桑名市立図書館
桑名市立図書館【全体用】 Kuwana City Library | |
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施設情報 | |
正式名称 | 桑名市立図書館 |
前身 | 桑名市立中央図書館、多度町立図書館 |
専門分野 | 総合 |
事業主体 | 桑名市 |
管理運営 | 中央:桑名メディアライヴ株式会社 多度・長島:桑名市教育委員会 |
延床面積 | 6,696[1] m2 |
開館 | 2004年(平成16年)12月6日 |
所在地 | |
統計・組織情報 | |
蔵書数 | 561,662冊(2015年度[2]時点) |
貸出数 | 1,305,627冊(2015年度[2]) |
来館者数 | 840,751人(2015年度[2]) |
貸出者数 | 323,203人(2015年度[2]) |
年運営費 | 442,602千円(2015年度予算[3]) |
条例 | 桑名市立図書館条例(平成16年12月6日桑名市条例第179号) |
職員数 | 47人(2015年現在[1]) |
公式サイト | kuwana-library.jp/ |
備考 | 統計は3館の合計値。 |
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館 |
桑名市立図書館(くわなしりつとしょかん、英語: Kuwana City Library)は、三重県桑名市が設置する公立図書館。
概要
[編集]桑名市立中央図書館、ふるさと多度文学館、長島輪中図書館の3館で構成され[4]、中央図書館はPFIを導入して民間が運営し、ふるさと多度文学館と長島輪中図書館は桑名市が直接運営する[5]。
利用実績は人口規模が同程度の都市の中で上位に相当し、三重県内では四日市市立図書館に次いで貸出冊数が多い[6]。
歴史
[編集]桑名市は2004年(平成16年)12月6日に旧桑名市、桑名郡多度町・長島町が合併して発足し、即日市長職務執行者による専決処分により、「桑名市立図書館条例」が制定され、同月の桑名市議会で専決処分案件がすべて承認された[7][8]。これにより、旧桑名市が設置した桑名市立中央図書館と多度町が設置した多度町立図書館(愛称:ふるさと多度文学館)[9]が新しい桑名市に引き継がれ、桑名市立図書館となった。このうち桑名市立中央図書館は2004年(平成16年)10月にPFIを導入して建設され、運営はPFIの契約により桑名メディアライヴ株式会社が引き続き実施し[6]、ふるさと多度文学館は桑名市の直営となった[5]。
2006年(平成18年)4月に長島輪中図書館が開館すると同時に図書館システムの統合が行われ、図書館利用カードの統合や市内のどの図書館で借りた本でも任意の図書館に返却できるようになった[6]。2014年(平成26年)4月より「雑誌スポンサー制度」を導入、同年10月には図書館システムの更新が行われ、登録キーワードと一致する新着情報が自動的に電子メールで通知される「SDI」、図書館の蔵書を利用者個人の「本棚」に登録できる「Myライブラリー」サービスの提供を開始した[6]。
利用案内
[編集]桑名市立図書館の2013年(平成25年)度の蔵書数は三重県内で5位であったが、貸出冊数では2位に入った[6]。日本全国でも2012年(平成24年)の統計では、人口10 - 15万人の市区の中で貸出冊数10位と上位にある[6]。ただしその利用実績は中央図書館が圧倒し、多度文学館と長島輪中図書館は同程度である[6]。
主な一覧
[編集]- 開館時間:中央=9時から21時まで、多度・長島=9時から17時まで
- 休館日:特別整理期間、年末年始
- 貸出制限:桑名市に在住・通勤・通学する者または周辺市町村(具体的には三重県四日市市、いなべ市、桑名郡木曽岬町、員弁郡東員町、三重郡朝日町・川越町・菰野町、愛知県弥富市・愛西市、岐阜県海津市[14][15])に居住する者。
- 貸出可能冊数:図書・雑誌=各館10冊(合計30冊)、視聴覚資料=中央・長島各2点;多度4点(合計8点)
- 貸出可能期間:図書・雑誌=15日間、視聴覚資料=8日間
- 予約、複写、リクエスト、レファレンスサービス、対面朗読可能。
中央図書館
[編集]桑名市立中央図書館(くわなしりつちゅうおうとしょかん、英語: Kuwana City Central Library)は、三重県桑名市中央町三丁目79番地のくわなメディアライヴにある公立図書館[6]。PFIを導入して桑名メディアライヴ株式会社が運営にあたり、同社を構成する図書館流通センター(TRC)がカウンター業務を担当している[6]。 日本で初めてPFIによる建設・運営を行う図書館として日本全国から注目を集め[16]、ICタグによる蔵書管理[17]、桑名市と協働した地域資料の収集[18]、桑名市図書館を使った調べる学習コンクール[19]など多彩に活動している。
ふるさと多度文学館
[編集]ふるさと多度文学館 | |
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ふるさと多度文学館(2022年) | |
施設情報 | |
正式名称 | ふるさと多度文学館 |
前身 | 多度町立図書館 |
専門分野 | 総合 |
事業主体 | 桑名市 |
管理運営 | 桑名市教育委員会 |
延床面積 | 1,722[1] m2 |
開館 | 1984年(昭和59年)6月[20] |
所在地 | 〒511-0106 三重県桑名市多度町多度二丁目24番地 |
位置 | 北緯35度7分52.3秒 東経136度37分53.5秒 / 北緯35.131194度 東経136.631528度座標: 北緯35度7分52.3秒 東経136度37分53.5秒 / 北緯35.131194度 東経136.631528度 |
ISIL | JP-1002020 |
統計・組織情報 | |
蔵書数 | 114,266冊(2015年度[2]時点) |
貸出数 | 287,518冊(2015年度[2]) |
来館者数 | 172,511人(2015年度[2]) |
貸出者数 | 59,326人(2015年度[2]) |
年運営費 | 20,562千円(2015年度予算[3]) |
条例 | 桑名市立図書館条例(平成16年12月6日桑名市条例第179号) |
館長 | 平野淳子(2015年現在[21]) |
職員数 | 8人(2015年現在[1]) |
公式サイト | tado.kuwana-library.jp/ |
地図 | |
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館 |
ふるさと多度文学館(ふるさとたどぶんがくかん)は、三重県桑名市多度町多度二丁目24番地1にある公立図書館。「本と人、人と人との出会いの広場」を運営目標に掲げ、すべての年代の人にとって使いやすい図書館を目指している[6][14]。中央図書館とは異なりPFIは導入せず、桑名市による直接運営が行われている[5]。
多度町による運営が行われていた頃の正式名称は多度町立図書館で、ふるさと多度文学館は愛称であった[9]が、桑名市発足後はふるさと多度文学館が正式名称となった[22]。施設は全日本写真連盟はまぐり支部の写真展会場としてよく利用されている[23][24][25]。
多度文学館の歴史
[編集]1984年(昭和59年)6月、旧・多度町立多度小学校(現・桑名市立多度中小学校)の校舎を再利用し、多度町立図書館として開館した[20]。三重県では1960年(昭和35年)の磯部町立図書館(現・志摩市立磯部図書室)の開館以来2館目の町村立図書館となった[26]。建物は1933年(昭和8年)に多度尋常高等小学校として建設されたものを一部移築したもので、郷土資料館が併設されていた[27]。
1994年(平成6年)度末の蔵書数は約1万5千冊でそのうち3分の1を児童書が占めていた[20]。当時の開館時間は9時から17時で、休館日は月曜日・祝日・年末年始と蔵書の虫干し期間であった[28]。またこの頃、多度町役場(現・桑名市多度町総合支所)の隣接地に単独の新図書館を建設する計画が進行中で、新館建設に向けた郷土資料の収集を行っていた[20]。そして、1996年(平成8年)10月、新しい多度町立図書館が開館し、「ふるさと多度文学館」の愛称が付けられた[9]。同時に多度大社付近に存在したと伝えられる三重塔が図書館の庭に建てられた[29]。この三重塔は御影石製で高さが約8.5mある[29]。旧図書館の建物は、予約者があった場合のみ開館する「桑名市郷土館」として、農具や衣食住関連の民俗資料の展示施設として現存している[30]。
2000年(平成12年)9月16日、東海4県の市民団体による「まちづくり交流フォーラム研究集会inMIE」の分科会として「円卓会議 地域経営の戦略と仕組み」が多度文学館で開催された[31]。2008年(平成20年)9月には前年に逝去した多度町出身の児童文学者である北村けんじを偲ぶ企画展を開催し、北村の自筆原稿や写真などを公開した[32]。
多度文学館の交通
[編集]長島輪中図書館
[編集]長島輪中図書館 | |
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長島輪中図書館(2012年) | |
施設情報 | |
正式名称 | 長島輪中図書館 |
専門分野 | 総合 |
事業主体 | 桑名市 |
管理運営 | 桑名市教育委員会 |
建物設計 | 日本設計[33] |
延床面積 | 1,805[1] m2 |
開館 | 2006年(平成18年)4月[6] |
所在地 | 〒511-1125 三重県桑名市長島町源部外面337番地 |
位置 | 北緯35度5分8.0秒 東経136度42分30.8秒 / 北緯35.085556度 東経136.708556度 |
ISIL | JP-1002021 |
統計・組織情報 | |
蔵書数 | 107,692冊(2015年度[2]時点) |
貸出数 | 212,697冊(2015年度[2]) |
来館者数 | 124,960人(2015年度[2]) |
貸出者数 | 51,128人(2015年度[2]) |
年運営費 | 36,282千円(2015年度予算[3]) |
条例 | 桑名市立図書館条例(平成16年12月6日桑名市条例第179号) |
館長 | 永冨庸子(2015年現在[21]) |
職員数 | 9人(2015年現在[1]) |
公式サイト | nagashima.kuwana-library.jp/ |
地図 | |
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館 |
長島輪中図書館(ながしまわじゅうとしょかん)は、三重県桑名市長島町源部外面(ながしまちょうげんべども)337番地にある公立図書館。新・桑名市発足後の2006年(平成18年)に複合施設「ながしま遊館」の一角に開館し、「くらしの中に図書館を」を運営目標に掲げている[6]。中央図書館とは異なりPFIは導入せず、桑名市による直接運営が行われている[5]。
独自のコレクションとして在名古屋アメリカ合衆国領事館・名古屋アメリカンセンターから寄贈された英語の絵本などから成る「アメリカンシェルフ」を保有する[15]。
輪中図書館の歴史
[編集]図書館の設置構想は旧長島町時代から計画されており、保育園などを含めた総合的福祉・文化施設の中に建設する方向で進められていた[34]。そして新・桑名市発足直前の2004年(平成16年)10月に着工し、2005年(平成17年)12月に竣工した[35]。こうして完成した「ながしま遊館」は、長島中部保育所・長島地域子育て支援センターなどから成る「子育てゾーン」、長島輪中図書館と長島ふれあい学習館で構成される「生涯学習ゾーン」、水郷テラスとからくり時計で構成される「地域ふれあいゾーン」の3つのゾーンを持つ複合施設となり[36]、長島輪中図書館はその中核施設として2006年(平成18年)4月に開館した[6]。設計は日本設計、施工は三井住友・東洋特定建設工事共同企業体が担当し、総事業費は1,773百万円であった[33]。2007年(平成19年)11月17日、「ながしま遊館」として公共の色彩賞の「環境色彩10選」に選定され[37]、2010年(平成22年)には複数の建築物を効率的・機能的に配置するとともに田園地帯に溶け込むデザインとしたことや、予想を上回る利用がある点などが評価され、公共建築賞の優秀賞を受賞している[33]。
2009年(平成21年)10月に「環境絵本展」を開催した[38]。2016年(平成28年)9月8日より、伊賀市上野図書館、あさひライブラリーに次いで県内で3番目に「赤ちゃんタイム」と称して乳幼児連れの親が来館しやすい時間を第2・4木曜日の10時から12時に設定した[39]。
輪中図書館の交通
[編集]駐車場は229台分ある[15]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f 日本図書館協会図書館調査事業委員会 編 2016, p. 140.
- ^ a b c d e f g h i j k l “桑名市立図書館 利用状況”. 桑名市立図書館 (2016年). 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月25日閲覧。
- ^ a b c 日本図書館協会図書館調査事業委員会 編 2016, p. 141.
- ^ 藤江 2008, p. 517.
- ^ a b c d 森下 2007, p. 70.
- ^ a b c d e f g h i j k l m “議題・課題等提案”. 10月21日部長会議資料. 桑名市教育委員会 (2014年10月21日). 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月25日閲覧。
- ^ “第1章 合併の概要”. 桑名市・多度町・長島町合併の足跡. 桑名市 (2011年11月3日). 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月25日閲覧。
- ^ “第9章 新市への準備”. 桑名市・多度町・長島町合併の足跡. 桑名市 (2011年11月3日). 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月25日閲覧。
- ^ a b c 「図書館で古本リサイクル 各地で取り組み広がる」朝日新聞1998年6月6日付朝刊、三重版
- ^ “ご利用案内”. 桑名市立図書館. 2017年2月25日閲覧。
- ^ “利用案内”. 桑名市立中央図書館. 2017年2月25日閲覧。
- ^ “ご利用案内”. ふるさと多度文学館. 2017年2月25日閲覧。
- ^ “ご利用案内”. 長島輪中図書館. 2017年2月25日閲覧。
- ^ a b c d “県内の市町立図書館・図書室紹介/ふるさと多度文学館”. 三重県立図書館. 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月26日閲覧。
- ^ a b c d e f “県内の市町立図書館・図書室紹介/長島輪中図書館”. 三重県立図書館. 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月26日閲覧。
- ^ 岡田 2005, p. 78.
- ^ 岡田 2005, p. 81.
- ^ 植村 2008, p. 25.
- ^ 山田 2011, p. 28.
- ^ a b c d 清水 1996, p. 273.
- ^ a b 日本図書館協会図書館調査事業委員会 編 2016, p. 393.
- ^ “桑名市立図書館条例”. 平成16年12月6日桑名市条例第179号. 2017年2月25日閲覧。
- ^ 「主に自然テーマ 力作90点を展示 桑名で全日写連支部展」朝日新聞2014年3月21日付朝刊、三重版33ページ
- ^ 「自然や祭り… 力作100点展示 桑名で全日写連支部」朝日新聞2015年3月28日付朝刊、三重版31ページ
- ^ 「全日写連支部の写真展」朝日新聞2016年3月26日付朝刊、三重版27ページ
- ^ 清水 1996, p. 171, 351-352.
- ^ 財団法人河川環境管理財団 1993, p. 3.
- ^ 清水 1996, p. 271.
- ^ a b "みえ 新景・珍景 どっしり「町の新象徴」"朝日新聞1999年2月24日付朝刊、三重版
- ^ “桑名市郷土館”. 三重県内の博物館・資料館. 三重県環境生活部文化振興課. 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月26日閲覧。
- ^ "「広域まちづくり」をテーマに円卓会議 多度町でフォーラム"朝日新聞2000年9月17日付朝刊、三重版28ページ
- ^ 「多度の児童文学者 北村けんじ氏しのぶ企画展」朝日新聞2008年9月5日付朝刊、三重版22ページ
- ^ a b c “ながしま遊館(中部地区)”. 公共建築協会 (2010年). 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月26日閲覧。
- ^ 「7町村長、無投票 統一地方選後半戦告示」朝日新聞2003年4月23日付朝刊、三重版28ページ
- ^ “ながしま遊館 - その他の施設”. 教えて!くわなの公共施設 (2011年4月19日). 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月26日閲覧。
- ^ “ながしま遊館”. 教えて!くわなの公共施設 (2011年4月19日). 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月26日閲覧。
- ^ "「環境色彩10選」発表 佐原の街並みなど"朝日新聞2007年11月18日付朝刊、3社会37ページ
- ^ 「気楽に環境学ぶ絵本展 桑名」朝日新聞2009年10月10日付朝刊、三重版28ページ
- ^ 中根勉「赤ちゃんタイム 図書館気軽に 桑名・長島 泣き声遠慮せず 絵本朗読も」朝日新聞2016年9月23日付朝刊、三重版21ページ
参考文献
[編集]- 植村圭子「図書館サービスにPFIを活かす 前桑名市生涯学習課長 桑名市立図書館・大塚由良美さんに聴く」『あうる』第83巻、図書館の学校、2008年6月、24-27頁。NAID 40016138277
- 岡田和彦「PFIで図書館は進化するか 全国初のPFI方式による桑名市立中央図書館」『都市問題』第96巻第9号、東京市政調査会、2005年9月、78-83頁。NAID 40006892366
- 財団法人河川環境管理財団『木曽川文庫 KISSO Vol.5』建設省中部地方建設局木曽川下流工事事務所、1993年1月、6頁。
- 清水正明『三重県の図書館』三一書房〈県別図書館案内シリーズ〉、1996年4月3日、357頁。ISBN 4-380-96229-6。
- 藤江昌嗣「PFIによる図書館経営を評価する―桑名市立中央図書館を例に―」『情報の科学と技術』第58巻第10号、情報科学技術協会、2008年10月1日、517-522頁。NAID 110006950946
- 森下芳則「桑名市立中央図書館と田原市中央図書館との比較」『みんなの図書館』第363号、教育史料出版会、2007年7月、66-73頁。NAID 40015406994
- 山田万知代「伊勢型紙の世界―鈴鹿と江戸はこうして結ばれた!―」『あうる』第99巻、図書館の学校、2011年2月、24-30頁。NAID 40018704150
- 日本図書館協会図書館調査事業委員会 編『日本の図書館 統計と名簿2015』公益社団法人日本図書館協会、2016年2月12日、511頁。ISBN 978-4-8204-1516-9。