5ジャン6キ

平壌第1百貨店英語版朝鮮語版の電化製品売場(2007年)
6キの1つであるテレビが陳列されている。
平壌市内の外貨ショップ。6キの1つであるテレビやステレオが見える。

5ジャン6キ[1][2](5장6기、5チャン6キと読むこともある[3])は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で、一般家庭に必要とされる家財道具を指す言葉[1]。「ジャン(장、漢字表記で は「欌」)」は器、入れ物[1]を、「キ(기、漢字表記では「機」)」は機械、転じて家電製品を意味する[3]

内容

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生活に必要な耐久消費財を五臓六腑に例えたもので[1]、家具一式の総称として使われることもある[3]

平壌市内の女性が結婚時に準備したがる[4]が、北朝鮮における消費財の供給は著しく少なく、また電化製品は高価でもある。そのため実際に5ジャン6キが家庭にあるのは、特権階級[1]や、出稼ぎ労働者など海外からの仕送りがある裕福層[3]、ごく一部の新婚家庭[2]などに過ぎず、2007年頃でも5ジャン6キを揃えることができる新婚家庭は0.1%にすぎなかった[4]。大半の一般家庭では、布団箪笥・食器棚とテレビ・ミシン・録音機の2ジャン3キ(2장3기)が普通で[1][3]、農村では貧困や食糧不足でこれらも売却する家庭があるという[1]

5ジャン

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  • 布団箪笥(イブルジャン、이불장)
  • 洋服箪笥(ヤンボクジャン
  • 本棚(チェクジャン、冊欌、책장)または飾り棚[2][4]
  • 下駄箱(シンバルジャン、신발장)
  • 食器棚(チャンジャン、饌欌、찬장)

6キ

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洗濯機[1]または録音機[3]を含めずに、写真機(カメラ)を加えることもある。

参考資料

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  1. ^ a b c d e f g h i 安海龍 著、韓興鉄 訳『北朝鮮の日常風景』石任生・撮影、コモンズ、2007年、23頁。ISBN 978-4-86187-034-7 
  2. ^ a b c d “1日14時間の重労働…稼いだドルは金正日の忠誠資金に”. Daily NK. http://japan.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk02200&num=13146 
  3. ^ a b c d e f 鄭銀淑『図解 あっと驚く、北朝鮮!』三笠書房、2004年、20頁。ISBN 4-8379-2091-8 
  4. ^ a b c <ピープル>『平壌はすごい』出版した脱北者リム・イル氏”. 中央日報 (2007年2月27日). 2024年8月25日閲覧。

関連項目

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