キ・ツ・イ

「キ・ツ・イ」
玉置浩二シングル
初出アルバム『安全地帯/玉置浩二 ベスト
B面 「“Hen”」
リリース
規格
ジャンル
時間
レーベル Kitty Records
作詞 松井“お月様”五郎
作曲 玉置“流れ星”浩二
プロデュース 玉置浩二
チャート最高順位
  • 7位(オリコン[1]
  • 1989年度年間64位(オリコン)
  • 6位(ザ・ベストテン)
玉置浩二 シングル 年表
All I Do
1987年
キ・ツ・イ
(1989年)
氷点
(1989年)
玉置浩二関連のシングル 年表
微笑みに乾杯
(1988年)
キ・ツ・イ
(1989年)
「氷点」
(1989年)
安全地帯/玉置浩二 ベスト 収録曲
EANコード
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キ・ツ・イ」は、日本のシンガーソングライターである玉置浩二の楽曲。

1989年1月25日Kitty Recordsから2枚目のシングルとしてリリースされた。前作「All I Do」(1987年)より1年半ぶりとなるシングルであり、作詞は松井“お月様”五郎、作曲およびプロデュースは玉置“流れ星”浩二が担当している。

玉置のパワフルなボーカルや女性コーラスを重用している点を特徴とした楽曲であり、玉置自身が出演したTBS系テレビドラマ『キツイ奴ら』(1989年)の主題歌として使用された。オリコンシングルチャートでは最高位7位となった。本作はオリジナル・アルバムには未収録となり、ベスト・アルバム安全地帯/玉置浩二 ベスト』(1994年)においてアルバム初収録となった。

背景

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6枚目のアルバム『安全地帯VI〜月に濡れたふたり』(1988年)リリース後、安全地帯は同年4月より7月23日香港コロシアムまで「MIASS CONCERT 安全地帯VI」と題したコンサートツアーを17都市全24公演にて実施[2]。同年8月24日にはフジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』(1985年 - 1989年)に出演、「より良い音楽をやりたいので、少しの間だけ時間を下さい」と安全地帯の活動休止を発表した[3]。翌日にはシングル「微笑みに乾杯」(1988年)をリリースし、同作を以って8月25日に安全地帯は活動休止となった[2]。この活動休止に対し、矢萩渉は「それでもなにかやり残しているという閉塞感を残した」とコメントしている[4]。安全地帯メンバーはこの後2年間それぞれがソロ活動を行うこととなった[3]

音楽性と歌詞

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ベスト・アルバム『ALL TIME BEST』(2017年)の楽曲解説では、本作において玉置のボーカルがパワフルで全開である点や、前作「All I Do」(1987年)に引き続き女性コーラスが重用されている点が特徴的であると表記されている[5]

リリース、メディアでの使用

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本作は1989年1月25日Kitty Recordsより7インチレコードおよびカセットテープ8センチCDの3形態でリリースされた。本作はオリジナル・アルバムには未収録となったが、本作を含めて5枚目のシングル「行かないで」(1989年)まで、オリジナル・アルバムに収録されないシングルのリリースが続くこととなった。

本作は玉置が出演したTBS系テレビドラマ『キツイ奴ら』(1989年)の主題歌として使用された[6][7]。同ドラマのタイトルは当初、「ワルい奴ら」となる予定だったが、本作を大変気に入った演出家の久世光彦によりドラマのタイトルが変更された。同ドラマ内において玉置は共演した俳優の小林薫とともに流し役を演じ、ロック歌謡曲演歌などを披露、玉置による歌唱がドラマの見どころの一つとなっていた[5]

チャート成績、ライブ・パフォーマンス

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本作はオリコンシングルチャートにおいて最高位7位、登場週数は14回で売り上げ枚数は14.6万枚となった[1]。本作の売り上げ枚数は玉置のシングル売上ランキングにおいて3位となった[8]2022年に実施されたねとらぼ調査隊による玉置のシングル曲人気ランキングでは5位となった[9]

1989年2月9日放送のTBS系音楽番組『ザ・ベストテン』(1978年 - 1989年)では第10位で初登場となり、2月23日放送分では最高位となる6位を獲得、6週に亘ってランクインした[10]。安全地帯での出演後期において、玉置はクールなキャラクターから3枚目のキャラクターへと変化しており、コーラス担当のAMAZONSから「タマちゃん」と呼ばれていることが判明するなど、番組上のトークにも慣れている様子が窺えた[10]。同年2月20日放送の日本テレビ系音楽番組『歌のトップテン』(1986年 - 1990年)では第8位で初登場となり、ランクインは2週連続となった。テレビ番組の出演時にはパーカッション担当のBaNaNaコーラス担当のAMAZONS、サックス担当のYU・KA・RIがサポート・ミュージシャンとして共演していた[注釈 1]。コーラスグループのAMAZONSは、当時松任谷由実久保田利伸のコンサートツアーにも参加していた[5]。90年代中盤以降、本作がライブで演奏される機会は少なかったが、久世が死去した2006年のコンサートツアーにて久しぶりに披露された。

カバー

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  • 李克勤英語版 - 広東語バージョン、「突然」のタイトルでアルバム『Purple Dream』(1989年)に収録。

シングル収録曲

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レコード、CD版
全作詞: 松井“お月様”五郎、全作曲: 玉置“流れ星”浩二
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.キ・ツ・イ松井“お月様”五郎玉置“流れ星”浩二
2.“Hen”松井“お月様”五郎玉置“流れ星”浩二
合計時間:
カセットテープ版
A面
全作詞: 松井“お月様”五郎、全作曲: 玉置“流れ星”浩二。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.キ・ツ・イ松井“お月様”五郎玉置“流れ星”浩二
2.“Hen”松井“お月様”五郎玉置“流れ星”浩二
合計時間:
B面
全作曲: 玉置“流れ星”浩二。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.キ・ツ・イ(オリジナル・カラオケ) 玉置“流れ星”浩二
2.“Hen”(オリジナル・カラオケ) 玉置“流れ星”浩二
合計時間:

リリース履歴

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No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1989年1月25日 Kitty Records 7インチレコード
カセットテープ
8センチCD
7DS0210
10CS0195
H10K-30020
7位
2 2017年7月19日 USM JAPAN デジタル・ダウンロード - -

収録アルバム

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「キ・ツ・イ」
「"Hen"」
  • 『EARLY TIMES〜KOJI TAMAKI IN KITTY RECORDS』(1997年)
  • 『ゴールデン☆ベスト 玉置浩二 アーリー・タイムズ・プラス』(2003年)

脚注

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注釈

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  1. ^ バックアップするメンバーの名前もクレジットされていたが、ザ・ベストテンで披露される際、YU・KA・RIの姿がないときにもクレジットされていることがあった。

出典

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  1. ^ a b オリコンチャート・ブック アーティスト編 1997, p. 200.
  2. ^ a b 志田歩 2006, pp. 90–91- 「第5章 初心にかえろう」より
  3. ^ a b 『ALL TIME BEST』収録楽曲解説”. ユニバーサルミュージックジャパン公式サイト. ユニバーサルミュージック. 2023年1月15日閲覧。
  4. ^ 志田歩 2006, p. 92- 「第5章 初心にかえろう」より
  5. ^ a b c 玉置浩二ソロデビュー30周年記念初のオールタイムベスト 2017年5月31日発売!!”. otonano. ソニー・ミュージックマーケティングユナイテッド. 2023年2月12日閲覧。
  6. ^ キツイ奴ら - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2023年2月19日閲覧。
  7. ^ 玉置浩二&安全地帯、オールタイム・ベストをリリース”. CDジャーナル. 音楽出版社 (2017年2月28日). 2022年6月10日閲覧。
  8. ^ 玉置浩二のシングル売上TOP19作品”. オリコンニュース. オリコン. 2023年2月12日閲覧。
  9. ^ 「玉置浩二」シングル曲人気ランキングTOP26! 1位は「メロディー」【2022年最新投票結果】(4/6)”. ねとらぼ調査隊. アイティメディア. p. 4 (2022年7月9日). 2023年3月11日閲覧。
  10. ^ a b 別冊ザテレビジョン 2004, pp. 170–171- 「1989年」より

参考文献

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  • 『オリコンチャート・ブック アーティスト編 全シングル作品 昭和43年 - 平成9年<30年>』オリコン、1997年12月11日、200頁。ISBN 9784871310413 
  • 「ザ・ベストテン~蘇る! 80'sポップスHITヒストリー~」『別冊ザテレビジョン』カドカワムック No.210、角川書店、2004年12月20日、170 - 171頁、ISBN 9784048944533、雑誌62482-12。 
  • 志田歩『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』雲母書房、2006年4月30日、90 - 92頁。ISBN 9784876722006 

外部リンク

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