美馬牛駅
美馬牛駅 | |
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駅舎(2020年8月) | |
びばうし Bibaushi | |
◄F37 美瑛 (6.8 km) (9.1 km) 上富良野 F39► | |
所在地 | 北海道上川郡美瑛町美馬牛北1丁目3番1号 |
駅番号 | ○F38 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■富良野線 |
キロ程 | 30.6 km(旭川起点) |
電報略号 | ヒシ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗降人員 -統計年度- | 70人/日 -2014年- |
開業年月日 | 1926年(大正15年)9月10日[1] |
備考 | 無人駅 |
美馬牛駅(びばうしえき)は、北海道上川郡美瑛町美馬牛北1丁目にある北海道旅客鉄道(JR北海道)富良野線の駅。事務管理コードは▲121706[2]。駅番号はF38。
歴史
[編集]北海道官設鉄道十勝線(富良野線の前身)が1899年(明治32年)に開通した当初、この地に駅は設置されず、付近の住民は美瑛駅か上富良野駅を利用せざるを得なかった[3]。
しかし、美瑛駅 - 上富良野駅間は15.9 km と長く、かつ当地は上川郡・空知郡境の分水嶺にあたるため、列車運転上・また拓殖上から駅設置が要望され、少なくとも1914年(大正3年)には駅の設置を念願とした住民がいたという[4]。
最終的に、当地の農場主であった沼崎重平による鉄道省への設置運動が実り、1925年(大正14年)8月に設置が決定、翌年に開業した[3][4]。
年表
[編集]- 1926年(大正15年)9月10日:鉄道省富良野線上富良野駅 - 美瑛駅間に新設開業(一般駅)[5][6]。
- 1949年(昭和24年)6月1日:公共企業体である日本国有鉄道に移管。
- 1955年(昭和30年)6月10日:地元有志により前述の沼崎重平の顕彰碑を駅前に設置[4]。
- 1963年(昭和38年):同年から貨物取り扱いを、ビートを除いて美瑛駅に集約[3]。
- 1966年(昭和41年)同年をもって貨物取り扱いを全面的に美瑛駅に集約し廃止[3]。
- 1967年(昭和42年):ホームの花壇造営などにより「花いっぱい優良駅」として表彰[3]。
- 1983年(昭和58年)9月1日:荷物取扱い廃止[7]。駅員無配置駅となる[8]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる[1]。
- 1989年(平成元年)3月31日:同日放送のテレビドラマ「北の国から '89帰郷」のロケに当駅駅舎及びプラットホームを使用。
- 1992年(平成4年)4月1日:簡易委託廃止、完全無人化。
駅名の由来
[編集]所在地名から。アイヌ語の「ピパウシ(pipa-us-i)」(カラス貝・多くいる・もの〔川〕)に字を当てたものである[9][10]。
一説には、当初駅名は前述の沼崎に因んだものや、隣接する現:上富良野町豊里地区から「豊里」の名称も考えられたが、「畜産北海道にふさわしい」として、「美馬牛」に決まった、とされている[4]。
駅構造
[編集]2面2線の交換駅であり、互い違いに配置の相対式ホームもつ地上駅。跨線橋はなく構内踏切を渡る[11]。駅舎は富良野方面に向かって右手に設置されている[11]。無人駅。
- ホーム・構内踏切(2017年8月)
- 駅名標(2017年8月)
- 駅裏口(2017年8月)
利用状況
[編集]乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。
また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
年度 | 乗車人員 | 出典 | 備考 | ||
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年間 | 1日平均 | JR調査 | |||
1956年(昭和31年) | 115,130 | (315.4) | |||
1957年(昭和32年) | 113,246 | (310.3) | 同年から順次旅客列車を気動車化し増発 | ||
1958年(昭和33年) | 108,650 | (297.7) | 翌年に旅客列車の気動車化を完了。 | ||
1961年(昭和36年) | 113,093 | (309.8) | [3] | ||
1962年(昭和37年) | 106,423 | (291.6) | |||
1963年(昭和38年) | 116,904 | (319.4) | |||
1964年(昭和39年) | 119,197 | (326.6) | |||
1965年(昭和40年) | 129,053 | (353.6) | |||
1966年(昭和41年) | 114,257 | (313.0) | |||
1967年(昭和42年) | 107,332 | (293.3) | |||
1968年(昭和43年) | 111,511 | (305.5) | |||
1992年(平成 | 4年)(62.0) | [11] | 1日平均乗降客数124人 | ||
2016年(平成28年) | 32.0 | [JR北 1] | |||
2017年(平成29年) | 32.0 | [JR北 2] | |||
2018年(平成30年) | 30.6 | [JR北 3] | |||
2019年(令和元年) | 30.0 | [JR北 4] | |||
2020年(令和 | 2年)27.2 | [JR北 5] | |||
2021年(令和 | 3年)25.6 | [JR北 6] | |||
2022年(令和 | 4年)23.2 | [JR北 7] | |||
2023年(令和 | 5年)22.0 | [JR北 8] |
駅周辺
[編集]駅の位置は運転上の諸点に重点を置いて設置したとされ[4]、開業当時はわずか3戸が駅前にあるのみであったが、駅開業後に市街を形成した[3]。構内の富良野方すぐに美瑛町と上富良野町の町境があり、上富良野町里仁・静修地区も駅勢圏に含んでいる[4]。
- 北海道道824号美沢美馬牛線
- 美馬牛郵便局
- 国道237号
- 拓真館(風景写真家・前田真三の写真ギャラリー)
- 美瑛町立美馬牛小学校
- 美瑛町立美馬牛中学校
- かんのファーム
- 四季彩の丘
- 美馬牛リバティユースホステル
隣の駅
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、887頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、235頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g 美瑛町史研究編纂会 編『美瑛町史』 3巻、美瑛町、1970年、487-493頁。doi:10.11501/9490659 。2023年1月3日閲覧。
- ^ a b c d e f 岸本, 翠月 編『上富良野町史』上富良野町役場、1967年8月15日、139, 511-512頁。doi:10.11501/3016381 。2023年1月3日閲覧。
- ^ 内閣印刷局, ed (1926-08-25). “鉄道省告示 第155号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (4202) .
- ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、133頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ “日本国有鉄道公示第80号”. 官報 (16974). (1983年8月31日)
- ^ “「通報」●富良野線美馬牛駅ほか1駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 2. (1983年8月31日)
- ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 別巻〉、2018年11月30日、111頁。ISBN 978-4-88323-114-0。
- ^ “アイヌ語地名リスト ノブト~ヒラキ P101-110”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2014年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月20日閲覧。
- ^ a b c 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、124頁。ISBN 4-09-395401-1。
JR北海道
[編集]- ^ 「富良野線(富良野・旭川間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブ 。2017年12月10日閲覧。
- ^ 「富良野線(富良野・旭川間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。オリジナルの2018年8月18日時点におけるアーカイブ 。2018年8月18日閲覧。
- ^ “富良野線(富良野・旭川間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
- ^ “富良野線(富良野・旭川間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月4日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
- ^ “駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道 (2024年). 2024年9月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月9日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 美馬牛|駅の情報検索(時刻表・バリアフリー)|鉄道・きっぷ|JR北海道- Hokkaido Railway Company