藤井貞和
人物情報 | |
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生誕 | 1942年4月27日(82歳) 日本東京都 |
出身校 | 東京大学 |
学問 | |
研究分野 | 文学(日本文学) |
研究機関 | 東京学芸大学・東京大学・立正大学 |
藤井 貞和(ふじい さだかず、1942年4月27日[1] - )は、日本の詩人、日本文学者。文学博士(東京大学・論文博士・1992年)。東京大学名誉教授。専門は古代文学・中古文学・物語文学。
略歴
[編集]1942年、東京都生まれ[1]。1966年、東京大学文学部を卒業[2]。1972年、大学院人文科学研究科国語国文学専門課程博士課程単位取得満期退学[2]。
1972年より 共立女子短期大学専任講師。また、同年に『源氏物語の始原と現在』を発表して注目される。1975年より共立女子短期大学助教授[要出典]。1979年に東京学芸大学助教授[1]。1992年より同大教授。1992年には『物語文学成立史』を東京大学に提出して文学博士の学位を取得[要出典]。1995年より東京大学教養学部教授[2]。2003年、同大を定年退官し[2]、名誉教授となる[1]。退任後は、2004年より立正大学文学部文学科(日本語日本文学専攻コース)教授として教鞭をとった。2013年、同大を定年退官し、同大非常勤講師となる。2018年、同大非常勤講師を退任。[要出典]
人物
[編集]1991年、湾岸戦争の際の『鳩よ!』の戦争詩特集を批判した瀬尾育生と論争を行った。故郷すくなびこなをこよなく愛し、また無類のパンダ好きとしても知られる。
家族・親族
[編集]受賞・栄典
[編集]- 1999年:詩人として『「静かの海」石、その韻き』で第40回晩翠賞受賞[1]。
- 2001年:『源氏物語論』で角川源義賞受賞[3]。
- 2002年:『ことばのつえ、ことばのつえ』で藤村記念歴程賞と高見順賞受賞[1]。
- 2006年:『神の子犬』で現代詩花椿賞と現代詩人賞を受賞。
- 2007年:『甦る詩学』で伊波普猷賞。
- 2008年『言葉と戦争』で日本詩人クラブ詩界賞受賞[1]。
- 2012年:『春楡の木』で第3回鮎川信夫賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞[1]。
- 2022年:『よく聞きなさい、すぐにここを出るのです。』で第74回読売文学賞受賞[1][4]。
- 2023年:『よく聞きなさい、すぐにここを出るのです。』で日本芸術院賞[5]
著書
[編集]研究書・評論
[編集]- 『源氏物語の始原と現在』三一書房 1972/岩波現代文庫 2010
- 『釈迢空 詩の発生と「折口学」-私領域からの接近』国文社 1974/講談社学術文庫 1994
- 『深層の古代 文学史的批評』国文社 1978
- 『古日本文学発生論』思潮社 1978
- 『古典を読む本』日本ブリタニカ 1980
- 『古文の読みかた』岩波ジュニア新書 1984
- 『物語の結婚』創樹社 1985/ちくま学芸文庫 1995
- 『古典を読む本』三省堂 1987/改題「古典の読み方」講談社学術文庫 1998
- 『物語文学成立史 フルコト・カタリ・モノガタリ』東京大学出版会 1987
- 『「おもいまつがね」は歌う歌か 続・古日本文学発生論』新典社 1990
- 『物語の方法』桜楓社 1992
- 『源氏物語』岩波セミナーブックス 1993
- 『日本「小説」原始』大修館書店 1995
- 『源氏物語入門』講談社学術文庫 1996
- 『物語の起源 フルコト論』ちくま新書 1997
- 『詩の分析と物語状分析』若草書房 1999
- 『折口信夫の詩の成立 詩形/短歌/学』中央公論新社 2000
- 『国文学の誕生』三元社 2000
- 『源氏物語論』岩波書店 2000
- 『平安物語叙述論』東京大学出版会 2001
- 『物語理論講義』東京大学出版会 2004/改題「物語論」講談社学術文庫 2022
- 『甦る詩学「古日本文学発生論」続 南島集成』まろうど社 2007
- 『タブーと結婚「源氏物語と阿闍世王コンプレックス論」のほうへ』笠間書院 2007
- 『言葉と戦争』大月書店 2007
- 『日本語と時間―〈時の文法〉をたどる』岩波新書 2010
- 『文法的詩学』笠間書院 2012
- 『文法的詩学その動態』笠間書院 2015
- 『日本文学源流史』青土社 2016
- 『構造主義のかなたへ 『源氏物語』追跡』笠間書院 2016
- 『日本文法体系』ちくま新書 2016
- 『非戦へ 物語平和論』編集室水平線 2018
- 『〈うた〉起源考』青土社 2020
- 『物語史の起動』青土社 2022
- 『日本近代詩語』知の新書 2023
詩集・詩論
[編集]- 『乱暴な大洪水』思潮社 1976
- 『ラブホテルの大家族』書肆山田 1981
- 『日本の詩はどこにあるか 詩集』砂子屋書房 1982
- 『藤井貞和詩集』思潮社(現代詩文庫) 1984
- 『Purify! fujii sadakazu 1984;his poetical works』書肆山田 1984
- 『言問う薬玉』砂子屋書房 1985
- 『言葉の起源 近・現代詩小考』書肆山田 1985
- 『遊ぶ子供 織詩』思潮社 1986
- 『口誦さむべき一篇の詩とは何か 藤井貞和詩論集』思潮社 1989
- 『反歌・急行大和篇』書肆山田 1989
- 『ハウスドルフ空間』思潮社 1989
- 『ピューリファイ,ピューリファイ! 藤井貞和の詩』書肆山田 1990
- 『大切なものを収める家』思潮社 1992
- 『続・藤井貞和詩集』思潮社(現代詩文庫)1992
- 『湾岸戦争論 詩と現代』河出書房新社 1994
- 『「静かの海」石、その韻き』思潮社 1998
- 『パンダくるな』水牛 2001
- 『自由詩学』思潮社 2002
- 『ことばのつえ、ことばのつえ』思潮社 2002
- 『神の子犬』書肆山田 2005
- 『人間のシンポジウム』思潮社 2006
- 『詩的分析』書肆山田 2007
- 『うた―ゆくりなく夏姿する君は去り』書肆山田 2011
- 『東歌篇――異なる声』反抗社出版・カマル社発売 2011
- 『春楡の木』思潮社 2011
- 『人類の詩』思潮社 2012
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i “藤井貞和|令和4年度日本芸術院賞の授賞決定”. 日本芸術院. 2023年6月13日閲覧。
- ^ a b c d “大学院総合文化研究科の藤井貞和名誉教授が日本芸術院賞を受賞”. 東京大学. 2023年6月13日閲覧。
- ^ “『源氏物語論』(岩波書店刊) | 第23回(2001年)角川源義賞”. 公益財団法人 角川文化振興財団. 2023年6月13日閲覧。
- ^ 共同通信 (2023年1月31日). “読売文学賞に佐藤亜紀さんら 山内ケンジさん、沢木耕太郎さん | 共同通信”. 共同通信. 2023年2月1日閲覧。
- ^ 「日本芸術院賞に9人、恩賜賞に3人 能楽師・金剛永謹さんら」『日本経済新聞』2023年3月29日朝刊、社会1面。