大木民夫

おおき たみお
大木 民夫
プロフィール
本名 大木 多美男
(読み同じ)[1]
性別 男性
出身地 日本の旗 日本東京府(現:東京都[2]
死没地 日本の旗 日本
生年月日 (1928-01-02) 1928年1月2日
没年月日 (2017-12-14) 2017年12月14日(89歳没)
血液型 O型[3]
職業 声優俳優ナレーター
事務所 マウスプロモーション(最終所属)
配偶者 あり[4]
公称サイズ(時期不明)[2]
身長 / 体重 160 cm / 50 kg
活動
活動期間 1946年 - 2016年
声優活動
活動期間 1950年代 - 2016年
ジャンル アニメゲーム吹き替えナレーション
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

大木 民夫(おおき たみお、1928年1月2日[1] - 2017年12月14日[5])は、日本声優俳優ナレーターである。マウスプロモーションに所属。

長年声優として活躍したことで、その声は幅広い年代に親しまれていた[6]。主な出演作に『X-MEN』シリーズ(プロフェッサーX)、『フランダースの犬』(コゼツ旦那)、『あしたのジョー2』(白木幹之介会長)、『トップをねらえ!』(タシロ艦長)、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス』(荒巻大輔)、『交響詩篇エウレカセブン』(ケンゴー)、『ジョジョの奇妙な冒険』(トンペティ)、『planetarian 〜星の人〜』(星の人)、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(ターキン総督)などがある[7][8][9][10][6]

来歴

東京府(現:東京都)出身[1][2]第二次世界大戦中にナチスの高官が来日した際、学徒動員により歓迎の日の丸の旗を振りに行ったこともある[11]

1946年NHK放送劇団第2期研究生を皮切りに演劇界へ入り、ラジオ東京放送劇団(1952年)、東京俳優生活協同組合1969年)を経て、1972年に江崎プロダクション(現:マウスプロモーション)へ所属。以後、亡くなるまで在籍していた。

初期はラジオドラマテレビドラマを中心に活動。この頃、当時大学4年生の倉本聰が書いたラジオドラマ『この太陽』に加藤治子と2人で主役を演じたり[12]1955年からTBSテレビで放送開始された特撮時代劇『猿飛佐助旅日記』では俳優として主演も務めた[13]

1950年代から、『不二家の時間』で放送された『ラマー・オブ・ジャングル』の主役(ジョン・ホール)や『西部の男パラディン』の主役(リチャード・ブーン)など海外ドラマ吹き替えに勤しむ。以降は声優としてさまざまな媒体に数多く出演。

1963年に設立された日本放送芸能家協会(現:日本俳優連合)の設立発起人195名の一人であり[14]、実際に融資に応じた発起人83名のうちの一人でもある[15]

80歳を超えても精力的に活動を続け、新海誠監督の『星を追う子ども』(2011年)や細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)などのアニメーション映画、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(2010年)や『ホビット 決戦のゆくえ』(2014年)といった劇場公開用の吹き替えに出演。しかし、晩年は足を悪くしており、2015年に収録した『小さな恋のメロディ』では座りながらの収録であった(この時87歳であった)[16]

2017年12月19日、同年12月14日に死去したことが発表された。89歳没。死因は非公表。葬儀は近親者で済ませた[17]。第12回声優アワードでは、特別功労賞に代えて同年度に死去した声優として他の物故者とともにを顕彰された[18]。この席上では名前だけでなく、事務所プロフィールの写真と代表作[注 1]がスクリーンに映し出され、大木のサンプルボイスの一つ『ふしぎ工房症候群』(ふしぎ工房の老人)の音声が会場内で流された。

特色

アテレコ草創期から活動。キャリア最初期は主演が多かったが、後に脇へまわり重要な役どころを演じるようになった[19]

声自体は太くないがしゃべり方に威厳があり、敵味方および役柄を問わず権力者を担当することが多い[19]B級作品の出演では「威厳あるしゃべり方で映画の質を少しばかり上げることに貢献している」と評されることがあった[19]

洋画ではランドルフ・スコットの西部劇、ロバート・デュヴァルマックス・フォン・シドージョージ・C・スコットロイド・ブリッジスクリストファー・プラマーシーザー・ロメロなどの渋い個性派やピーター・カッシングクリストファー・リーヴィンセント・プライスなどの怪奇スターの吹き替えまで数多くの作品で担当している。

ディズニー作品ではアニメ、実写問わず吹き替えに起用されることが多かった。1977年劇場公開の『星の国から来た仲間』(デラニアン役)から2014年劇場公開の『ベイマックス』(フレッドの父親役)まで、49歳から86歳の長期間にわたりディズニーの吹き替えに携わった。大木が出演した『美女と野獣 ベルのファンタジーワールド』や『ターザン』、『ビアンカの大冒険』(ソフト版)で制作監修を務めた当時ディズニー・キャラクター・ボイス・インターナショナル岡本企美子[20]は、大木が亡くなった際に「上品で重厚で知的な演技をありがとうございました。大木さんが出るだけでその作品に安定が生まれました。」とツイートしている[21]

アニメ・ゲームにおいては、前記のように権力者を担当することが多く主役を演じる機会がなかったが、80歳を過ぎた2014年に発売されたゲーム『レオズ・フォーチュン』(レオ・ポンド役)や、2016年に公開された劇場アニメ『planetarian 〜星の人〜』(星の人役)においてそれぞれ主人公を演じた。

人物

趣味書道。大木の妻は書道教室を開いており、ミュージシャン川久保秀一がかつて通っていた[4]

オペラ(イタリアオペラ)に造詣が深く、その知識も豊富なものであった[22][23]

仕事に対する姿勢

プロ意識が高く、2011年に「声優としてどのジャンルの(吹き替えの)仕事が好きですか?」と聞かれた際は「全て。プロですから。」と答えている[24]

生前は生涯現役の意向を持っており、『ふしぎ工房症候群』のインタビューでは願い事をするならば「死ぬ迄仕事を続ける事」と答えている[25]。また同作品の第7弾『風の軌跡』のアフレコ現場の雰囲気について、「自信・不安を抱えたら、スタジオに入り、テストの開始を待つ緊張感はいつも楽しいものです。『風の軌跡』は、重い、深いテーマを持ったドラマだけに、出演者一同、いつも以上の周到な準備と、「我こそ」という気概を感じたのは小生だけではないでしょう。」とコメントしている[26]

人物評

同年代の大塚周夫はインタビューを受けた2009年当時、現役でアテレコをやっている80代で芝居を真剣に勉強してきた役者の一人に大木の名前を挙げていた[27]

神谷明によれば、共演者に対して優しかったが、自身の仕事に対しては厳しく言葉を大事に演じていたという[28]

俺がハマーだ!』で共演した同年代の羽佐間道夫は、「言葉が実に明確で、テンションが実に安定している。安心して聴ける」と評している。また大木は「正確なしゃべり方」をしていたと言い、崩すということはなかったという[29]

ボードウォーク・エンパイア』で共演した多田野曜平は、「すごいパワフル。大勢いる声優陣の中でも一番声量がある」と語っており、同作品のオススメポイントの一つに大木の演技を挙げている[30]。また別のインタビューでは「大先輩の大木民夫さんは、主役はやったことがないけれど、常に主役を食っちゃう実力の持ち主。」と語っている[31]。ほかにも井上和彦は「小さな体からものすごい声量で、常に圧倒されました」[32]桐本拓哉は「高齢だったが自身より声量も滑舌もしっかりしていた」[33]、アニメーターの益山亮司は「アフレコ現場でお見掛けした時は一番年長者であるにもかかわらず、誰よりも発声のある声でした」[34]と言い、東地宏樹は大木のことを「小さな巨人」と呼んでいた[35]

同じ事務所の後輩の松本忍は、Twitter上で「(声帯的に)声優の寿命はどれくらいだと思いますか?」という質問に対して、「寿命は無いと思います。お亡くなりになる少し前の大木民夫さんと現場御一緒した事あったのですが、喋りだすと誰よりも声が大きく凛としていらっしゃいました。」と回答している[36]

五十嵐麗は大木と共演した際、大木が演じるような役をやりたいと思ったとインタビューに答えている[37]

中村悠一は大木が亡くなった際に「大木さんの仕事への姿勢は本当に好きだった。もっとご一緒したかった。」とツイートしている[38]。のちに自身がメインMCを務める『わしゃがなTV』にて、中村のWikipediaを取り上げる際に大木について言及している。どういう姿勢が好きだったのかについて中村は「どの年齢になられても、ベーシックな声優のやらなきゃいけないことを全部完璧にやってくる」ことを挙げている。通常、年齢によって反射神経が衰え、画面から演技がずれていくが大木にはそのような現象がなかったといい、「何度も見たり、そのタイミングを覚えてきたりする」ことを話し、その姿勢を「プロ意識の高さ」と評した。また物腰もすごく丁寧で言い間違えも絶対しなかったという。ほかにも「当時の若手達はみんな憧れていた」「先輩達が叱る時に引き合いに出していた」ことを語っている[39]

『ふしぎ工房症候群』の原作者竹内葵は、大木について「大ベテランのしっかりした役作りで作品に深みを加えていただけました。」と述べ、同作の一部で主演だった竹達彩奈は「いらっしゃるだけで重厚な存在感を感じました。おかげで、同年代の役者だけでは得られない緊張感を持って演じることが出来ました。」と発売記念イベントで語っている[40]

アークライズファンタジア』の企画スタッフは、音声収録の現場の思い出として大木に心底やられたといい、仕事柄、プロの耳を持っている録音エンジニアも、「すごかった。いい経験をさせてもらいました。」と嬉しそうに話していたのが印象的だったという。「美しいばかりか、優しさも、厳しさも、面白さも含まれている、筆舌に尽くしがたい声で、あの時間、あの場所にいた全員がほれていた。」と開発ブログに記している[41]

planetarian 〜星の人〜』で共演した小野大輔によると、大木は劇中の星の人が星空の魅力を語って聞かせるように、収録現場の休憩時間などにおいて自身のさまざまな体験を語って聞かせることがあり、監督の津田尚克も以前大木から話を聴く機会があったため、大木に星の人役をお願いしたという[42]。原作シナリオの涼元悠一は、大木の演技を「軽妙と重厚が同時に表現されていて、自然に心に染み入る語り口。感想がまとめられないレベルで凄い。」と評している[43]。映画文筆家の増當竜也は大木の演技に対して、淡々とした静かな声量の奥から伝わってくる威厳とそれゆえの説得力は、まさに人生の年輪を感じさせる素晴らしきものがあると評し、特に声優志望者がこういった“プロ”の仕事は努めて接しておくべきだと書き記した[44]

宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199』でフラーケン役の中田譲治は演じるにあたって、「オリジナルのときは大木民夫さんがやっていたので、光栄だなと思ったんです。」と述べている[45]

訃報が発表された際には、長年活動し数多くの作品に出演したことから、さまざまな世代の多くの声優や制作スタッフがブログやTwitterで追悼のコメントを寄せている。

エピソード

阪脩とは『攻殻機動隊』の荒巻大輔役や『ジョジョの奇妙な冒険』のトンペティ役、『コマンドー』のカービー将軍役など、同一の役を演じる機会が多い。『攻殻機動隊』に関しては、音響監督の若林和弘が「劇場版のとき(大木が演じた荒巻)は、もうすぐ定年でパワーが落ちてきている方向だったが、テレビアニメ版(阪が演じた荒巻)は現役バリバリという方向だったため」と大木と阪の起用の違いを述べている[46]。なお、テレビアニメ版で大木は『S.A.C. 2nd GiG』の18話に出演、主人公の素子とバトーが参加したチームの指揮官ローランドを演じた。他にも久米明ハンフリー・ボガートの吹き替え、『ダラス』のジョン・ロス・ユーイング役、『タイタニック』のE・J・スミス船長役など)や川久保潔(『ロードス島戦記』のウォート役、『ポリスアカデミー』のエリック・ラサール校長役、『小さな恋のメロディ』の校長先生役など)とも同一の役を演じることがある。

千葉耕市とはラジオ東京放送劇団以来の友人であり、千葉の死後に『勇者王ガオガイガーFINAL』でペイ・ラ・カイン役を引き継いでいる。また、晩年は同年代の故人となった声優の持ち役を引き継ぐ機会が多く、前任者と作品は以下の通りである。

前任 役名 作品 大木の初出演 担当年
千葉耕市 ペイ・ラ・カイン 『勇者王ガオガイガーFINAL』 FINAL.06 2002年
宮内幸平 アルムおんじ アルプスの少女ハイジ チューリッヒ自動車保険のCM 2006年
早野寿郎 アントン・カリディアン 宇宙大作戦 殺人鬼コドス デジタルリマスター版追加録音部分 2008年
高塔正翁 エイルボーン 『宇宙大作戦 クリンゴン帝国の侵略』
寺島幹夫 ザリス 『宇宙大作戦 惑星アルギリスの殺人鬼』
宮川洋一 オデイン 『宇宙大作戦 長寿惑星ギデオンの苦悩』
青野武 雨柳堂主人 雨柳堂夢咄 モーションコミック版 2010年
北村弘一 ヤギ画伯 それいけ!アンパンマン 2012年
柏崎念至 るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 新京都編』
家弓家正 サルマン[注 2] ホビット三部作 ホビット 決戦のゆくえ 2014年

出演作品に関して

スター・ウォーズシリーズハリー・ポッターシリーズでは、映画の吹き替えとゲームで逆の立場の人物を担当している。スター・ウォーズシリーズでは、映画は初代デス・スターの司令官グランド・モフ・ウィルハフ・ターキン(ソフト版・日本テレビ新録版)と銀河帝国皇帝(EP5:日本テレビ版)を、ゲームはジェダイの騎士であるオビ=ワン・ケノービ を演じた。ハリー・ポッターシリーズでは、ゲームはホグワーツ魔法魔術学校の校長アルバス・ダンブルドア[注 3]、映画はかつての闇の魔法使いでダンブルドアに倒されたゲラート・グリンデルバルドを演じた。

ナレーションの仕事も多い大木だが、アニメ『砂ぼうず』にてナレーションを担当した際はその文に戸惑いがあったといい、初回のとある話数のアフレコ終了後「こんなバカなナレーションでいいんでしょうか……?」と不安そうに監督につぶやいたこともあったという(これに対し監督は「おバカアニメですから……。」と答えた)[47]。また『砂ぼうず』の5話と6話においては、村長役として西村知道がゲスト出演していたため、次回予告は『トップをねらえ!』のタシロ艦長(大木)と副長(西村)との名台詞のパロディ (「撃って撃って撃ちまくれ!」、「なんてこった!」など)になっていた[48]

ロードス島戦記』の現場において兵士役で出演し当時新人だった置鮎龍太郎 は、カシュー王役の池田秀一がロビーにいた大木に対して「大木先輩〜!」と呼んでいるのになぜか感動したという[49]。また『ロードス島戦記』は後年に発売された『ロードス島戦記 邪神降臨』でキャストの一新が行われたが、唯一ウォート役の大木のみ続投した。

劇場アニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)を一部リニューアルした『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』(2008年)において、再び荒巻大輔を演じるため台本を受け取ったときには、「13年前に、やり残したことがある…」と発言している[50]。『おおかみかくし』のキャストコメントでは、演じた櫛名田重三役について、「狂燥と沈静、その落差の大きいコト!それをうまくコントロールしていけるか。 しかし『難しい役』とは「やりがいのある役」。」と語っている[51]

ジョジョの奇妙な冒険』で演じたトンペティ役については、ゲームの発売記念コメントで「『トンペティの目線→音声。眼力→台詞の強さ。目色→性格』でセリフを進めて行こうと思いましたが、想像を絶したキャラクターを持つ彼に、はね返されてしまったようです。」と述べている[52]

代役・後任

2012年頃より、一部の役を降板している。その後大木は病気療養に入り、2017年に死去した。それらに伴う代役・後任は以下の通り。

後任 役名 作品 後任の初出演 担当年
広瀬正志[注 4] スパッツ・コロンボ[53] お熱いのがお好き WOWOW追加収録部分 2012年
銀河万丈 魔法の鏡 白雪姫 ディズニー・オン・アイス デア・トゥ・ドリーム
永井一郎[注 5] 死神博士 ドリームハンター麗夢 超ヒロイン戦記 2014年
小形満 ターキン総督 スター・ウォーズシリーズ スター・ウォーズ 反乱者たち 2015年
伊藤和晃 ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 2016年
樋浦勉 ルー・マンハイム ウォール街テレビ朝日 WOWOW追加収録部分
平野俊隆 マシドラ テイルズ オブ ゼスティリア テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス 2017年
阪脩 ホルテンヴァッサー FはFamilyのF シーズン2
麦人 プロフェッサーX[注 6] X-MENシリーズ LOGAN/ローガン
永石定嗣[54] CAT'S EYE ルパン三世VSキャッツ・アイ 2023年
岩崎ひろし テルヒ・クゼミ 交響詩篇エウレカセブン 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション 2017年
高桑満 フレッドの父親[注 7] ベイマックス ベイマックス ザ・シリーズ 2018年
大塚芳忠 ギルデンスタン 鬼武者 『鬼武者 HDリマスター』
上別府仁資 ユリウス・ロゼマイヤー将軍 荒鷲の要塞日本テレビ新版 ムービープラス追加収録部分 2021年
間宮康弘 魔法の鏡 『白雪姫』 ミッキーマウスのワンダフルワールド

『白雪姫』の魔法の鏡役は『ファンタズミック!』(2011年)まで、『ドリームハンター麗夢』の死神博士役は『NEWドリームハンター麗夢 殺戮の夢幻迷宮』(1992年)まで、『スター・ウォーズ・シリーズ』のターキン総督役は『アニメクローン・ウォーズ』(2011年)まで、『X-MEN』シリーズのプロフェッサーX役は『X-MEN: フューチャー&パスト』(2014年)まで、『交響詩篇エウレカセブン』のクゼミ役は 『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』(2009年)まで担当していた。

「スター・ウォーズ・シリーズ」のターキン総督の吹き替えは上記のとおり降板しているが、ピーター・カッシング(EP4『新たなる希望』のターキン総督役)の吹き替えは『ホラー・エクスプレス/ゾンビ特急地獄行』(2015年)において担当している。当時87歳の大木がキャスティグされた理由として、BD発売元である株式会社スティングレイ代表であり、同作品の日本語吹替プロデューサーでもある岩本克也は、「かつての洋画劇場の雰囲気を出したかったので、極力当時活躍されていた方をキャスティング。ピーター・カッシングには何度もアテられている大木民夫氏。」と述べている[55]。2018年に同社のBDの販売が終了する際、Twitterでは、本ソフト一番の特典は大木も出演した「完全新録日本語吹替」であると記した[56]。本作の吹き替えが製作された過程として、1977年に『水曜ロードショー』にて放映が予定されていた本作だったが、放映はされなかった[56]。BDをリリースするにあたってその未製作の吹き替えを再現すべく、新録で吹き替えが作られた。通常、この規模の旧作を新録で吹き替えを作ることはなく、担当の暴走であったという[57]。キャスティングには難航したが、リー佐々木勝彦、カッシング=大木、サヴァラス森山周一郎という完全な布陣が実現できたのは奇跡のようで、この吹き替えを作るために、本作をリリースしたと言っても過言ではなかったという[58]

出演

太字はメインキャラクター。

ラジオドラマ

  • 剣に生きる人々 柳生但馬守と沢庵和尚(新日本放送
  • この太陽(新日本放送)
  • KR劇(ラジオ東京
    • ある晴れた日に(1952年6月18日)
    • 哀愁日記(1954年)
    • 別れた女(1954年2月14日)
    • 思出の記(1954年10月)
    • 虞美人草(1954年12月)
    • 新選組(1955年1月4日)
    • 哀愁日記 19(1955年1月6日)
    • 七つの顔の銀次 1(1955年1月19日)
    • ある晴れた日に(1955年1月)
    • 金色夜叉(1955年)
    • 薔薇(1955年3月6日)
    • ぬかるみ(1955年3月20日)
    • 六つのナポレオン(1955年5月9日)
    • 離魂記(1955年5月31日)
    • 花は嘆かず 51 運命とは(1957年7月19日)
    • 花は嘆かず 55 またも悲しき(1957年8月16日)
    • 直助権兵衛(1961年10月22日)
  • KR 坊ちゃん 4(1952年、ラジオ東京)
  • 連続放送劇(ラジオ東京)
    • 聖徳太子 第14回(1953年、ラジオ東京[59]
    • ただひとりの人(1956年)
    • あなたの胸に(1956年)
  • KR実験劇場 竜の娘(1953年2月15日、ラジオ東京)
  • ラジオコメディ 或る思春期(1953年10月27日、ラジオ東京[60]
  • 青空のはてに -KR放送劇団のために-(1954年、ラジオ東京)
  • KR児童劇 少年探偵団(1954年、ラジオ東京) - 中村善四郎
  • KRコメディ(ラジオ東京)
    • 老いらくのランデブー(1954年2月22日)
    • 聖なる夫(1954年9月24日)
    • 河童と話をした男(1954年11月5日)
    • 恐妻電話(1955年3月10日)
    • 姫君と足軽(1955年7月28日)
  • KR歌謡物語 湯の町月夜(1954年4月28日、ラジオ東京)
  • KR銭形平次捕物控 腰抜け弥八(1955年2月、ラジオ東京)
  • KR小説(ラジオ東京)
    • 良人の貞操(1955年)
    • 蜜柑(1955年5月18日)
    • 鼠小僧次郎吉(1955年5月)
    • 奇怪な再会(1955年)
  • KR ろまん灯籠(1955年6月、ラジオ東京)
  • KR 杜子春(1955年6月、ラジオ東京)
  • KR お富の貞操(1955年6月、ラジオ東京)
  • KR浪曲劇 河童(1955年6月、ラジオ東京)
  • KR空中劇場(ラジオ東京)
    • 街の子(1955年6月28日)
    • 山月記(1955年9月)
    • カッパのラッパ(1960年2月27日)
    • 詩劇「はにわの女」(1960年4月9日)
    • 飼育(1960年11月5日)
  • KR ボーナスの行方(1955年7月19日、ラジオ東京)
  • KR 若き日の悩み(1955年7月、ラジオ東京)
  • KRオー・ヘンリー物語7 バラと暗号とロマンス(1955年8月22日、ラジオ東京)
  • KR テレビ時代(1955年9月13日、ラジオ東京)
  • KR芸術祭参加放送劇 いのちの声々(1955年11月29日、ラジオ東京)
  • 連続コメディ 東京チャキチャキ娘 フランスはあまりに通しの巻(1956年6月11日、ラジオ東京[61]
  • こどもマンガ劇場 ビリー・パック(1957年、ラジオ東京)
  • KR 音楽劇・愛の季節(ラジオ東京)
    • 遠い花火 1(1958年7月4日)
    • 遠い花火 2(1958年7月11日)
    • 遠い花火 3(1958年7月18日)
    • 遠い花火 4(1958年7月25日)
  • お茶の間劇場 阿部一族(1959年) - 林外記
  • こども名作劇場 弥次喜多珍道中(1959年) - 栃面屋弥次郎兵衛
  • シブチン人生(1959年、ラジオ東京)
  • KRスリラー劇場(ラジオ東京)
    • 知らなかった目撃者(1959年10月14日)
    • 沼垂の女(1959年11月11日)
    • 石榴(1959年11月25日)
    • さらばいとわしきものよ(1959年12月2日)
    • 春の足音(1960年3月2日)
    • 押絵と旅する男(1960年4月20日)
    • 運命を運ぶ者(1960年5月18日)
    • 女人焚死(1960年5月25日)
    • ほくろのある男(1960年6月1日)
    • ある門出(1960年9月28日)
  • 影を売った浪人(1959年10月29日、ラジオ東京)
  • ゼロの秘密(1960年 - 1962年、ラジオ東京)
  • KR芸能ホール 架空街頭録音(1960年3月21日、ラジオ東京)
  • KR山本周五郎アワー 四日のあやめ(1960年4月14日、ラジオ東京)
  • KR芸能スタジオ ミュージカルドラマ アロハオエ(1960年7月25日、ラジオ東京)
  • KR夏の夜の贈りもの 白い火炎(1960年8月16日、ラジオ東京)
  • KR遺書配達人 墓標(1960年11月23日、ラジオ東京)
  • 歌ものがたり 埴生の宿(1961年1月27日、ラジオ東京)
  • KR 芸術祭参加劇 夜の潮(1961年11月26日、ラジオ東京)
  • KRドラマ自由席 あなたのそばに麻薬が(1962年2月4日、TBSラジオ
  • 佳子は七つ、ガンで死んだ(1962年11月28日、TBSラジオ)
  • 戦国忍法帖(1963年、TBSラジオ) - 織田信長
  • KRラジオ劇場 怪談宋公館(1964年8月2日、TBSラジオ)
  • 交響絵巻 くもの糸(1964年10月10日、TBSラジオ)
  • LFラジオ劇場 赤いメイフラワー(1969年10月5日、ニッポン放送
  • ラジオのための作品 夕日をしるべに(1969年11月9日、文化放送
  • アシモフ・ミステリーサロン 黒後家蜘蛛の会 第14話「明白な要素」(1982年1月8日、NHK-FM) - ヴォス・エルドリッジ
  • FMアドベンチャー 渇きの海(1984年、NHK-FM) - インタープラネット・ニューズ社のスペンサー記者
  • KRラジオ図書館・劇画特集1 ザ・シェフ(1987年4月5日、TBSラジオ)
  • ミッド☆ナイト あすかチャンネル X キャラクターファイル4 NATAKU & ARASHI(1996年、TBSラジオ) - 塔城
  • 押井守シアター ケルベロス鋼鉄の猟犬(2006年 - 2007年、文化放送) - フリードリヒ・オルブリヒト中将
  • FMサウンドシネマ ダーティペア91(2007年、fm-osaka) - 羽柴秀闇
  • 武装中学生 サトシ編 第一話「なくしたチャンス」(2012年10月11日) - 園部理人[62]

テレビアニメ

年度不詳
1968年
  • わんぱく探偵団中村警部 #1, 3 - 16, 18, 22 - 24, 30 - 35、老人 #17、鏡吾平 #19, 20)
1969年
1970年
1971年
1972年
1973年
1974年
1975年
1976年
1977年
1978年
1979年
1980年
1981年
1982年
1983年
1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年

OVA

1986年
1987年
1988年
1989年
  • 銀河英雄伝説(ラザール・ロボス #12, 14, 15)
  • プロジェクトA子 完結篇(防衛軍司令)
1990年
1991年
1992年
1993年
1995年
1996年
1997年
1998年
2000年
  • 銀河英雄伝説外伝 第三次ティアマト会戦(ラザール・ロボス #25, 26)
  • 鋼鉄天使くるみ(将軍)
  • sin THE MOVIE(ドクター・ダニエル)
2002年
2004年
2008年
2011年

劇場アニメ

1980年
1981年
1982年
1986年
1987年
1988年
1991年
1993年
1995年
1996年
1997年
1999年
2000年
2002年
2003年
2004年
2006年
2008年
  • GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0(荒巻大輔[164]
2009年
2011年
2012年
2013年
2016年

Webアニメ

ゲーム

1992年
1993年
1994年
  • 鉄拳(王椋雷)※ノンクレジット
  • ロードス島戦記 英雄戦争(ウォート、村長)
1995年
  • キリーク・ザ・ブラッド2(バイフロス)
  • 鉄拳2(王椋雷)※ノンクレジット
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
  • Kinect ラッシュ: ディズニー/ピクサー アドベンチャー(チャールズ・F・マンツ)
2013年
2014年
2015年
2016年
2019年

パチンコ・パチスロ

2007年

  • 2027(東郷正次郎、おやっさん〈大屋竜男〉)

2009年

2013年

吹き替え

担当俳優

アルバート・ポールセン
  • スパイ大作戦 #2「売国奴を粛正せよ」(ジョセフ・バレシュ / 1967年)
  • スパイ大作戦 #31「地下よりの脱出」(エリック・スタバック / 1967年)
  • 刑事スタスキー&ハッチ シーズン1 #14(トム・ロックリー / 1978年)
  • ナイトライダー シーズン3 #16「謀略!デトロイト・マフィア!死の19番ホール」(ミスターC / 1988年) 日本放送第42話
イアン・バネン
イアン・マッケラン
イアン・リチャードソン
  • リメンバー〜危険な愛の追憶〜(フィリップ・ローリングス / 年度不詳)
  • 102(トート / 2001年)
  • フロム・ヘル(チャールズ・ウォーレン卿 / 2005年) ※テレビ東京版
ヴィンセント・プライス
ヴォルフガング・プライス
クリストファー・プラマー
クリストファー・リー
サム・ワナメイカー
シーザー・ロメロ
ジェームズ・クロムウェル
ジェームズ・トールカン
ジェイソン・ロバーズ
J・D・キャノン英語版
  • インベーダー #1「恐怖の侵入者」(ホルマン警部[195] / 1967年)
  • インベーダー2 #37「消えた麻薬」(コルター[196] / 1969年)
  • レイズ・ザ・タイタニック(ジョー・バーク船長 / 1982年) ※フジテレビ版(キングレコードのDVD・Blu-ray収録)
  • レイズ・ザ・タイタニック(ジョー・バーク船長 / 1982年) ※LD版(キングレコードのDVD・Blu-ray収録)
  • ロサンゼルスニューヨーク検事 / 1984年) ※日本テレビ版
ジェフ・コーリー
シャルル・ボワイエ
ジョージ・ゲインズ
ジョージ・C・スコット
ジョージ・マクレディ英語版
ジョージ・ラフト
ジョン・ギールグッド
ティム・オコナー英語版
  • 新スタートレック #119「究極のパートナー」(ブリアム大使 / 年度不詳)
  • スペース・レイダース英語版エリアス・ヒューア博士 / 1982年)
  • ナイトライダー シーズン2 #2「刑務所脱獄!復讐の時限爆弾を探せ!」(特別捜査班部長フィリップ・ハント / 1987年) 日本放送第2話
ドナルド・プレザンス
ドン・アメチー
ナイジェル・ホーソーン
ノーブル・ウィリンガム
ノエル・ウィルマン英語版
ハリー・モーガン
ハリス・ユーリン
ハル・ホルブルック
ハンフリー・ボガート
ピーター・カッシング
ピーター・ボイル
フェルナンド・レイ
フリッツ・ウィーヴァー
  • スパイ大作戦 #3「大量殺戮者」(イムリー・ロガシュ / 1967年)
  • スパイ大作戦 #77「幻の殺人」(エミール・スカーベック / 1969年)
  • デモン・シードアレックス・ハリス博士 / 1980年)
  • マラソンマン(ビーゼンタール教授 / 1980年)
ベン・キングズレー
ホセ・フェラー
マイケル・レニー
  • 0011ナポレオン・ソロ #73「カリブのクリヤキン」(バーナビー・パートリッジ / 年度不詳)
  • インベーダー #10「偽装の楽園」(マグナス[195] / 1967年)
  • タイムトンネル #1「過去との出会い」」/「タイタニック号の最期」(マルコム・スミス船長 / 1967年)
  • インベーダー2 #26「大量暗殺指令(前編)」・#27「大量暗殺指令(後編)」(アルキスト[217]) / 1969年)
  • 黒ばらエドワード王 / 1972年)
マックス・フォン・シドー
モーガン・ウッドワード
  • ザ・ルーシー・ショー #69「ジョン・ウェインと大西部劇」(ピアース / 1966年)
  • 宇宙大作戦2 #48「細菌戦争の果て」(トレーシー / 1973年)
  • 特攻野郎Aチーム #40「偽Aチーム出現」(キャプテン・ウィネトカ / 1986年)
リカルド・モンタルバン
リチャード・コンテ
リチャード・ハリス
リチャード・ブーン
レスリー・ニールセン
ロイド・ノーラン英語版
ロイド・ブリッジス
ロバート・デュヴァル

映画

年度不詳

1963年

1964年

1966年

1967年

1968年

1969年

1970年

1971年

1972年

1973年

1974年

1975年

1976年

1977年

1978年

1979年

1980年

1981年

1982年

1983年

1984年

1985年

1986年

1987年

1988年

1989年

1990年

1991年

1992年

1993年

1994年

1995年

1996年

1997年

1998年

1999年

2000年

2001年

2002年

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

ドラマ

年度不詳

未放映

1958年

1960年

1961年

1962年

1965年

1966年

1967年

1968年

1969年

  • 宇宙大作戦
  • スパイ大作戦
    • #55「奇跡のカムバック(PART 1)」(チャールズ・バックマン〈ロン・ランデル〉)
    • #56「奇跡のカムバック(PART 2)」(チャールズ・バックマン〈ロン・ランデル〉)
    • #65「スパイ交換作戦」(ドクター・ゴーリン〈ロバート・エレンスティン〉)
    • #72「地下百メートルの円盤(PART 1)」(将軍〈マーティン・コズレック〉)
    • #73「地下百メートルの円盤(PART 2)」(将軍〈マーティン・コズレック〉)
    • #97「暗殺路線」(クレメント大公〈バリー・アトウォーター〉)
  • 秘密指令S(ナレーション)
  • プリズナーNo.6 #8「死の筋書き」(ダトン〈アラン・ホワイト〉)

1970年

1972年

1973年

1974年

1975年

1976年

1977年

1979年

1980年

1981年

  • 赤い旋風ワンダーウーマン #20「すり替えられたヤング・アイドル」[286]

1982年

  • アメリカン・ヒーロー
    • #2「もう大変!!消えたジェット戦闘機とボク自身」(ヴァン・ケンプ)
    • #7「泣くなよ!FBI!!君は無冠の英雄」(クラレンス・カーター)
    • #18「熱中先生VS催眠術軍団!地獄へのシナリオ」(ヴィン・チャウ将軍)
    • #21「美女に迫る密林の斬首刑」(フィリップ・オジェロー)
    • #25「少女誘拐25万ドル事件」(マイケル・ファター)
    • #35「ラルフ結婚す!!(後編)」(マシュー・パワーズ)
  • 特捜班CI-5 #16「スパイ引き渡しに裏の裏があって当然なんだ」

1983年

1985年

1986年

1987年

1988年

1989年

1990年

1991年

1992年

1993年

1994年

1995年

1996年

1997年

1998年

1999年

2000年

  • 15の不思議な物語 #23「父と息子(前編)」・#24「父と息子(後編)」(トレント)
  • 捜査官クリーガン(ロナルド・ヒンクス教授〈イアン・マクダーミド〉)
  • となりのサインフェルド5 #26「大迷惑のメガネ騒動」・#40「奥サマはディスカウントに夢中」(レオ) ※WOWOW版
  • 名探偵ポワロ7 #47「エッジウェア卿の死」 ※NHK版

2001年

2002年

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年

  • 宇宙大作戦 デジタルリマスター版 ※追加収録部分
  • ミス・マープル2 #2「親指のうずき」(フィリップ卿)

2009年

2010年