法道
法道(ほうどう)は、インドの仙人。鉄の宝鉢を持っていたことから、空鉢(くはつ-)、空鉢仙人(からはちせんにん)とも呼ばれる。
概要
[編集]6-7世紀頃、中国・朝鮮半島を経由して、日本へと渡ってきたとされる。播磨国一帯の山岳などに開山・開基として名を遺す、数多くの勅願寺を含む所縁の寺がみられる。
また、日本に渡るときに牛頭天王と共に渡ったとされその牛頭天王は姫路市にある広峰神社に祭られ、その後現在は八坂神社中の座に祭られたとされている。
法道仙人が六甲山は六甲比命神社境内にある雲ヶ岩(紫雲賀岩)で修行中、紫雲に乗って出現した毘沙門天を感得する。
雲ヶ岩、六甲比命大善神、心経岩を奥ノ院とする吉祥院多聞寺(神戸市北区唐櫃)を創建する。 関東でも鉢山町や神泉町など地名が法道由来とされる。
神社保存会である六甲比命講によれば六甲比命神社は伊勢神宮天照大神荒霊と廣田神社の奥の院であるとされている。
六甲比命大善神の境内は元々、江戸時代までは吉祥院多聞寺と廣田神社の共同で管理されていたが明治政府の神仏分離政策によって多聞寺が今現在管理している。
所縁の寺院
[編集]- 千光寺 (芹谷山、富山県砺波市)
- 観音寺 (補陀洛山、京都府福知山市)
- 西念寺 (伝法山、大阪府大阪市此花区)
- 感應寺 (妙見山、大阪府堺市南区)
- 伽耶院 (大谷山、兵庫県三木市)
- 教海寺 (脇川山、兵庫県三木市)
- 一乗寺 (法華山、兵庫県加西市)
- 普光寺 (蓬莱山、兵庫県加西市)
- 奥山寺 (青嶺山、兵庫県加西市)
- 如意寺 (比金山、兵庫県神戸市)
- 石峯寺 (岩嶺山、兵庫県神戸市)
- 忉利天上寺 (摩耶山、兵庫県神戸市)
- 近江寺 (近江山、兵庫県神戸市)
- 宝珠寺 (梵天山、兵庫県神戸市)
- 多聞寺(六甲山、兵庫県神戸市北区)
- 朝光寺 (鹿野山、兵庫県加東市)
- 禅瀧寺 (神谷山、兵庫県加東市)
- 清水寺 (御嶽山、兵庫県加東市)
- 光明寺 (五峰山、兵庫県加東市)
- 龍蔵寺 (太平山、兵庫県丹波篠山市)
- 西方寺 (平野山、兵庫県丹波篠山市)
- 東窟寺 (五台山、兵庫県篠山市)
- 西林寺 (栢谷山、兵庫県西脇市)
- 花山院 (東光山、兵庫県三田市)
- 常勝寺 (竹林山、兵庫県丹波市)
- 法楽寺 (金楽山、兵庫県神河町)
- 七宝寺 (日蔵山、兵庫県神河町)
- 圓満寺 (吉祥山、兵庫県多可町)
- 法道寺 (亀岡山、兵庫県朝来市)
- 長谷寺 (打吹山、鳥取県倉吉市)
- 仙龍寺 (金光山、愛媛県四国中央市)
- 羅漢寺 (耆闍崛山、大分県中津市)
ギャラリー
[編集]関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 永井義憲「法道仙人と徳道上人:飛鉢説話についての覚書き」『大妻国文』Vol.10.大妻女子大学
- 兼康保明「飛鉢伝説と山の考古学」、『山岳信仰と考古学』山の考古学編、同成社 ISBN 978-4-88621-281-8 C3021
- 『和漢三才図会』
- 『元亨釈書』