奥村彪生
奥村 彪生(おくむら あやお、1937年10月12日 - 2023年7月31日)は、日本の伝承料理研究家[1]、食文化研究家である。博士(学術)(美作大学・2009年)[2]。和歌山県すさみ町出身[3]、奈良県香芝市在住。「奥村彪生料理スタジオ・道楽亭(どうらくてい)」を主宰[2]。「料理界のじいじ」と称される[2]。
来歴
[編集]近畿大学理工学部中退[2][3]。料理研究家の土井勝の料理学校に入学し、25年間師事した[2]。同校職員として27年間勤務し[4]、教務主任も務めた[2]。その後、食物史学者の篠田統と出会い[3]、独立して伝承料理の研究を行う[2]。石毛直道や安藤百福とも交流があった[1][3]。
相愛女子短期大学講師[5]、神戸山手女子短期大学生活学科教授[5]、神戸山手大学教授[5]、奈良女子大学非常勤講師[5]を経て、大阪市立大学生活科学部大学院博士前期課程非常勤講師[5]を歴任した。2009年、美作大学大学院[5]において[2]、学位論文「日本のめん類の歴史と文化」により、博士(学術)を取得[2][5]。
2000年から2008年までは「今晩なに食べたい?」(関西テレビ)等、料理番組に出演し、柔らかい語り口とダジャレで人気を集めた[6]。
ライフフーズ顧問をはじめ[4]、安藤スポーツ・食文化振興財団評議員、味の素食文化センター評議員、近畿地場野菜応援団会長などを歴任した。
2023年7月31日、特発性間質性肺炎のため死去[6]。85歳没。
過去の出演番組
[編集]受賞歴
[編集]主な著書
[編集]- 『おいしさ度あ・な・た・流-料理上手になる秘訣』 (ぎょうせい、1986年)
- 『万宝料理秘密箱:卵料理のルーツ』(教育社、1989年)
- 『奥村彪生の『ごはん道楽』 - うまい米・いい一膳』(雄鶏社、1993年)
- 『世界のごちそう米料理 日本で作ろう!異国の味』(雄鶏社、1994年)
- 『奥村彪生のおしゃれな夕はん 新鮮和風クレオールクッキング』(ひかりのくに、1995年)
- 『お菓子作ってお茶でもいれよか』 オレンジページ(オレンジページ、1997年)
- 『献立学』(共著) (建帛社、1997年)
- 『奥村彪生の今晩なに食べたい?』(関西テレビ放送、2001年)
- 『テーマ別ふるさとの家庭料理』全20巻解説 (農山漁村文化協会、2002~2004年)
- 『聞き書 ふるさとの家庭料理』(解説)(農山漁村文化協会、2002年~2003年)
- 『健康和食のすすめ』 (海竜社、2002年)
- 『万宝料理秘密箱:江戸の名著 万宝料理秘密箱より』(ニュートンプレス、2003年)
- 『料理屋のコスモロジー』(共著) (ドメス出版、2004年)
- 『おくむらあやお ふるさとの伝承料理』全13巻(農山漁村文化協会、2006年)
- 『MOOKきのこ』(共著)(日本キノコ協会、2006年)
- 『おくむらあやおのごはん道楽! -古今東西おいしい米料理-』 (農山漁村文化協会、2006年)
- 『料理をおいしくする仕掛け -日本の食べごと文化とフードデザイン-』 (農山漁村文化協会、2006年)
脚注
[編集]- ^ a b “三都 ぶつかる個性が味 伝承料理研究家 奥村彪生さん(もっと関西)”. 日本経済新聞. (2018年10月9日) 2020年7月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “料理界の“じいじ” 奥村彪生の一度は食べたい郷土料理「カツオのたたき」(高知県)”. NHKアーカイブス. 2022年4月9日閲覧。
- ^ a b c d “【朝めし自慢】奥村彪生(伝承料理研究家・82歳)「朝は“おかいさん”を食べて80年です」”. serai.jp. 小学館 (2019年11月9日). 2022年4月9日閲覧。
- ^ a b c “伝承料理研究家 奥村彪生さんインタビュー|三菱電機 CME(CLUB MITSUBISHI ELECTRIC)”. 三菱電機 オフィシャルサイト. 2022年4月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “講師”. 五十鈴塾. 2023年8月1日閲覧。
- ^ a b “めんの研究で博士号 伝承料理研究家の奥村彪生さんが85歳で死去”. 朝日新聞. (2023年8月1日) 2023年8月1日閲覧。
- ^ “和歌山県文化表彰受賞者一覧”. www.pref.wakayama.lg.jp. 和歌山県. 2023年8月1日閲覧。