日豊本線

日豊本線
シンボルマーク
日豊本線の特急「ソニック」 (2021年3月 朽網駅 - 苅田駅間)
日豊本線の特急「ソニック
(2021年3月 朽網駅 - 苅田駅間)
基本情報
通称 空港線(宮崎駅 - 南宮崎駅間)
日本の旗 日本
所在地 福岡県大分県宮崎県鹿児島県
種類 普通鉄道在来線幹線
起点 小倉駅
終点 鹿児島駅
駅数 112駅
電報略号 ニホホセ[1]
路線記号 JF(小倉 - 行橋間)
開業 1895年4月1日
全通 1932年12月6日
所有者 九州旅客鉄道(JR九州)
(第一種鉄道事業者)
運営者 九州旅客鉄道
(第一種鉄道事業者)
日本貨物鉄道
(小倉 - 佐土原間 第二種鉄道事業者)
使用車両 使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離 462.6 km(小倉 - 鹿児島間)
軌間 1,067 mm
線路数 複線(小倉 - 立石間、中山香 - 杵築間、日出 - 大分間)
単線(上記以外)
電化方式 交流20,000 V・60Hz,
架空電車線方式
閉塞方式 自動閉塞式
保安装置 ATS-SK
ATS-DK(2022年2月末現在、小倉-佐伯・延岡-田野間が対応)
最高速度 130 km/h[2]
路線図
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日豊本線(にっぽうほんせん)は、福岡県北九州市小倉北区小倉駅から大分駅延岡駅宮崎駅および都城駅を経由して、鹿児島県鹿児島市鹿児島駅までを結ぶ九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線幹線)である。

概要

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福岡県北九州市から大分県中津市大分市佐伯市宮崎県延岡市宮崎市などの東九州の主要都市を経由して九州東部を縦貫し、鹿児島県鹿児島市までを結ぶ路線であり、福岡市北九州都市圏と沿線各地を結ぶ特急列車などが数多く走っている。路線のほとんどは国道10号と並走しており、車窓から道路を見ることができる(ただし大分-佐伯間では国道197号国道217号が、宮崎-都城間では国道269号が当線と並走し、国道10号は当線から離れた内陸部を経由)。

起点は小倉駅だが、1987年になって西小倉駅鹿児島本線ホームが設けられたため、小倉駅 - 西小倉駅間が鹿児島本線との重複区間になっている。また路線の終点は鹿児島駅だが、同駅を発着する列車は鹿児島本線に乗り入れ鹿児島中央駅方面に直通している。

小倉駅 - 行橋駅間は旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「福岡近郊区間」に含まれている。

小倉駅 - 幸崎駅間、佐土原駅 - 田野駅間および国分駅 - 鹿児島駅間[注釈 1]IC乗車カードSUGOCA」の利用エリアに含まれている。ただし、小倉駅 - 幸崎駅間、佐土原駅 - 田野駅間、国分駅 - 鹿児島駅間の各エリアを跨っての利用はできない[3][4]

一般向けリアルタイム列車位置情報システム「どれどれ」対応路線(小倉駅 - 鹿児島中央駅間の全線)である。スマートフォンアプリ「JR九州アプリ」内で、リアルタイムの列車位置情報が利用できる[5]

また、2018年9月28日より小倉駅 - 行橋駅間で駅ナンバリングが制定され、日豊本線の路線記号はJF、路線カラーは青となった[6]

路線データ

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  • 管轄・路線距離(営業キロ):
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:111
    • 日豊本線所属の旅客駅に限定した場合、鹿児島本線所属の小倉駅と鹿児島駅が除外され[7]、109駅となる。なお、西小倉駅は鹿児島本線との分岐駅であるが日豊本線所属である[7]
  • 複線区間:小倉駅 - 立石駅間、中山香駅 - 杵築駅間、日出駅 - 大分駅間
  • 電化区間:全線(交流20,000V・60 Hz)
    • 架線構成:シンプルカテナリー方式、吊架線は亜鉛めっき鋼より線(公称断面積:大分以北135mm²・大分以南90mm²、外径:15mm・12mm、張力:2t・1t)、トロリ架線 みぞ付硬銅線(GT)(公称断面積:110mm²、外径:12.34mm、張力1t)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 保安装置:ATS-SKATS-DK(2022年2月末現在、小倉駅 - 佐伯駅間、延岡駅 -田野駅が対応[8]
  • 最高速度:
    • 130 km/h(小倉駅 - 大分駅間[2]
    • 110 km/h(大分駅 - 佐伯駅間、延岡駅 - 宮崎駅間)
    • 100 km/h(隼人駅 - 鹿児島駅間)
    • 90 km/h(国分駅 - 隼人駅間)
    • 85 km/h(佐伯駅 - 延岡駅間、宮崎駅 - 国分駅間)
  • 運転指令所:博多総合指令センター・大分指令センター・南宮崎指令センター

各支社の管轄区間は以下のようになっている。

本社と大分支社の境界は山国川橋梁(県境を跨ぐ)と中津駅下り場内信号機の間に、大分支社と宮崎支社の境界は第四宗太郎トンネルの延岡方出入口と県境の間にある。

旅客運賃・乗車券関連

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旅客運賃体系
後述の大都市近郊区間を除いて幹線運賃
大都市近郊区間旅客営業規則による)
IC乗車カード対応区間[4]

利用状況

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平均通過人員

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各年度の平均通過人員(人/日)および旅客運輸収入は以下のとおりである。

年度 平均通過人員(人/日) 旅客運輸収入
(百万円/年)
出典
全区間 小倉 - 中津 中津 - 大分 大分 - 佐伯 佐伯 - 延岡 延岡 - 南宮崎 南宮崎 - 都城 都城 - 国分 国分 - 鹿児島
1987年度(昭和62年度) 10,249 34,776 13,455 8,050 3,428 6,149 4,398 2,029 9,875   [9]
2016年度(平成28年度) 9,132 29,003 14,503 5,617 1,049 6,204 3,795 1,487 11,214 21,164
2017年度(平成29年度) 9,697[備考 1] 29,266 14,726 6,948[備考 2] 793 6,028 3,624 1,478 11,329 21,291 [10]
2018年度(平成30年度) 8,898 28,424 14,074 5,308 889 6,145 3,584 1,438 11,319 21,142 [11]
2019年度(令和元年度) 8,638 27,572 13,519 5,278 858 5,980 3,503 1,389 11,084 20,611 [12]
2020年度(令和02年度) 5,448 16,940 7,226 3,886 353 4,327 2,540 728 8,501 10,729 [13]
2021年度(令和03年度) 5,897 18,655 8,110 3,988 431 4,527 2,701 830 8,729 12,491 [14]
2022年度(令和04年度) 6,960 21,899 10,455 4,395 604 5,074 3,138 1,068 9,345 16,526 [15]
備考
  1. ^ 台風18号の影響で長期間不通となった区間を含む「大分 - 佐伯」間の値を除いた実績。
  2. ^ 台風18号の影響で不通となった期間を除いた実績で算出。

混雑率

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2018年度(平成30年度)の混雑率は快速46%・普通97%となっている[16]。快速の輸送人員353人は、811系4両と813系3両の合計座席数(348席)とほぼ同じであり、普通と比較すると混雑率の差が顕著である。

線区別収支

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平均通過人員が2,000人/日未満の線区(佐伯駅 - 延岡駅間、都城駅 - 国分駅間)における各年度の収支(営業収益、営業費、営業損益)は以下のとおりである。▲はマイナスを意味する。

佐伯駅 - 延岡駅間
年度 収支(百万円) 出典
営業収益 営業費 営業損益
2018年度(平成30年度) 396 1,070 ▲674 [17]
2019年度(令和元年度) 391 1,137 ▲746 [18]
2020年度(令和02年度) 180 967 ▲787 [19]
2021年度(令和03年度) 234 893 ▲659 [20]
2022年度(令和04年度) 325 800 ▲476 [21]
都城駅 - 国分駅間
年度 収支(百万円) 出典
営業収益 営業費 営業損益
2018年度(平成30年度) 442 833 ▲392 [17]
2019年度(令和元年度) 432 799 ▲368 [18]
2020年度(令和02年度) 191 627 ▲436 [19]
2021年度(令和03年度) 237 652 ▲415 [20]
2022年度(令和04年度) 335 695 ▲360 [21]

沿線概況

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小倉駅 - 中津駅間

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小倉駅 - 城野駅間は北九州の都市部を通り、城野駅 - 行橋駅間は北九州市近郊の住宅地であり、苅田駅付近で大規模工場地帯を望む。行橋駅以南になると住宅地は少なくなり新田原駅・築城駅・椎田駅・宇島駅周辺に市街地を形成している以外は田園地帯が広がるようになる。また豊前松江駅 - 宇島駅間は車窓から周防灘豊前発電所周辺の工業団地を臨む。吉富駅 - 中津駅間で山国川を渡り大分県中津市へと入り、中津駅に着く。

中津駅 - 佐伯駅間

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中津市街地を過ぎると住宅地は少なくなり、広大な田園風景となる。この沿線の中津平野は大分県屈指の穀倉地帯となっている。宇佐駅をすぎると国東半島基部の立石峠に差しかかる。

西屋敷駅 - 立石駅間は立石峠を越える区間で、沿線は山間部であり、立石峠では立石トンネルを通る。日出駅以南は国道10号沿いに別府湾を望み、大分市へと入る。別府駅 - 大分駅間は一方は海(別府湾)、もう一方は山(高崎山)という中を走る。大分駅を出て、大分川を渡るとしばらく北側に日本製鉄九州製鉄所大分地区等が建ち並ぶ工業地帯を望む。幸崎駅までは比較的街中を走るが、幸崎駅以南は山の中を走り、トンネルも多くなる。臼杵駅 - 津久見駅間では津久見市の産業であるセメント工場等を垣間見ることもできる。部分的に海岸沿い(豊後水道)も走る。日代駅浅海井駅との間で豊後二見ヶ浦が見える。

佐伯駅 - 延岡駅間

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この区間は多くが山間部を通り、市街地は佐伯駅周辺と延岡駅周辺のみである。途中の駅はすべて無人駅で、駅舎が残っている駅は少ない。特急もこの区間は約1時間にわたって列車交換のための運転停車以外ノンストップである。また、県境を通るため、ほかの区間に比べて普通列車の本数が極端に少ない。また、この区間はほぼすべてで国道10号と並行している。

延岡駅 - 鹿児島駅間

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延岡市日向市の市街地を通り、美々津駅付近から宮崎平野に入る。高鍋駅までは平坦で曲線の少ない海岸沿いを走り林の隙間から日向灘が見え隠れする。田野駅付近から鰐塚山地を越え、山之口駅付近から都城盆地を横断する。財部駅付近から霧島山の山裾を越え、シラス台地の急斜面中腹を縫うように下り、国分平野姶良平野を横断する。重富駅から鹿児島湾沿いに桜島を望みつつ鹿児島駅へ到着する。列車は鹿児島本線に乗り入れ鹿児島中央駅まで向かう。

運行形態

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優等列車

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現在は、おおむね大分駅・宮崎駅または南宮崎駅を境に運転系統が分割されているが、かつては小倉駅 - 鹿児島駅間の全区間を走破する博多駅・門司港駅・小倉駅 - 西鹿児島駅間の列車も設定されていた。また本州へ直通する特急急行も多数運転されていたが、2009年3月14日のダイヤ改正で東京駅 - 大分駅間の寝台特急富士」が廃止されたのを最後に全廃された。沿線の主要都市である大分市や宮崎市と福岡市は九州自動車道大分自動車道宮崎自動車道により結ばれており、鹿児島本線・日豊本線経由の鉄道に比べ距離が大幅に短いため、これらの高速道路を走行するマイカー・高速バスとの競争が激しい。特に福岡 - 宮崎間および新八代 - 宮崎間は子会社のJR九州バスにて高速バスに参入しており[22]、この区間の鉄道利用客は大幅に減少している。日豊本線に並行する東九州自動車道は暫定2車線だが北九州市から宮崎市まで全線開通したこともあり、高速バスと競合するところもあるが、高速バス側の不採算による路線撤退が相次ぎ、現在は北九州 - 大分、大分空港 - 佐伯間のみとなった。

昼行列車として、博多駅発着の特急「ソニック」が当線の小倉駅 - 佐伯駅間で、また、大分駅発着を基本として一部が小倉駅・佐伯駅を発着する特急「にちりん」、博多駅発着の特急「にちりんシーガイア」が小倉駅 - 南宮崎駅間で運転されている。一部の「にちりん」と「にちりんシーガイア」は宮崎空港駅まで直通している。2017年3月4日より、一部特急列車でワンマン運転が開始された。

九州島内完結の夜行列車として、2011年3月12日のダイヤ改正までは「ドリームにちりん」が博多駅 - 南宮崎駅・宮崎空港駅間で運転されていた。

別府駅 - 大分駅間には久大本線豊肥本線直通の特急も走るほか、延岡駅 - 南宮崎駅間で「にちりん」の宮崎県内区間を補完する特急「ひゅうが」や、宮崎駅 - 鹿児島駅間で特急「きりしま」も運転されている。「きりしま」は2004年3月の九州新幹線一部開業に伴うダイヤ改正で、霧島神宮駅・国分駅発着の列車が増発され、観光客の輸送や、鹿児島地区でのホームライナーとしての役割も担っていた。2011年3月の九州新幹線全線開業に伴うダイヤ改正では、霧島神宮駅・国分駅発着の「きりしま」を削減し、一部の列車の運転区間を宮崎駅まで延長して、同駅発着の「きりしま」が増発された。これにより、宮崎県西部からの新幹線アクセス特急としての役割も担うようになった。

また、「きりしま」、「にちりん」、「ソニック」のルートを踏襲した全席グリーン車の特急「36ぷらす3」が2020年10月16日より運行されている。

日豊本線を走る昼行特急列車は以下のとおり。途中駅発着列車は一部省略。

  • ソニック:(博多駅 - 鹿児島本線直通) - 小倉駅 - (一部)中津駅 - 大分駅 - (一部)佐伯駅
  • にちりん[注釈 2]:(一部)小倉駅 - 大分駅 -(一部)佐伯駅 - 南宮崎駅 - ((一部)宮崎空港駅)
  • にちりんシーガイア:(博多駅 - 鹿児島本線直通) - 小倉駅 - 南宮崎駅 - (宮崎空港駅)
  • ゆふ・ゆふいんの森:別府駅 - 大分駅 - (久大本線方面直通 - 博多駅)
  • 九州横断特急:別府駅 - 大分駅 - (豊肥本線直通 - 熊本駅)
  • あそぼーい!:別府駅 - 大分駅 - (豊肥本線直通 - 熊本駅)
  • ひゅうが:延岡駅 - 南宮崎駅 - (宮崎空港駅)
  • きりしま:宮崎駅 - 鹿児島駅 - (鹿児島中央駅)
  • 海幸山幸:宮崎駅 - 南宮崎駅 - (日南線直通 - 南郷駅)
  • 36ぷらす3:(鹿児島中央駅) → 宮崎駅、(宮崎空港駅) → 宮崎駅 → 別府駅、大分駅 → (門司港駅 → 博多駅)

地域輸送

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おおむね中津駅佐伯駅延岡駅宮崎駅都城駅で運転系統が分かれている。2009年10月1日から2018年3月16日まで全区間で、2018年3月17日以降は重岡駅 - 延岡駅間を除く全区間でワンマン運転を行っている。

各区間の普通・快速列車で使用される車両のまとめは使用車両節の「#普通・快速列車」を参照。各区間の運転本数は特記なければ普通・快速列車のもの、車種は特記なければ電車である。

ワンマン列車の運賃収受方式であるが、小倉駅 - 幸崎駅間・国分駅 - 鹿児島駅間ではすべての駅ですべてのドアが開く駅収受方式(都市型ワンマン)、佐志生駅 - 重岡駅間・延岡駅- 霧島神宮駅間は、無人駅および有人駅での営業時間外の停車時は前の車両のドアのみ開き(中扉は開かず・後ろ乗り前降り)、車内で整理券発行と運賃収受を行う車内収受式である。2006年3月18日のダイヤ改正で車内収受式であった小倉駅 - 佐伯駅間・国分駅 - 鹿児島駅間が駅収受方式となったが、2022年9月23日のダイヤ改正で、幸崎駅 - 佐伯駅間は2両ワンマンに限り車内収受式に戻された。なお、宗太郎駅については2018年3月17日のダイヤ改正まで前乗り前降りであった[注釈 3]

小倉駅 - 中津駅間

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小倉駅 - 宇佐駅間は小倉駅発着列車のほか、朝晩時間帯に鹿児島本線門司港駅発着列車が、早朝に限り本州に渡り山陽本線下関駅まで直通する列車もある。2005年9月30日までは新山口駅まで直通する列車もあった。門司駅 - 下関駅間に交流直流デッドセクションがあるため、下関駅まで直通する列車はすべて交直流両用の415系電車で運転される。日中は中津駅折り返し列車の間に新田原駅または行橋駅折り返し列車が入るダイヤで、加えて朝の時間帯では苅田駅折り返し列車のほか、山陽本線の下関駅から大分駅まで直通する列車もある。この区間では、柳ケ浦駅夜間停泊があるため、夜間から深夜帯、および早朝に柳ケ浦発着の列車が設定されている。一部列車は宇佐駅発着で運転される。

この区間では朝に上り1本、柳ケ浦発小倉行きの快速列車が運行されている。柳ケ浦駅 - 中津駅間・城野駅 - 小倉駅間は各駅に停車する。2018年3月17日ダイヤ改正以前は、夕方に下り快速が3本(2本が中津行き、1本が宇佐行き)運転されていた。また2022年9月改正前は朝の上り快速は門司港行きであった。国鉄時代には現在とは停車駅が異なる快速が運転されていた。

2009年3月14日のダイヤ改正より、門司港駅・小倉駅発着を主体とするダイヤに変更されたことで、下関駅まで直通する列車は朝と夕方以降のみとなった。また、日中は415系での運転は減少し813系電車3両での運転が多くなった。2009年10月1日からは日中の813系使用列車でワンマン運転が開始されている[注釈 4]。使用される車両は、朝夕のラッシュ時には大分車両センターの415系や南福岡車両区の811系・813系により6 - 8両編成で運転する列車もあり、小倉駅 - 中津駅間では10 - 20分間隔で運転される。日中は813系による3両編成や415系による4両編成の列車が使用され、小倉駅 - 行橋駅間で10 - 20分に1本運転され、行橋駅 - 中津駅間も20 - 60分に1本運転される。なお、小倉駅 - 新田原駅間の列車も毎時1本あった。

2022年9月23日ダイヤ改正以降、813系3両もしくは6両によるワンマン運転(一部6両編成は車掌乗務あり)が主体となり、415系は下関駅発着列車と大分方面からの送り込み列車のみ、811系は一部列車のみとなった。

このほか小倉駅 - 城野駅間では日田彦山線の列車も走行する。

中津駅 - 佐伯駅間

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大分駅を中心とした別大都市圏区間の運行が主である。大分市近郊(日出駅・亀川駅 - 大分駅 - 大在駅・幸崎駅間)では約10 - 45分に1本の運転である。その先の区間(杵築駅・大神駅 - 日出駅間)と中津駅 - 宇佐駅間は1時間に1本程度(日中2時間前後開く場合あり)の運転となる。幸崎駅 - 臼杵駅間については、午前中1時間に1本の運転であるが、午後から最終列車までは30 - 70分に1本程度ある。2022年9月ダイヤ改正現在、主に大分車両センター所属の815系の2両編成を中心に、一部815系の4両編成、南福岡車両区所属813系3両編成が使用される。415系1500番台による1往復を除き、すべてワンマン運転となっている。

中津駅 - 柳ケ浦駅 - 宇佐駅間では、2009年3月14日のダイヤ改正以前は門司港・小倉・下関方面からの普通列車が柳ケ浦駅・宇佐駅発着で1時間に1本運転されていたが、この改正から、中津駅 - 柳ケ浦駅間の往復ワンマン運転が開始されたことにより普通列車の運転系統が原則中津駅で分断される形となった。小倉・門司港方面への直通列車の車両には南福岡車両区所属の811系813系大分車両センター所属の415系がそれぞれ4-6両編成にて運用されている。その関係で、415系・813系の送り込みをかねて、大分方面と小倉方面の直通の普通列車が1往復(813系を送り込む大分発小倉行き、415系を返却する下関発大分行き)が設定されている。

宇佐駅 - 杵築駅間と臼杵駅 - 佐伯駅間は本数が少なく、日中は2時間以上開く時間帯がある。この区間は大分車両センターの815系を中心に、一部南福岡車両区の813系で運転される。ワンマン運転時は自動券売機が設置されていない駅(現在は西屋敷駅狩生駅のみ)でもホーム側すべてのドアが開き、乗車券および運賃は駅員に渡すか運賃箱に入れる。また、2009年10月1日より佐伯駅 - 延岡駅間でもワンマン運転が開始され、この区間で使用するキハ220形送り込みのため、大分駅 - 佐伯駅間の普通列車のうち2往復がキハ220形気動車での単行運用に変更されたが、2018年3月17日ダイヤ改正でキハ220形での運行を終了した。

2008年8月23日までは豊肥本線久大本線からの普通列車が日出駅まで直通運転されていたが、大分駅高架化事業に伴い豊肥本線・久大本線が同年8月24日に先行して高架化され、高架化が完了していない日豊本線との間の乗り入れができなくなったため、後述の「九州横断特急」を除き乗り入れを終了した。2012年3月17日には日豊本線も高架化されたが、その時点で普通列車の直通は復活しなかった。2015年3月14日のダイヤ改正で普通列車の直通運転が復活し、亀川駅発着の気動車列車として、中判田・三重町発亀川行き、亀川発向之原行き、亀川発大分行きが設定されたが、2018年3月17日のダイヤ改正で再び廃止となった。

佐伯駅 - 延岡駅間

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この区間は、大分県宮崎県の県境の山間部(宗太郎峠)を通る。沿線人口も少ないことから、普通列車の本数が極端に少なくなっており、特急列車の停車駅も設定されていない。そのため、普通列車しか利用できない「青春18きっぷ」で利用することが非常に困難になっている区間の一つであり[注釈 5]ファンの間では「宗太郎越え」などと呼ばれている。

2004年(平成16年)3月13日のダイヤ改正で、普通列車は2往復を除き重岡駅市棚駅折り返しとなった。翌2005年(平成17年)10月1日の改正以降は佐伯駅 - 南延岡駅間の列車2往復のほかに朝に始発列車として佐伯発延岡行き、続いて延岡発市棚行き、市棚発南延岡行き、夜に最終列車として南延岡発大分行きが各1本運転されていた(これらの列車は朝と夕方・夜の運転。本数ベースでは佐伯 - 延岡間を直通する3往復に加え市棚 - 延岡間の区間列車1往復)。2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正ではさらに列車が削減され、佐伯駅 - 延岡駅間1.5往復(下り1本・上り2本)および佐伯駅 - 重岡駅間1.5往復(下り2本・上り1本)まで減少した[23]。このため、重岡駅 - 北延岡駅間の下り(延岡方面)では6時 - 7時台の列車が始発兼最終列車となる[注釈 5]。なお、朝の佐伯行きは南延岡始発、夕方の重岡発は大分行きで運転されている。

この区間は両端の佐伯駅・延岡駅を拠点に並行して路線バスが運行されている。佐伯 - 重岡間は佐伯市コミュニティバス(休日は運休)が、延岡 - 北川間は宮崎交通の路線バスが運行されており、いずれも本数は少ないものの普通列車の運行がない時間にも移動が可能である。ただし、県境を挟む区間(重岡 - 宗太郎間)では路線バスの運行も行われていない。

この区間は、2007年3月17日まで457・475系で運行されていた。その後は2009年9月30日まで717系で、2018年3月17日までキハ220形気動車で運転され、翌3月18日のダイヤ改正より重岡駅折り返し列車は815系、延岡駅・南延岡駅発着列車は特急用の787系での運転に変更となった[24]。787系で運転される列車では車掌が乗務するほか、先頭車両のみドア・客扱いを行う。普通・グリーン併設車が先頭車両になる下り列車では、グリーン車自由席も営業する(グリーン券は車内で販売)[25]。 また普通列車の本数が少ないが、特急列車は1日8.5往復あり、おおむね1-2時間に1本通過するため、この区間のすべての停車場(駅・信号場)に交換設備が設けられている。1993年3月から2020年10月までは一部時期を除き、毎時1往復の特急列車が運転されていた。

延岡駅 - 西都城駅間

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この区間は主に宮崎駅・南宮崎駅で系統が分かれており、延岡駅 - 南宮崎駅 - 宮崎空港駅間と宮崎駅 - 西都城駅間の普通列車は1時間におおむね1本程度(特急も1時間に1本程度、ただし時間帯により2時間近く開く場合もある)運転されている。宮崎都市圏近郊の高鍋駅・日向新富駅 - 宮崎駅 - 田野駅間には区間運転があり、最大で1時間に3本程度運行されている。この区間ではワンマン運転対応の817系713系電車やキハ47形気動車で運転される。ほとんどの列車が延岡駅 - 南宮崎駅・宮崎空港駅間および宮崎駅・南宮崎駅 - 西都城駅間の系統で運転されているが、早朝・夜間には延岡駅 - 都城駅・西都城駅間を直通運転する列車や鹿児島中央駅発着の列車も運転されている。宮崎駅 - 南宮崎駅間では宮崎空港線・日南線の列車も走行し、宮崎空港線発着の列車は宮崎駅以北にも乗り入れる。また、吉都線肥薩線に乗り入れる列車(宮崎駅 - 吉松駅 - 隼人駅間1往復)も設定されている。2017年3月4日のダイヤ改正により、2両編成の列車はすべてワンマン化された。

2022年9月23日のダイヤ改正により、夕方の佐土原発着列車が日向新富発着に延長された。また、佐土原・高鍋発着の気動車列車が電車に置き換わった[26]

延岡 - 宮崎間高速化改良工事
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延岡駅 - 宮崎駅間は宮崎空港線(田吉駅 - 宮崎空港駅間)開業にあわせて分岐器軌道改良を含めた高速化も行っている。これは延岡と宮崎空港を結ぶ旭化成ヘリコプター社内定期便が1990年(平成2年)9月27日に乗員・乗客10人全員が死亡する墜落事故を起こしたことから、宮崎県と旭化成が一部負担して延岡と宮崎空港を直結することが求められたためである(「宮崎空港線#歴史」も参照)。延岡駅 - 宮崎駅間 (84 km) は単線で路盤が最高速度85km/h仕様になっているうえ、急カーブも多いため、特急でも約75分かかっていた。JR九州は、最高速度110km/hに耐える路盤に改良し、高速通過が可能な分岐器に交換すれば、約60分間に短縮できると試算し、高速化改良工事を1991年11月に着工した。工事は、1994年(平成6年)11月に竣工し、工事費は24億6千万円で旭化成は2億9千万円を負担した。

都城駅 - 鹿児島駅・鹿児島中央駅間

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鹿児島都市圏近郊の国分駅 - 鹿児島中央駅間は1時間におおむね2本(20 - 80分間隔)程度、朝夕などの通勤通学時間帯は最大で1時間に4本程度運行されている。西都城駅 - 国分駅間は利用客が少なく、1日あたり9往復で日中は3時間以上空く時間帯がある。

西都城駅 - 鹿児島駅間を運行する列車はすべて鹿児島中央駅まで運転されており、大半の列車が国分駅 - 鹿児島中央駅間で折り返し運転を行っている。南宮崎駅・宮崎駅まで運転される列車もある。鹿児島中央駅を越えて運転される列車もあり、最遠で鹿児島本線川内駅まで直通する。竜ケ水駅では普通列車でも通過する列車がある。

この区間では、主にワンマン運転対応の817系が使用されている。また、朝夕の通勤通学時間帯を中心に連結して使用される。また、肥薩線や吉都線で運用される車両を送り込むために、キハ40形・キハ47形気動車による列車も数本運転されている。2015年ダイヤ改正までは都城発鹿児島中央行きに817系の6両編成が設定されており、鹿児島支社の普通列車では最長編成であったが、同改正により415系4両編成に変更された。これにより、2022年9月ダイヤ改正までの間、415系が定期列車として宮崎・鹿児島両県内に乗り入れることとなった。また、都城駅 - 鹿児島中央駅間も4両ワンマンを実施するようになったため、宮崎県内では初めて都市型ワンマン運転を行うこととなった。

貨物列車

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2014年3月改正時点では(北九州貨物ターミナル駅) - 小倉駅 - 南延岡駅間で貨物列車が運行されている。

コンテナ車で編成された高速貨物列車が、北九州貨物ターミナル駅 - 延岡駅間に1往復、北九州貨物ターミナル駅 - 南延岡駅間に1往復運行されている。専用貨物列車は臨時便のみで定期での設定はない[27]。牽引機関車は、EF510形電気機関車。

線内の貨物列車の発着駅は、西大分駅、延岡駅、南延岡駅。2017年3月4日のダイヤ改正により、西大分駅 - 南延岡駅間は月・水・金曜日のみの運転となった。

また、日豊本線の高速貨物列車は本州方面への直行便がすべて非設定であるため、本州方面へのコンテナは北九州貨物ターミナルにおいて鹿児島・山陽本線系統の便へ積み替える。

南延岡駅 - 鹿児島駅間では、貨物列車の運転がなく、2005年に「彗星」が廃止されてからは、ED76形を含む電気機関車は見られなくなった。また当線内を走る定期貨物列車は鹿児島本線系統より編成が短いうえ本数も少なく、貨物列車の走行時間帯は深夜から早朝中心である。

使用車両

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現在の使用車両

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優等列車

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電車
気動車
  • キハ185系:特急「九州横断特急」「ゆふ」で運用。
    • あそぼーい、九州横断特急は熊本駅から大分駅までは豊肥本線、大分駅から別府駅は日豊本線で運行
    • ゆふは鹿児島本線、久大本線経由で大分駅から別府駅間を運行
  • キハ183系1000番台:2017年7月から特急「あそぼーい!」として、豊肥本線直通列車として、大分駅 - 別府駅間で運用[28]。過去には、特急「ゆふDX」として博多から鹿児島本線、久大本線経由で大分駅 - 別府駅間で、「ゆふいんの森II世」として博多から鹿児島本線、久大本線経由で大分駅 - 小倉駅間で使用された。
  • キハ125形(400番台):特急「海幸山幸」で運用。
  • キハ71系:特急「ゆふいんの森」で運用。

普通・快速列車

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電車
  • 811系小倉駅 - 中津駅間で運用。朝時間帯に使用される。
  • 813系(主に3000・3100・3400番台):RM編成が小倉駅 - 佐伯駅間で運用。
  • 815系:中津駅 - 重岡駅間で営業運用。宇島駅まで回送で乗り入れる。
  • 817系(0番台・1000番台):VK編成が延岡駅 - 鹿児島駅間で定期運用。VK編成は宮崎空港線直通列車にも使用。
  • 415系:FO編成が小倉駅 - 大分駅間で運用。過去にはFM・FO編成が大分駅 ‐ 佐伯駅間、FK編成が都城駅 - 鹿児島駅間で運用された。
  • 713系:延岡駅 - 南宮崎駅間で運用。宮崎空港線直通列車にも使用。
  • 787系:佐伯駅 - 南延岡駅間、宮崎駅 - 南宮崎駅間(宮崎空港線直通列車)で運用。共に4両編成のみ用いられる。佐伯駅 - 南延岡駅間の運用では先頭1両のみ乗車可能で、ワンマン運転は行わず車掌が乗務する。
気動車
2024年3月18日より、肥薩線開業120周年、吉都線開業110周年、指宿枕崎線開業60周年を記念して、キハ40形1両を国鉄色に復刻し、宮崎駅 - 都城駅間、国分駅 - 鹿児島中央駅間で運転。当線のほかにも、指宿枕崎線、肥薩線(隼人駅 - 吉松駅間)、吉都線などでも運転されている[29][30]

機関車・客車

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電気機関車
いずれもJR貨物が貨物列車用として保有・運用しているものでありJR九州は電気機関車を保有していない。
  • ED76形 : 北九州貨物ターミナル駅 - 延岡駅( - 南延岡駅)間の定期貨物列車で使用される。
  • EF81形 :北九州貨物ターミナル駅 - 延岡駅( - 南延岡駅)間の定期貨物列車で使用、450番台・500番台・300番台が運用されている。
  • EF510形 :北九州貨物ターミナル駅 - 延岡駅( - 南延岡駅)間の定期貨物列車で使用、300番台が運用されている。
ディーゼル機関車
  • DE10形DD200形:乗務員訓練や保線、団体客車列車の牽引機で利用されるほか、クルーズトレイン『ななつ星 in 九州』の運用に関係した運用も存在する。
  • DF200形:クルーズトレイン『ななつ星 in 九州』の牽引機として全線を走行する(小倉駅 - 大分駅間は2017年8月22日より営業運転開始)。
客車
  • 77系:豪華寝台列車(クルーズトレイン)『ななつ星in九州』専用客車。

過去の使用車両

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主なもの。

電車
  • 481系・485系
    • 特急「にちりん」「ソニック」「ひゅうが」「きりしま」及び朝晩の「さわやかライナー」「ホームライナー」、1975年の山陽新幹線博多延伸開業以前には新大阪駅 - 大分駅間で運転されていた特急「みどり」、大阪駅 - 宮崎駅間の特急「日向」で使用された。2011年3月12日ダイヤ改正で定期運行を終了、2015年に臨時列車としての運用も終了した。
  • 581系・583系
    • 寝台特急「彗星」の一部と、その間合い運用で「にちりん」の一部で、また山陽新幹線博多駅延伸開業以前には新大阪駅 - 大分駅間の特急「みどり」にも使用された。
  • 457系・475系
    • 急行「べっぷ」「日南」「ゆのか」などで使用。急行廃止後は柳ケ浦以南の普通列車に転用。新型車両投入に伴い2007年までに全車運用離脱。
  • 421系・423系
    • 佐伯駅以北の普通列車で415系とともに使用された。
  • 717系
    • 主に大分(杵築以南)・宮崎・鹿児島地区の普通列車で使用された。817系など新型車両の追加投入に伴い徐々に運用を縮小、2013年までに全車が定期運用を離脱した。
  • 783系
    • 1990年に大分駅以北の「にちりん」の一部に投入。1996年3月に一旦撤退するも2000年3月から「ソニック」「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」運用で復帰。「ソニック」は翌年に運用を外れたが「にちりん」「ひゅうが」での運用を開始(「にちりん」としては復帰だが宮崎系統の列車としては新規)し、2011年3月には「きりしま」での運用も始まった。2021年3月改正でこれらの特急削減と787系の運用増加により日豊本線内での定期運用が消滅した[31][32]
気動車
  • キハ80系
  • キハ58系キハ65形
    • 電化以前に急行列車で、JR化後も他線と直通する急行「由布」「火の山」「えびの」や普通列車で使用された。
  • キハ72系:キハ71系と異なり日豊本線に乗り入れる定期運用はないが、2度にわたる九州北部豪雨における久大本線不通の際に、別府駅 - 日田駅間、博多駅 - 小倉駅 - 大分駅 - 由布院駅間で臨時設定された特急「ゆふいんの森」において運用された。
  • キハ200系・キハ220系:亀川駅 - 大分駅間(豊肥本線・久大本線直通列車)および、大分駅 - 南延岡駅間(「宗太郎越え」区間運用)で使用された。2018年3月17日ダイヤ改正で豊肥本線・久大本線直通の終了、815系・787系への置き換えで日豊本線での運用から撤退した。
客車
  • 50系
    • 門司港駅 - 大分駅間の普通列車で使用された。
  • 12系
    • 夜行の急行「日南」の座席車などで使用された。
  • 14系15形
    • 寝台特急「富士」「彗星」で使用された。
  • 14系座席車
    • 急行「くにさき」で使用された。
  • 24系24形・25形
    • 寝台特急「富士」「彗星」、急行「日南」寝台車で使用された。
  • 20系
    • 寝台特急「富士」「彗星」「みずほ」[注釈 6]、急行「日南」寝台車で使用された。
電気機関車
  • ED74形
    • 大分駅以北の寝台特急列車・貨物列車牽引で使用。
ディーゼル機関車
  • DF50形
    • 電化以前に寝台特急列車・貨物列車牽引で使用。

歴史

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概略

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小倉駅 - 重岡駅間は、初代九州鉄道および初代豊州鉄道の手で開業した小倉駅 - 行橋駅 - 長洲駅(現在の柳ケ浦駅)間を国有化後に延伸したものである。

一方、重岡駅以南は、吉松駅から宮崎線として順次延伸されたもので、うち宮崎駅 - 佐土原駅間は宮崎県営鉄道を買収して編入したものである。1923年に重岡駅まで開通し小倉駅 - 宮崎駅 - 吉松駅間が日豊本線となった。

国分駅(現在の隼人駅) - 鹿児島駅間は官営の鹿児島線として開業したもので、1932年に都城駅 - 隼人駅間が開通して、現在のルートである小倉駅 - 都城駅 - 隼人駅 - 鹿児島駅間が日豊本線となり、吉松駅 - 都城駅間は吉都線となった。

年表

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小倉駅 - 重岡駅間

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九州鉄道・豊州鉄道→豊州本線
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  • 1895年明治28年)
    • 4月1日九州鉄道が小倉駅 - 行事駅間を開業(小倉駅 - 小倉総合車両センター付近は1891年4月1日に九州鉄道本線の一部として既設)。城野駅・刈田駅・行事駅が開業。
    • 8月25日:行事駅が廃止。行橋駅が開業(豊州鉄道の駅として既設)。
    • 10月25日:曽根駅が開業。
  • 1897年(明治30年)9月25日豊州鉄道が行橋駅 - 長洲駅間を延伸開業。新田原駅・椎田駅・松江駅・宇ノ島駅・中津駅・今津駅・四日市駅・長洲駅が開業。
  • 1898年(明治31年)3月1日: 長洲駅が宇佐駅(初代)に改称。
  • 1901年(明治34年)
  • 1904年(明治37年)2月12日:北篠崎聯絡所・紫川聯絡所・南篠崎聯絡所が開設。
  • 1907年(明治40年)
    • 7月1日:鉄道国有法により九州鉄道を買収、官設鉄道の路線となる。
    • 11月1日:宇ノ島駅が宇島駅に、刈田駅が苅田駅に改称。
  • 1909年(明治42年)
  • 1910年(明治43年)12月15日:宇佐駅 - 中山香駅間が延伸開業。立石駅・中山香駅が開業。
  • 1911年(明治44年)
    • 3月22日:中山香駅 - 日出駅間が延伸開業。杵築駅・日出駅が開業。
    • 4月22日:豊前長洲駅が開業。
    • 7月16日:日出駅 - 別府駅間が延伸開業。頭成駅・亀川駅・別府駅が開業。
    • 10月1日:北篠崎聯絡所が廃止。
    • 11月1日: 別府駅 - 大分駅間が延伸開業。浜脇駅・西大分駅・大分駅が開業。
  • 1912年(明治45年)紫川聯絡所が廃止。
  • 1914年大正3年)4月1日:大分駅 - 幸崎駅間が延伸開業[33]。下郡聯絡所および高城駅・鶴崎駅・坂ノ市駅・幸崎駅が開業[34]
  • 1915年(大正4年)8月15日:幸崎駅 - 臼杵駅間が延伸開業。下ノ江駅・臼杵駅が開業。
  • 1916年(大正5年)
    • 6月21日:南篠崎聯絡所が廃止。
    • 10月25日:臼杵駅 - 佐伯駅間が延伸開業。津久見駅・日代駅・浅海井駅・佐伯駅が開業。
  • 1917年(大正6年)7月18日:上臼杵駅が開業。
  • 1918年(大正7年)10月16日:苅田駅の読みを「かんだ」から「かりた」に変更。
  • 1919年(大正8年)9月1日:四日市駅が豊前善光寺駅に改称。
  • 1920年(大正9年)
    • 8月15日:熊崎駅が開業。
    • 11月20日:佐伯駅 - 神原駅間が延伸開業。上岡駅・直見駅・神原駅が開業。
  • 1922年(大正11年)3月26日:神原駅 - 重岡駅間が延伸開業。重岡駅が開業。
  • 1923年(大正12年)
    • 3月16日:今川仮信号場(初代)が開設。
    • 7月1日:海崎駅が開業。
    • 7月21日:今川仮信号場(初代)が廃止。
    • 12月15日: 豊州本線と宮崎本線が統合されて、小倉駅 - 吉松駅間が日豊本線になる。
  • 1924年(大正13年)
    • 7月23日:今川仮信号場(2代)が開設(廃止年月日不詳)
    • 11月25日:大在駅が開業。
  • 1926年(大正15年)9月1日:西屋敷信号場が開設。

重岡駅 - 都城駅間

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宮崎線
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  • 1913年(大正2年)10月8日:谷頭駅 - 都城駅間が宮崎線として開通(現在の吉都線が全通)。都城駅が開業。
  • 1914年(大正3年)
    • 2月11日:都城駅 - 三股駅間が延伸開業。三股駅が開業。
    • 8月15日:三股駅 - 山之口駅間が延伸開業。山之口駅が開業。
  • 1915年(大正4年)3月20日:清武駅 - 宮崎駅間が開業。大淀駅が開業。都城駅方面、佐伯駅方面ともに未接続のため宮崎県営鉄道に営業を委託。
  • 1916年(大正5年)3月21日:山之口駅 - 青井岳駅間が延伸開業。青井岳駅が開業。
    • 4月10日:清武駅 - 大久保駅間が延伸開業。大久保駅が開業。
    • 10月25日:青井岳駅 - 清武駅間が延伸開業し、宮崎線吉松駅 - 宮崎駅間が全通。田野駅が開業。大久保駅が廃止。
宮崎県営鉄道妻線
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  • 1913年(大正2年)12月15日:宮崎駅 - 福島町駅間が宮崎県営鉄道妻線として開業。広瀬駅(初代)・次郎ヶ別府駅・蓮ケ池駅(初代)・花ヶ島駅が開業。
  • 1914年(大正3年)
    • 4月26日:福島町駅 - 佐土原駅(初代・後の西佐土原)間が延伸開業。
    • 11月20日:宮崎駅 - 川口駅間の貨物線が開業。
  • 1917年(大正6年)9月21日:宮崎県営鉄道妻線の買収により、吉松駅 - 宮崎駅間を宮崎本線とし、宮崎駅 - 広瀬駅 - 妻駅間が妻軽便線になる。宮崎駅 - 川口駅間の貨物線、蓮ケ池駅(初代)が廃止。
宮崎本線
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  • 1920年(大正9年)9月11日:広瀬駅 - 高鍋駅間が延伸開業。高鍋駅・三納代駅・広瀬駅(2代)が開業。広瀬駅(初代)が廃止。宮崎駅 - 広瀬駅間が妻軽便線から宮崎本線に編入され、吉松駅 - 宮崎駅 - 高鍋駅間が宮崎本線、広瀬駅 - 妻駅間が妻軽便線になる。
  • 1921年(大正10年)
    • 6月11日:高鍋駅 - 美々津駅間が延伸開業。美々津駅・都農駅・川南駅が開業。
    • 10月11日:美々津駅 - 富高駅間が延伸開業。富高駅・岩脇駅が開業。
    • 10月11日: 細島軽便線(後の細島線)富高駅 - 細島駅間が開業。
  • 1922年(大正11年)2月11日:富高駅 - 南延岡駅間が延伸開業。南延岡駅・土々呂駅・門川駅が開業。
    • 5月1日:南延岡駅 - 延岡駅間が延伸開業。延岡駅が開業。
    • 10月29日:延岡駅 - 日向長井駅間が延伸開業。日向長井駅が開業。
  • 1923年(大正12年)
    • 7月1日:日向長井駅 - 市棚駅間が延伸開業。市棚駅が開業。
    • 12月15日:市棚駅 - 重岡駅間が延伸開業。豊州本線と宮崎本線が統合され、小倉駅 - 吉松駅が日豊本線になる。宗太郎信号場が開設。

都城駅 - 鹿児島駅間

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志布志線
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  • 1923年(大正12年)1月14日:都城駅 - 西都城駅 - 末吉駅間が志布志線として開業。西都城駅が開業。
国都東線
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  • 1929年(昭和4年)4月28日:西都城駅 - 財部駅間が国都東線として開業。五十市駅・財部駅が開業。
  • 1931年(昭和6年)11月1日:財部駅 - 大隅大川原駅間が延伸開業。北俣駅・大隅大川原駅が開業。
  • 1932年(昭和7年)12月6日:大隅大川原駅 - 霧島神宮駅間が延伸開業。北永野田駅が開業。日豊本線に編入
国都西線
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  • 1929年(昭和4年)11月24日:西国分駅 - 国分駅間が国都西線として開業。国分駅(2代)駅が開業。
  • 1930年(昭和5年)7月10日:国分駅 - 霧島神宮駅間が延伸開業。霧島神宮駅が開業。
鹿児島線→肥薩線
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