蓮華温泉

蓮華温泉
蓮華温泉ロッジ本館外観地図
温泉情報
所在地 新潟県糸魚川市大所[1]
座標 北緯36度48分37.9秒 東経137度47分55.4秒 / 北緯36.810528度 東経137.798722度 / 36.810528; 137.798722座標: 北緯36度48分37.9秒 東経137度47分55.4秒 / 北緯36.810528度 東経137.798722度 / 36.810528; 137.798722
交通 JR大糸線平岩駅より糸魚川バスで約60分。7月から10月までの季節運行。
泉質 酸性泉、重炭酸土類泉、酸性石膏泉
宿泊施設数 1
総収容人員数 250 人/日
外部リンク 蓮華温泉ロッジ公式ページ
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蓮華温泉(れんげおんせん)は、新潟県糸魚川市にある温泉である。中部山岳国立公園区域内の標高1,475mの高所に位置する[1]。自家発電の温泉宿のため、21時には消灯される。

泉質

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  • 酸性硫黄泉(硫化水素型、泉温32℃、薬師湯、三国一ノ湯に給湯) [2]
  • 単純硫黄泉(仙気ノ湯に給湯)[2]
  • 含硫黄マグネシウム炭酸水素塩泉(黄金湯に給湯)[2]
  • 単純温泉(泉温81℃、総湯に給湯)[2]

リウマチ、皮膚病、胃腸病、眼病などに効能がある(いずれも効能はその効果を万人に保証するものではない)[1]

温泉街

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「蓮華温泉ロッジ」だけが営業している一軒宿の秘湯(2020年までに日本秘湯を守る会から脱退している)。周囲に温泉街は存在しない。蓮華温泉ロッジ本館の西側にはキャンプ場が併設されている。 例年3月20日頃 - 10月20日頃の季節営業であり(一般客が入れるのは6月下旬から)[2]、期間外はアクセス道路も閉鎖される。白馬岳朝日岳などの登山拠点でもあり、春の残雪期には山スキーヤーにも利用されている。本館と別館があり、本館は食堂・売店と相部屋内湯があり、別館は個室向けの部屋がある。

蓮華温泉ロッジは本来山小屋であるため、個室であっても部屋にテレビがない、食事は食堂で他のグループと詰めあわせて一斉に食べ、食事時間も夕食は17時30分頃、朝食は6時頃とかなり早い、浴衣などがない、チェックアウト時間が8時30分と一般旅館よりも早いなどの点を理解して宿泊する必要がある。また、自家発電なので21時頃以降は客室は消灯となり懐中電灯の持参が必要となる。廊下、トイレ、浴室も最低限の常夜灯のみになる。最混雑期は相部屋でしか宿泊できない場合がある。逆にチェックイン時間は13時とされているものの、実際には部屋の掃除が終われば午前中でも部屋を使用できる。

浴場

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蓮華温泉には内湯である「総湯」と4か所の露天風呂があるが、3種類の泉質が混在する。露天風呂はロッジから山道を5分から15分ほど歩いた場所に散在している。

内湯
  • 総湯
    • 単純温泉[2]
    • ロッジの建物の中の内湯。秘湯とは思えないほど近代的に改築されており、日帰り温泉としての利用もできる。
秋の仙気の湯
露天風呂

(どの露天風呂にも更衣室の類は一切なく、衣服は湯船脇の木や石の上に置く)

  • 仙気の湯
    • 単純硫黄泉[2]
    • 蓮華温泉を代表する露天風呂。高台に位置し展望が良く、湯船も露天風呂の中では一番広い。元は「疝気の湯」と記した。疝気とは下腹部が痛む病気で、それに効くという意味。現在は仙人気分になることができる湯という意味。湯はわずかに白濁している。
  • 黄金湯
    • 炭酸水素塩泉[2]
    • ロッジから一番近い露天風呂。林間に位置し展望はあまりないが、湯量も豊富。かつては土で濁り黄色っぽい湯の色をしているのでこの名がある。現在はほぼ透明である。
秋の薬師の湯
  • 薬師湯
    • 酸性硫黄泉[2]
    • 一番高台にある露天風呂。少々小ぶりの石組の湯船。行止りの場所にあるため、女性の貸切状態になることがある。
  • 三国一の湯
    • 酸性硫黄泉[2]
    • 三国一とは、日本中国天竺の3か国で一番という意味だが、現在は湯量が少なく1人入ったらいっぱいの小さな湯船。泉温が低すぎる時も多く、爽快感に欠ける露天風呂。

かつては「新黄金の湯」と「蒸湯」というのもあり、「蓮華七湯」と総称した。

夜、露天風呂に入るには懐中電灯が必要となる。露天風呂に夜入り、懐中電灯を消すと天候が良ければ満天の星が望める。

歴史

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  • 1617年元和3年) - 上杉謙信が南西2.8 km雪倉岳の東山腹に雪倉銀山を開発し、明治末まで約300年採掘が行われた[3]。その際に温泉が、発見されたと伝えられる歴史を持つ。温泉名の由来は、白馬岳の越中越後側の名称・蓮華岳による。かつては猟師や樵に愛用され、やがて不便な山奥ながら湯治場として発展する。
  • 1818年-1829年(文政年間) - 湯屋が建設され、期間中に建物の火災も発生したと伝えられる[4]
  • 1848年嘉永元年) - 本格的な湯宿となったといわれている[3]
  • 1894年(明治27年) - 日本アルプスを世界に紹介したイギリス人宣教師・ウォルター・ウェストンが、この温泉に宿泊して白馬岳に登頂した[5]
  • 1976年(昭和51年)10月15日 - 1933年(昭和8年)以降平岩駅から順次延伸されていった車道(一部区間は新潟県道505号入ノ平白馬線)が、蓮華温泉まで到達した。それまでは、車道の終点のバス停から延々と歩く登山者だけの温泉だった[6]
  • 1977年(昭和52年)、1986年(昭和61年) - 左記2度の改修により現在の2階建ての温泉宿となる[6]
  • 1994年(平成6年)春 - 夏にかけて記録的な小雨のため、露天風呂の源泉が一時的に枯れる。
  • 1995年(平成7年)7月11日 - 7.11水害により国道148号、新潟県道505号入ノ平白馬線が寸断。孤立する。道路が復旧したのは翌1996年8月2日
  • 1997年(平成9年) - 新浴場が完成[6]
  • 2011年(平成23年)6月 - 蓮華温泉に通じる道路が、ヒワ平 - 白池の区間で雪解けと雨の影響で崩落し通行できなくなった[7]。復旧したのは8月5日[8]

アクセス

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蓮華温泉バス停
公共交通
  • 糸魚川駅アルプス口より糸魚川バス頸城自動車グループ)「18 白馬岳登山バス(蓮華線)」利用、終点「蓮華温泉」下車(乗車時間:約95分)。7月から10月中旬までの季節運行[9]
    • 運行開始から8月中旬までは1日4往復が毎日運行されるが、それ以降は2往復が土休日のみ運行される。途中JR大糸線平岩駅前を経由し、南小谷方面の列車に接続する。

なお、バスの運行期間外は自家用車・タクシー・徒歩等でしか行けなくなる。毎年6月頃までは残雪により道路も閉鎖されており、徒歩でしか行けない。

蓮華温泉ロッジから露天風呂
駐車場から少し下ると、蓮華温泉ロッジの新しい建物の前に出る。その建物の前を通り、奥の水飲み場の裏側から登山道に入る。初めは平らな湿った道が続き、数分で露天風呂に到着する。[10]

脚注

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  1. ^ a b c 『全国温泉大事典』(1997年12月18日、野口冬人著、旅行読売出版社発行)426ページ。
  2. ^ a b c d e f g h i j 『一生に一度は行きたい温泉100選』(2022年10月28日、宝島社発行)17頁。
  3. ^ a b 柳原修一『北アルプス山小屋物語』東京新聞出版局、1990年6月、141頁。ISBN 4808303744 
  4. ^ 菊池俊明『白馬岳の百年』p36 山と渓谷社 2005年
  5. ^ ウォルター・ウェストン 著、青木枝朗 訳『日本アルプスの登山と探検』岩波書店、1997年6月、372-373頁。ISBN 4003347412 
  6. ^ a b c 『糸魚川市史 昭和編2』(2006年3月31日、糸魚川市発行)148 - 149ページ。
  7. ^ 蓮華だより”. 蓮華温泉. 2011年9月4日閲覧。
  8. ^ 市道蓮華線(蓮華車道)の開通について”. 糸魚川市 (2011年8月5日). 2011年9月4日閲覧。[リンク切れ]
  9. ^ 糸魚川バス 平成31年4月1日改正時刻表”. 頸城自動車グループ. 2019年8月31日閲覧。
  10. ^ 登山ルート・山旅スポット. “蓮華温泉から白馬岳 登山ルート・難易度・時期”. 山旅旅. 2020年9月18日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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