麦芽乳

麦芽乳(ばくがにゅう、: Malted milk)は、大麦麦芽小麦粉、無糖練乳からなる粉末である。

糖化したものと無糖化のものと2つの形態がある。糖化麦芽乳は、デンプン砂糖に分解する酵素を含み、パンの製造等に用いられる。無糖化麦芽乳は活性の酵素を含まず、主に飲料として用いられる。砂糖、着色料やその他の添加物が加えられることもある[1]

歴史

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ウィリアム・ホーリック

ロンドンの薬剤師ジェームズ・ホーリックは、小麦と麦芽でできた幼児用の栄養サプリメントのアイデアを持っていた。イギリスではチャンスに恵まれず、ジェームズは既にウィスコンシン州ラシーンに移住していた弟のウィリアム・ホーリックとともに、親戚の採石場で働いた。1873年、ジェームズとウィリアムは、シカゴ近郊で彼らのブランドの幼児食を製造するホーリック(J & W Horlicks)社を設立した[2]。10年後、彼らは乾燥ミルクの新しい処方に関する特許[3]を取得した。会社は、新製品"Diastoid"を初めて市場に出したが、"malted milk"という商標が使われたのは、1887年からである[4][5]

もともと幼児や病人のための健康食として開発されたが、麦芽乳は思わぬ市場を獲得した。その軽さ、傷みにくさ、栄養価等から、探検家は世界中に麦芽乳を持参し飲用した。ウィリアムは南極探検の出資者となり、リチャード・バード提督は南極の山脈に彼に因んだ名前を付けた(ホーリック山脈)。米国では、人々が楽しみのためにホーリックの新しい飲料を飲み始めた。ジェームズはイングランドに戻り、米国で生産した彼らの製品を輸入し、その後準男爵に叙せられた。麦芽乳は、ソーダ・ファウンテンにも標準的に含まれるようになり、麦芽乳にアイスクリームを混ぜたものも人気を博した。

文化

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Malted milkは、エリック・クラプトンのアルバム『アンプラグド〜アコースティック・クラプトン』でカバーされたことで知られるロバート・ジョンソンのブルース曲のタイトルとなっている。

関連項目

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出典

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