嬰ハ短調 (えいハたんちょう)は、西洋音楽 における調 のひとつで、嬰ハ (C♯ ) 音を主音 とする短調 である。調号 はシャープ4箇所 (F, C, G, D) である。
音階と和音 嬰ハ短調の音階構成音 上行→下行 1 2 3 4 5 6 7 8 7 6 5 4 3 2 1 自然短音階 C♯ D♯ E F♯ G♯ A B C♯ B A G♯ F♯ E D♯ C♯ 和声的短音階 C♯ D♯ E F♯ G♯ A B♯ C♯ B♯ A G♯ F♯ E D♯ C♯ 旋律的短音階 C♯ D♯ E F♯ G♯ A♯ B♯ C♯ B A G♯ F♯ E D♯ C♯
赤マスは一般に臨時記号 により表される。
嬰ハ短調の和音構成音(ダイアトニック・コード) コードネーム C♯ m D♯ m-5 Eaug F♯ m G♯ A B♯ m-5 C♯ mM7 D♯ m7 -5 EaugM 7 F♯ m7 G♯ 7 AM 7 B♯ dim7 G♯ 7 (♭ 9) 第9音 A 第7音 B♯ C♯ D♯ E F♯ G♯ A F♯ 第5音 G♯ A B♯ C♯ D♯ E F♯ G♯ A B♯ C♯ D♯ E F♯ D♯ 第3音 E F♯ G♯ A B♯ C♯ D♯ E F♯ G♯ A B♯ C♯ D♯ B♯ 根音 C♯ D♯ E F♯ G♯ A B♯ C♯ D♯ E F♯ G♯ A B♯ G♯ 和音記号 I II III IV V VI VII I7 II7 III7 IV7 V7 VI7 VII7 V9
和音は和声的短音階で考えたもの。 VIIの和音 (B♯ m-5 ) はV7 (G♯ 7 ) の、VII7 の和音 (B♯ m7 -5 ) はV9 (G♯ 7 (♭ 9) ) の根音を省略した形とみなされることがある。 その他のコードネームも実際の楽譜では異名同音 的に変えられることがある。
特徴 一般に、曲の主調 が嬰ハ短調という曲は少なく、ホ長調 の曲でその平行調 として現れることが多い。同主調は嬰ハ長調 だが、♯を7箇所も (F, C, G, D, A, E, B) 使用しなければならないため、曲の途中では異名同音 で♭5箇所 (B, E, A, D, G) の変ニ長調 を使用することが多い(ショパン の『幻想即興曲 』など)。
ヴァイオリン では音階 に開放弦 の音の数が比較的少なく、そのため暗く曇った響きになる。一方、ピアノ での運指 は黒鍵を利用することが多いため比較的容易であるといわれる。ショパンは好んで用い、特に夜想曲 に多い。彼の嬰ハ短調の曲には極めて叙情的なものが多い。そこからロマン派 的な調とされ、よって夜想曲 を思わせるような曲想にもしばしば用いられる。
嬰ハ短調の曲の例 Category:嬰ハ短調 を参照。
関連項目 ♯ ♭ 長調 短調 0 (12)=0 ハ (C) イ (Am) 1 (11) ト (G) ホ (Em) 2 (10) ニ (D) ロ (Bm) 3 (9) イ (A) 嬰ヘ (F♯ m) 4 (8) ホ (E) 嬰ハ (C♯ m) 5 7 ロ (B)=変ハ (C♭ ) 嬰ト (G♯ m)=変イ (A♭ m) 6 6 嬰ヘ (F♯ )=変ト (G♭ ) 嬰ニ (D♯ m)=変ホ (E♭ m) 7 5 嬰ハ (C♯ )=変ニ (D♭ ) 嬰イ (A♯ m)=変ロ (B♭ m) (8) 4 変イ (A♭ ) ヘ (Fm) (9) 3 変ホ (E♭ ) ハ (Cm) (10) 2 変ロ (B♭ ) ト (Gm) (11) 1 ヘ (F) ニ (Dm) (12)=0 0 ハ(C) イ(Am)