場
- 初打席:同上、2回表に大野雄大から空振り三振
- 初安打・初打点:2020年10月16日、対東京ヤクルトスワローズ19回戦(阪神甲子園球場)、8回裏に久保拓眞から中越適時二塁打
- 初盗塁:2024年5月16日、対中日ドラゴンズ9回戦(バンテリンドーム ナゴヤ)、3回表に二盗(投手:梅津晃大、捕手:木下拓哉)
- 初本塁打:2024年8月28日、対横浜DeNAベイスターズ18回戦(横浜スタジアム)、6回表に東克樹から左越ソロ[47]
背番号
[編集]- 32(2020年 - )
登場曲
[編集]- 「君に捧げる応援歌」HIPPY(2020年)
- 「ロッカールーム -Go Hard or Go Home-」AK-69(2021年)
- 「大丈夫さ」HIPPY(2022年 - )
脚注
[編集]- ^ 「阪神 - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2023年11月21日閲覧。
- ^ 「阪神ドラ2井上 “特別ルール”努力の才能をさらに伸ばした」Sponichi Annex、2019年12月3日。2021年9月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「阪神、履正社の4番・井上広大を2位指名 今夏甲子園決勝で奥川から3ラン」Sponichi Annex、2019年10月17日。2021年9月19日閲覧。
- ^ a b 「井上広大(履正社)が最強の4番打者になるまで。奥川と対戦して自分の無力さを知った【前編】」高校野球ドットコム、2019年10月16日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「今夏、大阪桐蔭が最も苦しんだ一戦 履正社の先発右腕が明かす逆転劇の真相」Full-Count、2018年8月30日。2021年9月19日閲覧。
- ^ a b 「目指せG岡本!阪神D2位・井上、一撃必殺ボディーや マッチョ計画明かした」SANSPO.COM、2019年10月22日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「星稜・奥川恭伸vs履正社打線。打者有利の夏に新たな伝説は生まれるか」web Sportiva、2019年8月21日。2021年9月19日閲覧。
- ^ a b 「履正社ナインが語る豪打の秘密。ねじ伏せられた屈辱が才能に火をつけた」web Sportiva、2019年8月16日。2021年9月19日閲覧。
- ^ a b 「履正社・井上が涙の優勝弾 母の「やめれば」に奮起 - 高校野球夏の甲子園」日刊スポーツ、2019年8月22日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「【DeNA】ドラ4小深田大地が阪神・井上広大のバットを持って入寮「井上さんに追いつけるように頑張りたい」」スポーツ報知、2021年1月6日。2023年7月14日閲覧。
- ^ 「阪神のドラフトに何が起きたのか。甲子園のスターだらけ、もしや……。(2/4)」『Number Web』2019年10月24日。2024年5月15日閲覧。
- ^ 「阪神ドラ2の井上 契約金6000万円で仮契約 弟に「野球道具を買ってあげたい」」デイリースポーツ online、2019年11月5日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神入団会見 ドラ1西は背番号15 過去には御園生、湯舟も…」デイリースポーツ online、2019年12月2日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「大阪)履正社・井上「まず土台作る」 スカウト学校訪問」『朝日新聞デジタル』2019年10月22日。2024年5月15日閲覧。
- ^ 「阪神ドラ2井上広大、後ろからぶつかられ右足首捻挫」『日刊スポーツ』2019年11月21日。2020年11月28日閲覧。
- ^ 「阪神2位井上を4番英才教育や!起用法は継続の方針」日刊スポーツ、2020年3月17日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神・平田2軍監督 ドラ2井上を4番固定 打順継続を明言&猛ゲキ」デイリースポーツ online、2020年6月2日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神D2・井上、実戦3発目!1安打3打点」SANSPO.COM、2020年3月14日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神ドラ2井上が実戦5発目、変則右腕に打席で工夫」日刊スポーツ、2020年6月15日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神井上が2軍4番完走宣言「何としても最後まで」」日刊スポーツ、2020年10月13日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神2位井上1軍初合流、初昇格へ 2軍で打撃2冠」日刊スポーツ、2020年10月14日。2021年9月19日閲覧。
- ^ a b c 「阪神井上1軍昇格を母に電話報告「頑張ってきーや」」日刊スポーツ、2020年10月15日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神井上初ヒット「ほんまかいな」母喜びのツッコミ」日刊スポーツ、2020年10月16日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神・高寺 初Hがタイムリー 記念球は「家族に」 プロ2度目昇格即先発で結果」『デイリースポーツ』2022年9月24日。2022年9月24日閲覧。
- ^ 「阪神井上、初安打記念球とバットが甲子園歴史館展示」日刊スポーツ、2020年10月17日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神2位井上が抹消 初の1軍11打数1安打5三振 - プロ野球」日刊スポーツ、2020年10月21日。2021年9月19日閲覧。
- ^ a b 「【球界ここだけの話(2134)】阪神・井上、2軍で本塁打2桁届かずも1軍で大きな経験」SANSPO.COM、2020年11月2日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神・井上広大 ゾーンに呼び込んで打つ!」週刊ベースボールONLINE、2021年6月6日。2021年6月7日閲覧。
- ^ 「阪神・井上 完璧アーチで高卒新人初のウエスタン2桁弾に王手!「もう一度上がれるように」」Sponichi Annex、2020年10月30日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神・井上が「NPB AWARDS2020」で優秀選手賞など3部門を受賞」SANSPO.COM、2020年12月17日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神キャンプ“激変”、昨春から19人も入れ替え 超サバイバルに矢野監督「誰が開幕スタメンか楽しみ」」Sponichi Annex、2021年1月22日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「2022年度 ファーム成績」『日本野球機構』。2024年5月15日閲覧。
- ^ 「【阪神】井上広大916日ぶりタイムリー「もっと打てるようにやっていきたい」打線に活力」日刊スポーツ、2023年4月21日。2023年4月23日閲覧。
- ^ 「【阪神】井上広大がプロ初猛打賞&4打点の大暴れ!プロ初三塁打で巨人にトドメ」日刊スポーツ、2023年4月27日。2023年4月29日閲覧。
- ^ 「阪神・井上広大が1軍に合流 ウエスタンで絶好調 打線の起爆剤として期待」サンスポ、2024年5月10日。2024年5月15日閲覧。
- ^ 「【阪神】5番抜てきの井上広大が三塁強襲タイムリーでリード拡大 昇格即結果残す」日刊スポーツ、2024年5月10日。2024年5月15日閲覧。
- ^ 「阪神・井上広大のノーステップ打法「確実性が増す」土井正博氏が分析「飛距離は落ちる」」サンスポ、2024年5月14日。2024年5月15日閲覧。
- ^ 「【阪神】プロ初1番井上広大、貴重なつなぎの一打で決勝点導く 女手一つで育ててくれた母に感謝」日刊スポーツ、2024年5月12日。2024年5月15日閲覧。
- ^ 「阪神はノイジーに加え、井上広大も抹消 島田海吏、小野寺暖が昇格へ」サンスポ、2024年5月17日。2024年6月4日閲覧。
- ^ 2024年度 ウエスタン・リーグ リーダーズ(打撃部門) NPB (2024年10月24日閲覧)
- ^ 「阪神2位井上はビックリ大食漢 本塁打もおかわりや 阪神2位井上はビックリ大食漢 本塁打もおかわりや」日刊スポーツ、2019年10月21日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「ドラ2井上、虎のおかわり君になる 大食い伝説持つ大砲「日本の4番打てるように」」デイリースポーツ online、2019年10月21日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「ドラ2の井上「ホームラン王になりたい」 指名あいさつ受け決意新た」デイリースポーツ online、2019年10月21日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神井上が4打席連続三振「4番の重みを感じてほしいわ」平田2軍監督」『日刊スポーツ』2021年4月9日。2024年5月15日閲覧。
- ^ 「ワクワク止まらん虎新時代!阪神2位・井上、本塁打王取る「40本必ず」/ドラフト」サンケイスポーツ、2019年10月18日。2021年9月19日閲覧。
- ^ 「阪神・井上 逆方向の極意吸収 巨人・岡本和に“突撃入門”で学んだ「体の使い方、柔らかさ」」デイリースポーツ online、2022年1月14日。2022年1月14日閲覧。
- ^ 「【阪神】プロ1号を放った井上広大、記念球は「母に贈ろうかなと思います」」スポーツ報知、2024年8月28日。2024年8月29日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 個人年度別成績 井上広大 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 選手プロフィール - 阪神タイガース公式サイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE