1978年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)

プロ野球ドラフト会議 > 1978年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)
 NPB 1978年度新人選手選択会議
江川
阪神獲得も江川事件により後に巨人へ
ドラフト概要
開催日 1978年11月22日
開催地 東京都千代田区
会場 ホテルグランドパレス
司会 伊東一雄
制度 全巡目初回:重複くじ引き
くじ外れ:変則ウェーバー
指名数 44名
入団拒否 4名(江川卓は含まず)
複数球団指名
4球団
江川卓(投手・作新学院職員阪神交渉権獲得
森繁和(投手・住友金属西武交渉権獲得
2球団
木田勇(投手・日本鋼管広島交渉権獲得
2巡目3球団
南秀憲(投手・市岡高ヤクルト交渉権獲得
2巡目2球団
石嶺和彦(捕手・豊見城高阪急交渉権獲得
4巡目2球団
国沢道雄(捕手・伊野商業高日本ハム交渉権獲得
谷松浩之(外野手・PL学園高ヤクルト交渉権獲得
« 1977
1979 »
テンプレートを表示

1978年度新人選手選択会議(1978ねんどしんじんせんしゅせんたくかいぎ)は、1978年に行われた第14回のプロ野球ドラフト会議である。

概要

[編集]
  • 1978年11月22日東京・飯田橋ホテルグランドパレスにおいて開催された。
  • 指名選手数が「1球団4人以内」となった。
  • 「新人選手」の定義が「日本の中学校、高等学校、あるいは大学に在学した経験のある(選手)」に改められた。
  • 前年まで11年間採用された「指名巡抽選方式」に代わり、「入札方式」が採用され、指名順位で選手が重複した場合は抽選となった。
  • 抽選に外れた球団は奇数指名順位はウエーバー方式、偶数指名順位は折り返しウエーバー方式で希望選手を指名。
  • ウエーバー順位は南海 - 阪神 - 西武 - 中日 - ロッテ - 大洋 - 日本ハム - 広島 - 近鉄 - 巨人 - 阪急 - ヤクルト
  • ドラフト会議日前日の11月21日に江川卓が読売ジャイアンツとドラフト外入団契約を行う江川事件が発生。セントラル・リーグ会長の鈴木龍二は江川と巨人の契約を無効とする裁定を下したが、これに対し巨人が反発。その抗議として、翌22日のドラフト会議を欠席(ボイコット)することになる。このため、この年に巨人に入団した新人選手は全員ドラフト外入団となった。
  • 前述の指名人数制限と巨人のボイコットの影響もあり、指名人数はドラフト会議史上最小となる44人にとどまった。また入団した選手40人も1973年に次ぐ少なさであった。

選択希望選手一覧

[編集]
チーム 南海 阪神 西武 中日 ロッテ 大洋 日本ハム 広島 近鉄 巨人 阪急 ヤクルト
1巡目 江川卓 江川卓 森繁和 森繁和 江川卓 木田勇 森繁和 木田勇 江川卓 ボイコット 木田勇 森繁和
外1巡目→ 高柳秀樹 --- --- 高橋三千丈 福間納 高本昇一 高代延博 --- 登記欣也 関口朋幸 原田末記
2巡目 藤田達也 枝川正典 南秀憲 栗岡英智 菊地恭一 与座朝勝 工藤幹夫 石嶺和彦 南秀憲 石嶺和彦 南秀憲
外2巡目← --- --- 柴田保光 --- --- --- --- 大久保美智男 森脇浩司 --- ---
3巡目 岡本光 渡辺長助 山川猛 水谷啓昭 落合博満 小山昭晴 井上晃二 北林久 金山晃士 大石直弘 有沢賢持
外3巡目→ --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
4巡目 吉田博之 谷松浩之 黒原祐二 平田恒雄 武藤信二 増本宏 国沢道雄 国沢道雄 谷崎浩二 山森雅文 谷松浩之
外4巡目← --- 青木重市 --- --- --- --- --- 伊藤嘉彦 --- --- ---
  • 太字は、交渉権確定。色付きは指名重複。
  • 背景色が暗い選手は入団拒否。阪神1位指名の江川卓は入団直後に巨人へトレード。
  • 矢印の向きはウェーバー・逆ウェーバー制の指名順。

指名リスト

[編集]

セントラル・リーグ

[編集]

ヤクルトスワローズ

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 原田末記 投手 北海道拓殖銀行 入団
2位 南秀憲 投手 市岡高 入団
3位 有沢賢持 投手 日産サニー札幌 入団
4位 谷松浩之 外野手 PL学園高 入団

読売ジャイアンツ

[編集]

江川事件(空白の一日事件)の対応を巡ってそれに抗議したボイコットのため欠席となった。

広島東洋カープ

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 木田勇 投手 日本鋼管 拒否
2位 大久保美智男 投手 仙台育英学園高 入団
3位 北林久 内野手 門司工業高 入団
4位 伊藤嘉彦 内野手 延岡西高 入団

横浜大洋ホエールズ

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 高本昇一 投手 大阪・勝山高 入団
2位 与座朝勝 投手 興南高 入団
3位 小山昭晴 捕手 日本大学高 入団
4位 増本宏 投手 九州産業大学 入団

中日ドラゴンズ

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 高橋三千丈 投手 明治大学 入団
2位 栗岡英智 外野手 中京高 入団
3位 水谷啓昭 投手 新日本製鐵名古屋 入団
4位 平田恒雄 投手 三協精機 入団

阪神タイガース

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 江川卓 投手 作新学院職員 入団、後に小林繁とトレード
2位 枝川正典 投手 長門高 入団
3位 渡辺長助 捕手 九州産交 入団
4位 青木重市 投手 山形相互銀行 入団

パシフィック・リーグ

[編集]

阪急ブレーブス

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 関口朋幸 投手 吉田商業高 入団
2位 石嶺和彦 捕手 豊見城高 入団
3位 大石直弘 投手 掛川西高 入団
4位 山森雅文 外野手 熊本工業高 入団

近鉄バファローズ

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 登記欣也 投手 神戸製鋼 入団
2位 森脇浩司 内野手 社高 入団
3位 金山晃士 内野手 柳川商業高 入団
4位 谷崎浩二 投手 九州産交 翌年シーズン後に入団

日本ハムファイターズ

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 高代延博 内野手 東芝 入団
2位 工藤幹夫 投手 本荘高 入団
3位 井上晃二 内野手 別府大学附属高 入団
4位 国沢道雄 投手 伊野商業高 入団

ロッテオリオンズ

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 福間納 投手 松下電器 入団
2位 菊地恭一 外野手 東芝 拒否
3位 落合博満 内野手 東芝府中 入団
4位 武藤信二 投手 我孫子高 拒否・法政大学進学

西武ライオンズ

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 森繁和 投手 住友金属 入団
2位 柴田保光 投手 あけぼの通商 入団
3位 山川猛 捕手 西川物産 入団
4位 黒原祐二 投手 都城工業高 入団

南海ホークス

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 高柳秀樹 外野手 国士舘大学 入団
2位 藤田達也 投手 八代東高 入団
3位 岡本光 投手 串本高 拒否・松下電器入社
4位 吉田博之 捕手 横浜高 入団