中橋一夫
中橋 一夫(なかはし かずお、1911年3月1日 - 1957年8月20日)は、昭和中期の日本の英文学者。
人物・来歴
[編集]本名・太郎。東京帝国大学文学部英文科卒業。『道化の宿命』を刊行し、ジョン・ミドルトン・マリ、T・S・エリオット、チャールズ・モーガンなどの著作を翻訳。戦後まもなくに英文学会の新星として将来を嘱望され、文芸雑誌などにも健筆を揮った。
東京大学教養学部助教授在任時にイギリス留学するも、半ばに病に倒れ、慌しく帰国。まもなくに没した。
著書
[編集]- 『道化の宿命 シェイクスピアの文学』(中央公論社) 1948
- 『二十世紀の英文学』(研究社出版) 1950
- 『ロレンス』(研究社出版、新英米文学評伝叢書) 1955
- 『現代イギリス文学入門』(研究社出版) 1956
- 『現代英文学ノート』(南雲堂) 1957
翻訳
[編集]- 『キーツの手紙』(キーツ、青木書店) 1940 / 改題『愛について』(角川書店) 1948
- 『キリストの生涯』(J・M・マリー、実業之日本社、伝記文学選集) 1941、創元選書 1950
- 『藝術的意想』(オスカー・ワイルド、弘文堂書房、世界文庫) 1942
- 『異神を追ひて』(T・S・エリオット、生活社) 1943
- 『ニユ・アトランチス』(フランシス・ベイコン、日本評論社、世界古典文庫) 1948
- 『詩とアナキズム』(ハーバート・リード、大沢正道共訳、創元社) 1952
- 『ドストエフスキー』(E・H・カー、松村達雄共訳、社会思想研究会出版部) 1952
- 『民衆の芸術』(ウイリアム・モリス、岩波文庫) 1953、復刊2020ほか / グーテンベルク21(電子書籍) 2021
- 『脱出路 - リヴァ・ライン』(Ch・モーガン、岩波書店、岩波現代叢書) 1954
- 『西欧社会の理念』(T・S・エリオット、新潮社、一時間文庫) 1954
- 『ある教授 自由主義者の悲劇』(レックス・ウォーナー、岩波書店) 1955
- 『若き日の藝術家の肖像』(ジェイムズ・ジョイス、河出書房、世界文学全集15) 1956 / グーテンベルク21(電子書籍) 2018
- 『朝の旅路』上・下(ジェームズ・ヒルトン、高城ちゑ共訳、東京創元社、世界大ロマン全集) 1958