Pulay補正

Pulay 補正: Pulay correction)はバンド計算における波動関数の補正で、以下の3つがある。

  1. 基底が、原子の位置に依存しかつ完全系でない場合、の計算に関して、Pulay 補正が生じる。この場合、平面波基底は原子の位置に依存しないので、Pulay 補正は生じない。
  2. 基底が完全系でない場合、Pulay 補正が生じる。APW法LMTO法などでは、基底がオーバーコンプリートになっているので補正が必要。また、基底の数が十分でないことからも補正が必要。この場合は、平面波基底でも基底の数が少ない(エネルギーカットオフが小さ過ぎる)と問題となり得る。
  3. バンド計算における、セルフコンシステントな計算が十分収束していない場合にも、Pulay 補正の問題が出てくる。これは、収束していないことにより、入力の電荷密度と出力の電荷密度が一致しないことによる。

参考文献

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  • P. Pulay (1969). Mol. Phys. 17: 197. 
  • P. Pulay (1970). Mol. Phys. 18: 473. 
  • P. Pulay (1971). Mol. Phys. 21: 329. 
  • C. Satoko (1984). Phys. Rev. B 30: 1754. 
  • 寺倉清之『計算物理の方法』〈岩波講座応用数学〉。  第2章「物質設計の数理」、2.4(a) Hellmann-Feynman 力の節。

関連項目

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