甘木鉄道AR100形気動車
甘木鉄道AR100形気動車 | |
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AR106(2006年・太刀洗駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 甘木鉄道 |
製造所 | 富士重工業 |
製造初年 | 1986年 |
製造数 | 6両 |
廃車 | 2006年 |
主要諸元 | |
軌間 | 1067 mm |
最高速度 | 95 km/h |
車両定員 | 110名(座席48名) |
自重 | 23.5 t |
全長 | 15,500 mm |
全幅 | 3,040 mm |
全高 | 3,550 mm |
車体 | 普通鋼製 |
台車 | FU34D(動力台車)/FU34T(付随台車) |
機関出力 | 230 PS/1900rpm(PE6HT03) |
搭載数 | 1基 / 両 |
駆動方式 | 液体式 |
制動装置 | SME3管式直通空気ブレーキ |
甘木鉄道AR100形気動車(あまぎてつどうAR100がたきどうしゃ)は、甘木鉄道で使用されていた気動車(レールバス)である。
車両概説
[編集]1986年(昭和61年)、日本国有鉄道甘木線の第三セクター化に際し、富士重工業にて製造された。当初はAR101 - AR104の4両が製造され、輸送需要増に伴い1987年(昭和62年)にAR105が、1989年(平成元年)にAR106が増備されている。
形式記号のARはAmagi Railway(甘木鉄道)を意味する。
老朽化が進んだことから、2001年(平成13年)よりAR300形への取替えによる廃車が進められ、2006年(平成18年)末までに全車が廃車となった。
車体
[編集]形状は当時、富士重工業が第三セクター鉄道向けに製造していたLE-CarIIと呼ばれるタイプの二軸ボギー非貫通形バージョンにあたり、車体長15mで扉はバス用の折扉を車端部に配置し、側窓は上部固定、下部引き違い方式のバス用窓を採用している。また車体側面にはリベットが打ち込まれている。
前面は非貫通形の一枚窓となっている。増備車のAR105・AR106はワイパー形状が他車と異なっている。また全列車が基山 - 甘木間の運転であるため、前面窓下部に「基山 - 甘木」の表示板を掲出しており、方向幕は設けられていない。
車体塗装は白地にピンク色、エメラルドグリーンの帯を配した塗装としている。前面中央下部には甘木鉄道のマスコットキャラクター「レビット君」のイラストを入れている。
外観的には伊勢鉄道イセI型や長良川鉄道ナガラ1形に酷似しているが、正面に方向幕がない点が異なる。
台車・機器
[編集]台車は空気ばね台車である。エンジンは直噴式ディーゼルエンジンのUDトラックス(旧:日産ディーゼル)PE6HT03(230PS/1900rpm)を搭載している。これも伊勢鉄道イセI形や長良川鉄道ナガラ1形に準ずる。
内装
[編集]座席は扉付近にロングシートを配置し、中間部に一方を1人掛け、もう一方を2人掛けとしたボックスシートを配置したセミクロスシート構造としている。なお、AR103は1992年(平成4年)にオールロングシートに改造された。
冷房装置はエンジン直結式のものを備えている。
運転台は車端中央部に配置しておりワンマン運転に対応している。
保存車
[編集]AR104は廃車後、朝倉市内の「生い立つ保育園」に保存されている。また、AR106はミャンマーへ輸出された。これ以外の車両は解体処分となった。
参考文献
[編集]- 寺田裕一『私鉄気動車30年』JTBパブリッシング、2006年。ISBN 4-533-06532-5。