松井颯
読売ジャイアンツ #93 | |
---|---|
2024年4月 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 東京都清瀬市 |
生年月日 | 2000年9月14日(24歳) |
身長 体重 | 178 cm 83 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2022年 育成選手ドラフト1位 |
初出場 | 2023年5月21日 |
年俸 | 660万円(2024年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
この表について |
松井 颯(まつい はやて、2000年9月14日 - )は、東京都清瀬市出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。読売ジャイアンツ所属。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]清瀬市立清瀬第四小学校2年時に野塩ファイターズで野球を始め、清瀬市立清瀬第四中学校時代は硬式野球(ポニーリーグ)の清瀬ポニーに所属[2]。
高校は埼玉県の花咲徳栄高等学校に進学。3年夏はエースで4番打者の野村佑希の控えとして第100回全国高等学校野球選手権記念大会に出場。2回戦の横浜高等学校戦で、6-8と2点ビハインドの9回から登板して横浜打線を三者凡退に抑えたが、チームは敗れた[3][4]。
高校卒業後は首都大学野球連盟に所属する明星大学理工学部総合理工学科物理学系に進学[5]。4年間全て2部リーグでのプレーであったが、在学中に球速を13km/h伸ばすなど急成長[6]。4年秋のリーグ戦ではリーグトップの防御率0.97を記録した[2]。
2022年10月20日に行われたプロ野球ドラフト会議において、読売ジャイアンツから育成ドラフト1巡目で指名を受け、11月16日に支度金290万円、年俸400万円(金額は推定)で仮契約を結んだ[2]。背番号は021。担当スカウトは内田強[7]。
巨人時代
[編集]2023年は5月14日まででイースタン・リーグ7試合に登板。2勝1敗、防御率2.01と結果を残し、同日に支配下登録された[8]。背番号は93に変更となり[8]、推定年俸は420万円となった[9]。5月21日の中日ドラゴンズ戦で先発して5回を2安打無失点に抑え、育成入団ルーキーではNPB史上2人目、セ・リーグ初及び球団史上初となる、プロ初登板初先発で初勝利を挙げた[10]。6月4日の北海道日本ハムファイターズ戦では花咲徳栄時代の同期生である野村との対決が実現したが、2回の初対決は四球、3回の打席では3点本塁打を打たれ、3回5失点でプロ初黒星を喫した[11]。翌日に登録を抹消された[12]。9月3日に一軍に復帰し[13]、以降5試合は中継ぎとして起用された。18日の東京ヤクルトスワローズ戦の登板で一死も奪えず満塁のピンチを招く投球をしてしまうと、翌日には登録を抹消され[14]、一軍公式戦へは計8試合の登板でシーズンを終えた。二軍成績は16試合の登板でリーグ最多勝タイの8勝(2敗)を挙げ、防御率は2.04だった[15][16]。11月18日には240万円増の推定年俸660万円で契約更改し、翌年の先発ローテーション定着と2桁勝利を目標に掲げた[17]。28日の「NPB AWARDS 2023」ではイ・リーグ最多勝利投手賞のほか、スポンサー表彰のサンケイスポーツ選定の優秀投手賞、スポーツニッポン選定の新人賞も受賞した[18]。
2024年は開幕一軍入りを果たす[19]。開幕3戦目、3月31日の阪神タイガース戦のビハインドの場面で救援としてシーズン初登板したが、小幡竜平に2年ぶりとなる本塁打を打たれるなど2失点を喫する[20][21]。4月6日の横浜DeNAベイスターズ戦で、同点の二死満塁の場面からの救援登板するも、2者連続で押し出し四球を与えて勝ち越しを許した[22]。翌日から二軍再調整となった[23]。イースタン・リーグでも13試合に先発して防御率3.90と振るわず、オフの10月26日に育成再契約を前提とした自由契約が通達された[24]。
選手としての特徴・人物
[編集]スリークォーターの角度で二段モーションの投球フォームから150km/h台の直球(最速は154km/h[25])、鋭く切れるスライダー、落差の大きいシンカーを繰り出す[26]。2024年より、シンカーは球速差が15km/hほどある2種類を投げ分けることを意識している[27]。高校野球ドットコムの河嶋宗一は「なぜ本指名とならなかったのかと思わせるぐらいだ」と評する[28]。
明星大学では物理学を専攻。卒業論文のテーマは「硬式球の流体力学」[30]。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2023 | 巨人 | 8 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | .500 | 85 | 19.1 | 18 | 3 | 8 | 1 | 0 | 17 | 0 | 0 | 8 | 7 | 3.26 | 1.34 |
2024 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 9 | 1.1 | 2 | 1 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 2 | 13.50 | 3.75 | |
通算:2年 | 10 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | .500 | 94 | 20.2 | 20 | 4 | 11 | 1 | 0 | 18 | 0 | 0 | 10 | 9 | 3.92 | 1.50 |
- 2024年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 | 球 団 | 投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2023 | 巨人 | 8 | 2 | 0 | 1 | 0 | .667 |
2024 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 10 | 2 | 2 | 1 | 0 | .800 |
- 2024年度シーズン終了時
記録
[編集]- 初記録
- 投手記録
- 初登板・初先発・初勝利・初先発勝利:2023年5月21日、対中日ドラゴンズ11回戦(東京ドーム)、5回無失点[10]
- 初奪三振:同上、2回表に石川昂弥から空振り三振
- 初ホールド:2023年9月6日、対東京ヤクルトスワローズ21回戦(明治神宮野球場)、4回裏に2番手で救援登板、2回無失点
- 打撃記録
- 初打席:2023年5月21日、対中日ドラゴンズ11回戦(東京ドーム)、2回裏に髙橋宏斗から右飛
- 初安打:2023年5月28日、対阪神タイガース8回戦(阪神甲子園球場)、3回表に才木浩人から左前安打[31]
- その他の記録
背番号
[編集]- 021(2023年 - 2023年5月14日)
- 93(2023年5月15日 - )
脚注
[編集]- ^ 「巨人 - 契約更改 - プロ野球」日刊スポーツ。2023年11月18日閲覧。
- ^ a b c 「【巨人】育成1位・154キロ右腕の松井颯が仮契約 球団の即戦力評価に「2月か3月には支配下に」」スポーツ報知、2022年11月16日。2023年1月21日閲覧。
- ^ 高絢実「埼玉)花咲徳栄、ナイン「ではない」選手がチーム支える」朝日新聞デジタル、2018年8月20日。2023年1月21日閲覧。
- ^ 小関順二「横浜vs花咲徳栄」『高校野球ドットコム』2018年8月15日。2024年3月25日閲覧。
- ^ 「2022年プロ野球ドラフト会議で明星大学硬式野球部から松井颯選手が指名されました」『明星大学』2022年10月20日。2023年7月31日閲覧。
- ^ 「巨人育成D1位・松井颯「日本球界を代表する投手に」 科学的な投球分析が飛躍の一助に」サンケイスポーツ、2022年11月16日。2023年1月21日閲覧。
- ^ 「新入団選手発表で浅野選手「ファンに愛される選手を目指します」」『読売ジャイアンツ(巨人軍)公式サイト』2022年11月23日。2024年5月19日閲覧。
- ^ a b 「巨人、中川皓太の支配下復帰を発表「迷惑かけてしまいました」 育成ドラ1松井颯にも吉報」『Full-Count』2023年5月15日。2023年5月15日閲覧。
- ^ 「プロ初登板勝利の巨人・松井颯は5回68球で交代 プラン守った原監督「いいイメージの中でまた次を迎えてもらおうと」」『サンケイスポーツ』2023年5月21日。2024年4月8日閲覧。
- ^ a b c 「巨人・松井颯がセ界初の快挙! 育成出身新人が初登板初勝利 竜打線を5回2安打零封」スポーツニッポン、2023年5月21日。2023年5月21日閲覧。
- ^ 「セ界初の男・松井颯ぼう然自失 花咲徳栄時代の同期・野村との初対決で3ラン被弾、3回5失点KO」『スポニチアネックス』2023年6月4日。2023年6月4日閲覧。
- ^ 「セ界初の男・松井颯がプロ初の抹消 交流戦初登板で花咲徳栄同期生に3ラン被弾」『Sponichi Annex』2023年6月5日。2023年11月20日閲覧。
- ^ 「巨人・松井颯が1軍復帰 支配下登録の新人全6選手が1軍に勢ぞろい 原監督「全員で戦う」」『Sponichi Annex』2023年9月3日。2023年11月20日閲覧。
- ^ 「【巨人】平内龍太、松井颯が出場選手登録抹消 ジャイアンツ球場の2軍練習に参加」『スポーツ報知』2023年9月19日。2023年11月20日閲覧。
- ^ 「【巨人】イースタン最多勝のルーキー松井颯「先発で100イニングくらい」来季目標掲げる」『日刊スポーツ』2023年10月11日。2023年11月20日閲覧。
- ^ 「イースタン・リーグ表彰 | 2023年 表彰選手」『日本野球機構』。2024年2月6日閲覧。
- ^ 「【巨人】松井颯が240万円増の660万円で契約更改 来季は「ローテ定着、10勝」」『スポーツ報知』2023年11月18日。2023年11月20日閲覧。
- ^ 「イースタン・リーグ表彰 | 2023年 表彰選手」NPB.jp 日本野球機構。2023年11月28日閲覧。
- ^ 「出場選手登録および登録抹消 | 公示」NPB.jp 日本野球機構、2024年3月28日。2024年4月8日閲覧。
- ^ 「2年ぶり通算2本目の一発! 阪神期待の23歳遊撃手がダメ押しソロ ファン「この本塁打は希少」「オ、オ、オバタ!?」」『西スポWEB OTTO!』2024年3月31日。2024年4月8日閲覧。
- ^ 「【ハイライト動画】8回痛恨3ラン被弾で3連勝ならず 開幕連続無失点は日本記録タイ25イニングでストップ」『スポーツ報知』2024年3月31日。2024年4月8日閲覧。
- ^ 「巨人 リードが守れない…松井颯が連続押し出し四球 坂本が三塁初失策、門脇も悪送球、飛球処理も…」『Sponichi Annex』2024年4月6日。2024年4月8日閲覧。
- ^ 「【巨人】松井颯が2軍合流 6日DeNA戦で2死満塁から2者連続押し出し四球で降板」『スポーツ報知』2024年4月7日。2024年4月8日閲覧。
- ^ “来季の契約について | 読売ジャイアンツ(巨人軍)公式サイト”. www.giants.jp. 2024年10月26日閲覧。
- ^ a b 「巨人育成D1位・松井颯「やっと始まったなという気持ち」メッツ・千賀の著書を持参し入寮」サンケイスポーツ、2023年1月8日。2023年1月21日閲覧。
- ^ 「プロは「絶対無理」から明星大でドラフト候補に 152キロ右腕松井颯を変えた花咲徳栄・岩井隆監督の言葉」スポーツニッポン、2022年4月23日。2023年1月21日閲覧。
- ^ 「【巨人】松井颯、緩急差15キロのシンカー2種で開幕1軍狙う「タイミングをずらすのが一番」」『日刊スポーツ』2024年2月13日。2024年4月8日閲覧。
- ^ 河嶋宗一「【ドラフト指名総括・巨人】史上最高の育成指名!?育成1位の大卒右腕や、育成6位の大型スラッガーなど逸材揃い!」『高校野球ドットコム』2023年1月18日。2024年2月6日閲覧。
- ^ 「【巨人】“千賀ロード”歩む育成1位松井颯が最多勝目標 花咲徳栄時代控えも最速154キロ右腕」日刊スポーツ、2022年10月26日。2023年1月21日閲覧。
- ^ 「【巨人・新人連載】育成1位・松井颯「コツコツ継続」で体重も球速も10キロ増 大学では物理学を専攻」スポーツ報知、2023年1月20日。2023年1月21日閲覧。
- ^ 「【巨人】松井颯がプロ入り後3打席目でプロ初安打をマーク 才木の151キロを左前安打」『スポーツ報知』2023年5月28日。2023年5月28日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 個人年度別成績 松井颯 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手プロフィール - 読売ジャイアンツ公式サイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- 松井 颯 (@matsuihayate) - X(旧Twitter)
- 松井 颯 (@hayate.93) - Instagram