フランク・ビエラ

フランク・ビエラ
Frank Biela

Biela in 2006
国籍	ドイツ
出生	(1964-08-02) 1964年8月2日（60歳） ノイス, 西ドイツ
ル・マン24時間での経歴
年	1999–2008
チーム	アウディ スポーツ ヨースト, アウディ スポーツ UK, チャンピオン レーシング
最高位	1位 (2000, 2001, 2002, 2006, 2007)
クラス優勝	5 (2000, 2001, 2002, 2006, 2007)

フランク・ビエラ（Frank Biela、1964年8月2日 - ）は、ドイツのレーシングドライバー。同国のノイス出身。ル・マン24時間レースにおいて、5回の総合優勝を記録したドライバーであり、ツーリングカーレースでもアウディのドライバーとして、チャンピオンを獲得した。主にツーリングカーとスポーツカーレースで競っている自動車レースドライバー。

彼は1990年以来 アウディのドライバーとしてレース活動を行ってきた。

カートレースで1983年よりレースを始めた。1987年からは旧ドイツツーリングカー選手権にフォード・シエラで参戦を開始。マヌエル・ロイターとベルント・シュナイダーと共にフォードのヤングスターチームプログラムに参加。 初年度ながらアヴスのレースで優勝した。シエラを3年間ドライブする他､フォーミュラ・フォードでドライブし、ビエラは1988年もDTMで競い続け、メルセデスベンツ・190Eで優勝しシリーズ10位となった。

1987年はドイツF3にも出場し2勝を挙げた。

1990年にビエラはアウディに移籍。1991年にタイトルを獲得した。1992年の半ばにアウディはDTMを去る事になるがビエラはアウディに残留した。

ヨーロッパの他のシリーズで2リットルのクラス2（スーパーツーリング）ルールが台頭するが、その後数シーズンにわたって様々なヨーロッパのツーリングカーシリーズに参加した。アウディ・80をドライブして1993年にはフランスのスーパーツーリング選手権のタイトルを獲得。彼は唯一の非フランス人ドライバーチャンピオンである。アウディは前年度もマーク・サウドがタイトルを獲得した為、このレースで2連覇を達成した。

1995年以降は新しいマシンであるアウディ・A4 クワトロを手に入れ、ポールリカールでのツーリングカー・ワールドカップやマカオ・ギアレースなどの国際ツーリングカーイベントで優勝し、1990年代を代表するツーリングカーレーサーの1人となった。

ビエラはこの間、1994年と1995年に母国ドイツでドイツ・スーパーツーリング選手権 (STWカップ)を主戦場とした。しかし、両シーズンとも前半はポイントリーダーをキープしたが、それぞれBMWドライバーのジョニー・チェコットとヨアヒム・ヴィンケルホックに逆転を許し、タイトル獲得はならなかった。また、1995年のSTWカップ終盤のアヴスでの第2レースでは、マシントラブルによりスピンしてコース中央に停止したキース・オドールのマシンを避けきれず、衝突する事故を起こしてしまう。衝突した部分が運転席側のドア部分だった為、オドールはこの事故で致命傷を負い翌晩亡くなった。

1996年、アウディはイギリスツーリングカー選手権 (BTCC)にも参戦を開始することを決め、ビエラはBTCCに移籍した。この年圧倒的なレース運びでチームメイトのジョン・ビントクリフと共にアウディチームは選手権を席巻。全26レース中11位となったシルバーストーンでの第7戦と失格となった第12戦スネッタートンを除く24戦でビエラはポイントを獲得できる10位以内に入っている。

しかし、その速さからBTCCの主催者から疑問符を突き付けられ、翌年はハンディを背負い苦しんだ。

1996年のアウディの優位性により、BTCCの主催者は1997年のシーズンで、すべての4輪駆動車にバラスト重量の「ペナルティ」を課した。 アウディはペナルティでかなり不自由な状態であったが、重量のペナルティはシーズンの半ばで半分になり、この年も5勝を記録している。ルノー・ラグナのアラン・メニュに破れてチャンピオン防衛とはならなかったが、メニュのチームメイトであるジェイソン・プラトを1ポイント差で下してシリーズ2位を獲得し、チームメイトのビントクリフも2勝を挙げた。

1998年シーズンは前年STWカップでFFのA4をドライブしていたイヴァン・ミュラーと入れ替わる形でSTWカップに戻った。しかし、これまでの好調から一転。アウディは苦戦を強いられる事になる。FF車として再構成されたアウディ・A4は、2リッターになったBMWを初め、プジョー・406やオペル・ベクトラ、新型になった日産・プリメーラなどライバルメーカーのマシンに対して苦戦し、ビエラはこの年過去ワーストのランキングで14位となる^[1]。チームメイトでSTWカップのタイトルを1996年に獲得した実績を持つエマニュエル・ピロも同じくシリーズ15位と低迷した。

1999年、ビエラはツーリングカーレースに参戦せず、 アウディ・R8スポーツカープロジェクトに参加し、アウディ・スポーツ・チーム・ヨーストの名前でレースに参戦した。 ここでも好成績を残し、ビエラは今後数シーズンにわたってスポーツカーレースで活躍していく。R8でいくつかのクラシックイベントと3つのアメリカン・ル・マン・シリーズ（ALMS）で優勝。

R8チームでル・マン24時間レースにも1999年から参戦を開始し、エマニュエル・ピロ、ディディエ・セイスとアウディ・R8Rで総合3位を獲得。2000年から2002年までは、ピロとトム・クリステンセンとコンビを組み、3年間連続で総合優勝を成し遂げた。その後も継続参戦し、2006年と2007年にもル・マンを制した。その一方でアウディは2002年シーズン以降、R8プログラムのサポートを縮小し始めた。 2003年にALMSで優勝した後、ビエラはドイツツーリングカ選手権に戻り、ヨースト・レーシング（ビエラがル・マンで3度優勝したR8を走らせたチーム）のアウディをドライブしたがツーリングカーでは以前のような好成績を残すことは出来なかった。

ル・マンにおいて5度の優勝を経験したビエラだが、毎年順風満帆だった訳ではなく、2003年はわずか15周後にピットインを逃し、燃料を使い果たした^[2]。この年以外はいずれも完走を果たしているが、2004年と2005年にそれぞれ5位と3位に終わる。 そういった経緯もあってか2005年12月、R8の後継車である新しいアウディ・R10の最初の走行に参加。 この努力の甲斐が実り、2006年のル・マン24時間レースで 満を持してR10（チーム・ヨースト）を投入し、ピロと新しいチームメイトのマルコ・ヴェルナーとこのクラシックレースで4度目の勝利を挙げる事に成功し、 2007年も同じ車とチームで勝利。5度目の優勝を成し遂げた^[3]。

主な成績。

• 1991年 旧ドイツツーリングカー選手権 シリーズチャンピオン (アウディ・V8)
• 1993年 フランスツーリングカー選手権 シリーズチャンピオン (アウディ・80)
• 1995年 FIA ツーリング・カー・ワールド・カップ 総合優勝 (アウディ・A4 Quattro)
• 1996年 BTCC シリーズチャンピオン（1997年はシリーズ2位）(アウディ・A4 Quattro)
• 1996年 マカオグランプリ ギアレース 総合優勝 (アウディ・A4 Quattro)
• 2000年、2001年、2002年 ル・マン24時間レース (アウディ・R8)
• 2006年 、 2007年 、 (アウディ・R10 TDI) 総合優勝
• モータースポーツ・マガジンが実施した2005年の世論調査で、最も優れたツーリングカードライバー部門のランキング19位にビエラが選ばれた^[4]。

• 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。

• 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)
• ^† 印はリタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い。
• ^‡ ノンチャンピオンシップレース

• 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)

• 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)

スパ24時間レース 結果
年	チーム	コ・ドライバー	車	クラス	周回	総合順位	クラス順位
1988年	エッゲンバーガー・モータースポーツ	スティーブ・ソパー ベルント・シュナイダー	フォード・シエラ RS500 コスワース	Div.3	499	4位	2位
1989年	バストス・レーシング・チーム	エディ・ヨーセン トマス・リンドストーム		Div.3	472	3位	2位
1990年		ローランド・アッシュ トマス・リンドストーム		A+2.5	467	3位	1位
1992年	ポルシェ・ツェントレン・モーリッツ	フランク・イェリンスキー ウォルフガング・カウフマン	ポルシェ・964 カレラ2	NB4.0		DNF	DNF

バサースト1000 結果
年	チーム	コ・ドライバー	使用車両	クラス	ラップ	総合順位	クラス順位
1989年	アラン・モファット・エンタープライズ	クラウス・ニーヅビーズ	フォード・シエラ RS500 コスワース	A	161	2位	2位
1990年		クラウス・ニーヅビーズ ピエール・デュドネ		1	151	10位	10位
1997年	オリックス・アウディ・スポーツ・オーストラリア	ブラッド・ジョーンズ	アウディ・A4 クワトロ		161	2位	2位

年	国籍	エントラント	車両	1	2	順位	ポイント
1993年	ドイツ	ROC Competition	アウディ・80 クワトロコンピティション	MNZ 1 19	MNZ 2 18	26位	5
1994年				DON Ret		NC	0
1995年		レーシング・オーガナイゼーション・コース	アウディ・A4 クワトロ	LEC 1 1	LEC 2 2	1位	70

• 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)

ル・マン24時間レース 結果
年	チーム	コ・ドライバー	使用車両	クラス	周回	順位	クラス 順位
1999年	アウディスポーツ・チーム・ヨースト	エマニュエル・ピロ ディディアー・セイス	アウディ・R8R	LMP	360	3位	2位
2000年		トム・クリステンセン エマニュエル・ピロ	アウディ・R8	LMP900	368	1位	1位
2001年		トム・クリステンセン エマニュエル・ピロ		LMP900	321	1位	1位
2002年		トム・クリステンセン エマニュエル・ピロ		LMP900	375	1位	1位
2003年	アウディスポーツ UK アリーナ・モータースポーツ	ミカ・サロ ペリー・マッカーシー		LMP900	28	DNF	DNF
2004年	アウディスポーツ UK ヴェロックス	アラン・マクニッシュ ピエール・カッファー		LMP1	350	5位	5位
2005年	ADT チャンピオン・レーシング	エマニュエル・ピロ アラン・マクニッシュ		LMP1	364	3位	3位
2006年	アウディスポーツ・チーム・ヨースト	エマニュエル・ピロ マルコ・ヴェルナー	アウディ・R10 TDI	LMP1	380	1位	1位
2007年		エマニュエル・ピロ マルコ・ヴェルナー		LMP1	369	1位	1位
2008年	アウディスポーツ・ノースアメリカ	エマニュエル・ピロ マルコ・ヴェルナー		LMP1	367	8位	8位

セブリング12時間レース 結果
年	チーム	コ・ドライバー	使用車両	クラス	周回	順位	クラス 順位
1999年	アウディスポーツ・チーム・ヨースト	ペリー・マッカーシー エマニュエル・ピロ	アウディ・R8R	LMP	304	5位	5位
2000年	アウディスポーツ・ノースアメリカ	トム・クリステンセン エマニュエル・ピロ	アウディ・R8	LMP	360	1位	1位
2001年		トム・クリステンセン エマニュエル・ピロ		LMP900	370	2位	2位
2002年		トム・クリステンセン エマニュエル・ピロ		LMP900	327	5位	5位
2003年	インフィニオン・チーム・ヨースト	マルコ・ヴェルナー フィリップ・ペーター		LMP900	367	1位	1位
2004年	アウディスポーツ UK ヴェロックス	アラン・マクニッシュ ピエール・カッファー		LMP1	350	1位	1位
2005年	ADT チャンピオン・レーシング	エマニュエル・ピロ アラン・マクニッシュ		LMP1	361	2位	2位
2006年	アウディスポーツ・ノースアメリカ	エマニュエル・ピロ マルコ・ヴェルナー	アウディ・R10 TDI	LMP1	117	DNF	DNF
2007年		エマニュエル・ピロ マルコ・ヴェルナー		LMP1	364	1位	1位

• ‡ゲストドライバーであるため、ポイントの対象外。

• 公式ウェブサイト （ドイツ語）